経営理念浸透ブログ

2024-06-19
『途上国から世界に通用するブランドを作る PART2』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV5月号のゲストは、
マザーハウスの山崎副社長。

前回の続きのお話です。

創業当時から、

「途上国から世界に通用するブランドを作る」

というミッションを掲げています。

これは言葉にするのは簡単かもしれませんが、
実現するのは相当難しいことです。

2006年のバングラデシュでバック製造を
始めましたが最初は不良品多数。

なかなか日本の高品質の基準に
適合できなかった。

アパレルメーカーの一部は、
先を見据えて中国から東南アジアに
生産拠点を移す動きがありました。

しかし手作業の工程が発生するものであれば、
その基準をクリアできず、
現地で高品質なものを作ることが困難だった。

なかには諦めて撤退した企業もあるとか。

マザーハウスはそれをしなかった。

あくまで現地の雇用を守り、
現地の生活を支えることを選んだ。

日本での不具合を現地の職人へ
フィードバックする。

またバングラデシュから職人を日本に呼び、
日本の購入者と触れあう機会を作る。

「この人たちのため、いいものを作ろう」

直に会うことで、
彼・彼女たちはそのように思ったはずです。

そして今では高い意識と技術をもった職人が
多数揃うようになった。

それにともない品質も向上。
販売数も向上。
現地の彼・彼女らの生活水準も向上していく。

マザーハウスは、第二の家という意味もある。
彼・彼女たちにとって、「第二の家」のような
存在でありたいという思い。

生産力が低いから、人件費が上がったから。

そんな理由で生産拠点を移さないだろう。

「第二の家」なのだから。

こんな会社が日本からもっと誕生してほしい。
そのように願っています。

 

2024-06-12
『途上国から世界に通用するブランドを作る PART1』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV5月号のゲストは、
マザーハウスの山崎副社長。

個人的にも大好きなブランドです。

創業当時から、

「途上国から世界に通用するブランドを作る」

というミッションを掲げています。

2006年バングラデシュではバック製造。

2009年ネパールではシルクを使いストール

2015年インドネシアでは伝統技術工芸の技術を使いジュエリー

2016年スリランカでは採