2018-09

2018-09-29
『なぜ頑張っているのに、私は評価されないのか!?』

突然ですが質問です。
皆さんにとって、良い上司とはどんな人ですか?
3つくらい具体的な行動を挙げてみてください。

(シンキングタイム)

現場の社員にも同じ質問をしてみましょう。
「あなたにとって良い上司とはどんな人ですか?」
どんな回答が返ってくるでしょうか?
それは…。

「現場をフォローしてくれる人」

これが意外に多いんですね。
人不足の問題が解消されていない会社が多いのでしょう。
つまり現場を助けてあげる上司が
いい上司になってしまいがちなんです。

では今度は経営者にも同じ質問をしてみましょう。
「良い上司とはどんな人だと思いますか?」
どんな回答が返ってくるでしょうか?

それは…。

「将来を見据えて“今”を変え続けられる人」

といった回答が返ってきます。
現状満足せずに改善・改革を止めない上司です。

つまり現場のフォローも大事だけれど、
少し将来を見据えた上で改善・改革に努めてほしい。
中長期的に安定した成果を出し続ける状態を
作ってほしいという意図だと思います。

現場と経営者が求める上司像を乱暴にまとめてみましたが、
もう既にお気づきになった方もいるのではないでしょうか。

上司に期待する、上司に求める行動が
レイヤーによって異なります。

ですから現場のフォローを一生懸命やっている上司は、
部下からの信頼を積み上げるが、
経営者からの信頼は積み上げられない。

逆に将来を見据えた現状の改善・改革ばかりに目が行き、
現場のフォローは他人事。
自分の仕事ではないと割り切ってしまえば、
それはそれで現場からの信頼は積み上がりません。

部下を持つ上司の皆さん。

「自分は頑張っているのに、
 何で評価されていないんだろう?」と
思ったことがある方。

ここにヒントがないか、探してみてください。

 

2018-09-25
『残業が多い!休日が少ない!賞与が少ない!は本当なのか?』

どうすればクライアント先がいっそう人が育つ会社に
生まれ変わるのか。
その根本課題を見つけて、解決ストーリーを提示するのが
コンサルタントの役割の一つです。

そのために従業員インタビューを行います。
一人当たり30分~60分程度。
会社への想い、職場での悩みや困っている事などを
聞き出していきます。

このインタビューをするといつも面白い現象が起きるんです。
それは…。

「意見が二つに割れる」

という現象です。
同じことを指しているのですが見方が180度
異なるんです。

例えば残業時間について。

Aさんは中途入社で1年目。
「きちんと定時にあがりたいんですけど、
 あがりづらい雰囲気なんですよ。
 結局、1時間くらいサービス残業をしています。
 定時にきっちりと上がれるような職場にしたいです」

Bさんも中途入社で1年目。
「いや~。残業が少なくて本当に助かります。
 前職は1日12時間労働なんて当たり前でしたから。
 今でいう軽いブラック企業ですかね(笑)。
 今は残業1時間くらいですからね。
 本当に労働時間が管理されていて有り難いです」

例えば休日について。

Cさんは中途入社で2年目。
「うちって年間休日とは名ばかりで
 有休がとれないじゃないですか。
 プライベートの充実なくして仕事に意欲は湧きませんよ。
 もっと気軽に有休がとれるような環境を
 作っていけたらいいです」

Dさんも中途入社で2年目。
「以前の職場なんて休日であろうが、
 ほぼ会社に来ていましたよ。
 そうしないと現場が回らない状況でしたから。
 今の会社は月7日くらいは完全にOFFです。
 家族との時間も取れるし本当にいい会社です」

例えば賞与ついて。

Eさんは中途入社で3年目。
「これだけみんな頑張っているので、
 もう少し社員に賞与で還元してあげてもいいと思います。
 他の会社に勤めている友人の話を聞くと、
 うちはやっぱり金額が少ない。
 やっぱり家族を養っていくには実際にお金が必要じゃないですか」

Fさんも中途入社で3年目。
「以前の会社は目標が未達だったら賞与はゼロでした。
 それに監督職まで昇格しないと賞与は出ませんでした。
 この会社は目標未達でもプロセスを見てくれて、
 少額でも賞与は出してくれるし一般社員でも
 それなりの賞与が出る。本当にいい会社ですよね。
 ちょっと甘いかもしれませんけど」

残業時間、休日、賞与を例に出しましたが、
これ以外にも意見が割れるものは多々あります。
(上司のコミュニケーション、会社のルールなど) 

つまり絶対的な基準で人は判断していない。
過去の経験との比較、
他人との比較から相対的に判断しています。

無意識のうちに相対的に物事を判断してしまう習性が
あるようです。

それを知らずに従業員のコメントを
そのまま「真実」として受け止めてしまったら、
コンサルタントとしては失格。
会社もぐちゃぐちゃになってしまいます。

皆さんも無意識に何かと比較して、
コメントをしていることが多いのではないでしょうか?
それは「絶対」的基準ではなく「相対」的基準ということを
認識しておきましょう。

 

2018-09-21
『会社を辞めます!を簡単に口にするな』

地域や業種関わらず、どこも人不足の状況が続いています。

訪問する中小企業の約90%近くが、いかに人を確保するかに
頭を悩ませています。

これだけ採用が難しいと現状社員の定着は重要事項です。
いかに人を確保するかを模索しながらも、
いかに現状の社員を辞めさせないかを
模索している企業が多いのではないでしょうか。

言葉は悪いですが、離職を恐れすぎて
管理職の方々が下手に出てメンバーに接している場面を
見ることがあります。

人不足の中でさらに人が減れば、
残された他メンバーや管理職にも
一層の負担がかかることを恐れているのでしょう。

こうなると「管理職<メンバー」といった
力の構造が強化されます。

私は研修の際、
クライアントの新入社員へ持論を伝えています。

それは…。

「辞めたい!は2回でレッドカード」

どういう事かと言えば、居酒屋で愚痴るの仕方がない。
誰しも会社を辞めたいと思うことは1度や2度
あるのが普通です。

でもそれを上司に何度も伝えることは許されない。
まぁ、1回は許される限度でしょう。
(※引き止められた経験がある方が
読者の中にもいるでしょう)

覚悟をして伝えてほしいのです。

最も悲惨な光景が新入社員が辞めたいと言う。
それを上司がなだめる。
そしてまた数カ月後にまた辞めたいと言う。
またまた上司が話を聞いてなだめる。

それを何回も繰り返している職場があります。
(半年周期でその波が来る新人も見かけます)

離職率が管理職の評価にも
連動している会社があります。

そういった会社の管理職はメンバーから
離職の話が持ち上がると、
上司の対応がソフトに切り替わります。

厳しい指導が鳴りを潜めます。

辞めさせないために、
上司が下手に出てしまうんですね。

フェアーな関係ではないです。
(だいたいこういったケースは、
遅かれ早かれ辞めてしまうのですが…。)

だから私は新卒社員にこう伝えます。
「辞めたいと思うことはきっとある。
 でも辞めたいを武器に使うな!
 それなりに覚悟して辞めたいと言ってほしい」と。

辞めるだの、辞めないだの。
企業で働く以上、本来は簡単に口にすることではない。

古い考え方かもしれませんが、私はそう思います。

 

2018-09-17
『あんなに大変そうなら、僕は偉くなりたくない!』

私が近頃コンサルティング現場でよく聞く社員の本音があります。

それは…。

「あんなに大変そうなら、僕は部長(店長)になりたくない」

ショックですね。リーダーの皆さん、凹みますね。

労働時間を見てか、業務量を見てか、
数字のプレッシャーを見てか…。
とても大変そうに見えるのでしょう。

このコメントを事実として部長(店長)へ伝えると
こういった反応が返ってきます。

「悲壮感、疲労感が出ないように注意しないといけませんね」
「もっと早く仕事を切りあげて帰らないといけないですね」
「プライベートも充実していることを
 アピールしないといけませんね」

どれも正しい回答です。
皆さん、偉い!

リーダーたるもの、部下からどのように見られているか。
それを意識した振る舞いは必要ですから…。

でも本当に、本当にそれでいいのでしょうか?
私は何かスッキリしないんです。

私の本音はこうです。

「大変そうだから部長(店長)になりたくない?
 だったらあなたはならなくて結構!
 そう考える時点でまず100%なれないでしょうから」

大変そうだからリーダーになりたくないと思っている人。

大変ではないリーダーはどこにいるのでしょうか?
私は見たことがありません。
大変ではないリーダーは存在しないのです。
(大変さを見せないリーダーは勿論いますが…)

現在リーダーになっている方は、
ある程度「大変さ」を覚悟していたのではないでしょうか。

だから部下が

「部長(店長)になったらキツイじゃないですか。
 だから私は今のままがいいんです」

と言ってきたら、こう切り返してください。

「そうか。なら部長(店長)を目指さない方がいい。
 めっちゃキツイからな。お前の想像以上にキツイぞ!
 まぁでも…。でもなぁ…。
 癖になるくらい、めっちゃやり甲斐あるわ。
 選ばれた人しかこの経験は味わえない」 

部下に大変さを見せたっていいんです。
だって事実なんですから!
「大変さ」以上の「やり甲斐」「楽しさ」を
見せることが大事なんだと思います。

大変なのは間違いない。
でもなぜか部長(店長)の背中がワクワクしているように見える。
そこに魅力を感じるのだと思います。

「大変さ」を覚悟した上でリーダーになりたい人材を
育成しましょう。

 

2018-09-13
『仕事ができる部長の見分け方 Part3』

本日のテーマは、

・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕事ができる部長の見分け方 Part3
・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回までに見分け方を2つご紹介しました。
電話が鳴らない部長は仕事ができる人。
レスポンスが早い部長は仕事ができる人。

三つ目は…

 

「曖昧な言葉を使わない人」

 

具体的に言えば、

「~ぐらい」「だいたい~」「たぶん~」
「おそらく~」「~といった感じ」
「~だったはず」

といった曖昧な言葉を多様することです。

仕事ができる部長は「数字」で現状を
正確に把握しています。

下記AさんとBさん、二人いたとしましょう。
どちらの部長が今後期待できますか?

A:100件近くの商談をしても、
  僅かしか最終プレゼンまで進めていません。
B:98件の商談をして、
  9件しか最終プレゼンまで進めていません。

A:目標達成まであともうひと踏ん張りです。
B:目標数値500万に対して、あと30万足りません。

また部下へフィードバックする光景を想像してみましょう。

A:佐藤さん(=部下)には、積極性みたいなものが
  足りないように見えてしまう。
B:佐藤さん(=部下)には、積極性が足りない。
  例えば○○という行動が見られなかった。

A:佐藤さん(=部下)は、顧客への提案が
  まだまだ少ない気がするな。
B:佐藤さん(=部下)は、顧客への提案数が不足している。
  今月○件。先月は○件。チーム平均では〇件。

Bさんの方が具体的に現状を捉えていますね。
自分を照らし合わせた時に、
はたしてBさんのような行動がとれているでしょうか?

課題を曖昧に捉えると、曖昧な解決策しか見えてこない。
課題を具体的に捉えると、具体的な解決策が見えてくる。
これは問題解決のセオリーです。

ですから仕事ができる部長は
「曖昧」ということを嫌います。

具体的に目標を決めて、具体的に計画し、
具体的にアクションを起こし、具体的に検証するのです。

上記のような具体的思考がクセになっているので、
具体的な言葉が出てくるのだと思います。

話は変わりますが、
先日とある居酒屋さんでお客様と食事をした時です。

こちらがオーダーをした後に店員さんが復唱しました。
その時に驚くべき一言が…。

「かしこまりました!生中5杯くらいですね?」

5杯くらいって…。何だそれ…。

生中が何杯くるか、ドキドキでした。

 

2018-09-10
『仕事ができる部長の見分け方 Part2』

本日のテーマは、
・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕事ができる部長の見分け方 PART2
・・・・・・・・・・・・・・・・・

前回は電話が鳴らない部長は仕事ができる人、という話でした。

二つ目は…

「レスポンスが早い人」

具体的に言えば、
・研修中に講師からの問いかけへの回答スピード。
・顧客からの想定外な質問への回答スピード
・メールでの問い合わせへの回答スピード。
・部下からの提案事項、相談事項への回答スピード。
・経営者からの問題提起への回答スピード。
などなどです。

「この部長さんはレスポンスが早いな~」と思う人は、
高い確率で仕事ができる部長で経営者からの評価も高いです。

なぜなんでしょう。
「レスポンスが早い」という行動を分解すると下記の通りです。

1.物事を正しく理解する
→2.本質を捉える
 →3.複数の回答案を考える
  →4.複数の回答案をシミュレーションする
   →5.ベスト案を決断する
    →6.意思を表明する=レスポンス

仕事ができる部長は瞬時にこれらのステップが踏まれています。
しかし多くの場合、1~6のどこかで躓いているのではないでしょうか?

1.自分の思い込みで理解してしまう
2.本質からブレる
3.1つしか回答が出せない
4.シミュレーション力が乏しい
5.決められない
6.責任を取るのが怖くて他者へ表明できない

「そんな高度なことは自分にはできない」
と言われる方がいます。

最初はみんな同じです。
これらは「訓練」で高めることができます。

レスポンスが遅いことは、上司の信頼を失います。
レスポンスが遅いことは、部下の信頼を失います。
レスポンスが遅いことは、顧客の信頼を失います。

レスポンスが慎重になりすぎていて、
いつの間にか周囲からの信頼を失っていませんか?

今日から迅速なレスポンスの訓練を始めましょう。

次回はPart3です

 

2018-09-08
『仕事ができる部長の見分け方 Part1』

本日のテーマは、

・・・・・・・・・・・・・
仕事ができる部長の見分け方
・・・・・・・・・・・・・

時々、社長からこんな質問をされます。

「うちのA部長にどんな印象を持ちました?」
「A部長の重要な課題は何だと思います?」
「A部長はどうしたら伸びますか?」

部長たちと研修でお会いするのはわずか3~6時間。
それでも多くの管理職を見ている
外部コンサルタントの目から見て、
どのように見えているのかが気になるのでしょう。

こちらもプロなので適当な事は言えません。
かといって「全く分かりませんでした」とも言えません。

難しいことですが短い時間の中でも管理職の特徴を掴んで、
自分なりの所見を伝えることが求められます。

先日もある会社で社長からいつものごとく切り出されました。
「うちのA部長はどう見えました?」

私は正直に答えました。
「自分では仕事ができると思っている部長ですが、
 自分が思っているほど周囲から
 評価されていないのではないでしょうか」

「へぇ~。私と同じ見解ですね。なぜそう思ったんですか?」

社長は興味深そうに話の続きを聞きたがります。

研修中は緊急でない限り、
携帯電話はマナーモードにして電話対応せず
研修に集中してほしい旨をお伝えしています。

しかしA部長は『すみません…』と言って
研修中に外に出ること数回。

休憩時間や昼食休憩時は、
トイレへ行く以外は電話対応されていました。
研修中に携帯画面を気にされる姿も…。

休憩時間に「何か緊急のご用件ですか?」と聞くと、

「緊急な用件は一部です。いつもこうなんです。
こちらが指示を出さないと現場が動けないんですよ。
困りました。」

電話がたくさん鳴る。緊急対応をしなければいけない。
指示を出さないと部下が動かない。

本人は多くの電話対応をしているので仕事が忙しく、
「必要とされている」感覚に浸っているかもしれません。

しかしこれは部長としての力不足を
自ら披露してしまっているようなものです。
電話がかかる=緊急なことが起きている証拠なのです。

研修で1日抜けるのが分かっていれば
事前に段取りができるはず。

自分が緊急対応しなくても済むよう、
業務の標準化や権限委譲ができるはず。

現場が指示待ちにならないよう、
右腕を育てられるはずです。

本人はこれを自覚されていないようでした。

だから
「本人は頑張っている。でも周囲から評価されない」
ということが起こりうるのでは?
と想像ができたのです。

あるクライアント先では、
管理職に1週間のリフレシュ休暇を取らせています。

最悪の事態にならない限り、
管理職へ電話をかけることも制限されています。

この取り組みの表向きの狙いはES向上。
裏の目的は管理職がいなくても、
何ら問題がない環境を無理やりにでも作ることです。

部長の皆さん。
最初は寂しいかもしれませんが、
電話がかかってこない状態を目指しましょう。

 

2018-09-05
『社長!○○というアドバイスは無意味です! Part3』

前々回、前回と

「効率的にやってくれ」
「コミュニケーションを取りなさい」

という社長のアドバイスは意味がないといったお話でした。

今回はPart3です。

○○というアドバイスも正直、意味がないのかな…と思っています。
それは…。

 

「危機感を持ちなさい」

 

ドキっとした方いませんか?
その方にお伺いします。

「危機感と持ちなさい」

と言って危機感を持った役職者は、はたして何人いましたか?
行動が変わった役職者は何人いましたか?

私の感覚だと10%くらいです。
偉そうなことを言っていますが、私も部下に連発していました。

「危機感を持て!危機感を持て!」

でも一向に相手の行動は変わりませんでした。
自分はなんて影響力がないのだろう…と自信喪失したことも。

自分も一般社員の頃、
上司から同じように言われていたことを思い出しました。
何度も、何度もです。

「危機感を持て!」

その当時の私の正直な気持ちは、

「全く危機感を持っていないわけではないですけど…」
「部長のレベルまではないですが、私なりには危機感あります」
「何を見て危機感を持て!と言っています?」
「危機感を持て!と言われても、何をしたらいいんですか?」
「今日、部長は機嫌が悪いのかな?社長に何か言われたかな?」

といったところでした。

 

なぜこのようなことが起きるのでしょう。

 

①危機感の次元がそもそも違う
経営者の抱く危機感と社員が抱く危機感。
そもそも次元が違います。
経営者も自分の気持ちを理解してほしいものです。

自分のレベルで危機感を持っていない=危機感がない
と判断してしまいます。

経営者は会社を潰さない「責任」があります。
だから危機感が醸成される。
言葉を選ばずに言えば、社員は会社を潰さない「責任」はない。
会社が潰れる「不安」はあるけれども。

経営者レベルの危機感を持つことは、
彼が経営者にならない限り一生無理でしょう。
自分と同等の危機感を持ってほしいという願いは、
諦めるべきでしょう。

 

②行動に移さない→危機感がない
社員なりに危機感を抱いている人もいます。
ただし「危機感を持つ」ということと「行動する」と
いうことは大きな隔たりがあります。

危機感を持っていても、不安で動けない、
具体策が見えずに足踏みをしてしまう人は残念ながらいます。

経営者から見れば「行動しないのは危機感を持っていない証拠だ」と
思われるでしょうが、社員においては、
意識と行動は全く別物だと思った方がいいでしょう。

 

③危機感を感じる「情報」に格差がある
危機感は「持つ」ものではなく「感じる」ものです。
経営者は社員より会社のリアルな数値、将来の数値予測、
競合他社の動向、業界市場の動向、
他法人の倒産などの情報を得ています。
その情報から「危機感」を抱いています。

これらの情報がなかったら、
経営者であっても「危機感」は鈍化するでしょう。
社員が危機感を持つために、前提となる情報に格差がないか、
目を配るべきではないでしょうか。

 

危機感は「持て」と言って持てる人はいない。
危機感は「感じる」もの。
危機感は自分が背負える分だけ背負ってもらうもの。

このように私は思うようになりました。

社員が危機感を適度に「感じる」仕組みや仕掛けを、
経営者は整備していってください。

 

2018-09-04
『社長!○○というアドバイスは無意味です! Part2』

前回は「効率的にやってくれ」というアドバイスは意味がないですよ、
といったお話でした。

なぜなら自分で何が非効率的なことかが分からない。
部下という立場上、無駄な仕事を自分から捨てることもできない。
優先順位といっても上司との優先順位がそもそも異なるためでした。

 

今回はPart2です。
実は○○というアドバイスは無意味なんです。
それは…。

 

 

「コミュニケーションを取りなさい」

 

 

Part1の「効率的にやりなさい」と同様にコンサルティング現場で
このアドバイスを数百回目撃してきました。
がしかし、このアドバイスで行動が改善されたことはほぼありません。

なぜでしょうか。

 

1つ目の理由。
「コミュニケーションを取りたくないから」

社長の耳に入る頃には、多く場合AさんとBさん間では関係はかなり悪化しています。
できればお互いに関わりたくないのです。

社長から指摘されたので、業務上支障がないように最低限コミュニケーションは取るかもしれません。
しかしあくまでも最低限。相乗効果が生まれることはないでしょう。

人間は感情的な生きものなので、関わりたくない人とコミュニケーションを取ることは苦痛です。
おそらく社長の目が届かなくなったら、
最低限のコミュニケーションはどんどん減っていくでしょう。

 

2つ目の理由
「コミュニケーションの次元が違うから」

社長が意図しているコミュニケーションとは、「会話」を意味していません。

先日も、とある会社の佐川部長(仮名)は社長から

「部下ともっとコミュニケーションを取りなさい」

と指摘されました。

佐川部長は忠実に社長が言うとおり、
部下とコミュニケーションを取ろうとしました。
喫煙所に行き部下と世間話をしたり、昼食を一緒に食べに行くようになったりと…。

こういったアクションを起こしているので、佐川部長は自信を持って社長へ
「今は部下とコミュニケーションが取れています」
と報告されていました。

とても残念な部長です。

コミュニケーション=会話と捉えているようです。
おそらく社長が意図しているコミュニケーションとは意思疎通のこと。
さらに言えば心底にある感情レベルの意思疎通をし、

固い信頼関係を築くことがゴールだったはず。

両者が使う「コミュニケーション」の次元がそもそも違うのです。

だから社長は
「コミュニケーションを取りなさい」と言う。

部下は
「コミュニケーションは取れていますよ!」と言う。

このままずっと平行線のやり取りが続いていくのです。

 

コミュニケーションを取れ!ではなく、取らざるを得ない環境を作ること。
コミュニケーションの次元を合わせること。

この2点を注意してみてはいかがでしょうか。

 

2018-09-03
『社長!○○というアドバイスは無意味です!Part1』

経営陣と管理職、管理職と現場スタッフ。

それぞれのレイヤー間で意思疎通が上手くいかない。

そういった組織が多いのではないでしょうか。



社長は○○と言っている。でも管理職は△△と受け止めている。

管理職は△△と言っている。でも一般スタッフは××と受け止めている。

こういった意思疎通のズレを第3者的に把握し、改善に努めることも

私たちコンサルタントの大事な仕事です。



特に経営者や管理職が頻繁に使っている

○○というアドバイスは100%無意味ではないかと思っています。

効果がないのに何度も、何度も、何度も言い続けています。



それは…。











「効率的にやってくれ!」











社長は管理職に向かって、

「君たちはプレイヤーではない。マネージャーだ。

 効率良く仕事を回して、もっとマネジメントに専念してくれ」



管理職は一般スタッフに向かって、

「無駄な仕事をやらなくていい。優先順位を決めて、

 効率的に仕事をしてくれ」



私はこの手のやり取りを数百回目撃してきました。

しかし「効率的にやれ!」といったアドバイスで

改善されたためしがありません。



多くの場合、管理職は仕事を効率的に進めているつもりです。

何が非効率なのか、自分の目では発見できないのです。



一般社員も同様。無駄な仕事はやらなくてもいい!と言われても、

どの仕事が無駄なのかが分からない。

優先順位も自分ではベストのはず。

何を優先するべきかは、上司と見解が違うのです。





「効率的にやってくれ!」

という上司の叱咤激励・アドバイスの後には決まって



「分かりました。以後気を付けます。今後は効率的にやります」



という返答があります。

しかしどのように効率化が図れるか、本人は見えていないのです。



経営者や管理職は部下へ「効率的にやってくれ!」と突き放して終わるのではなく、

どうすれば効率的にできるのかまで、踏み込んでアドバイスをしていただきたいです。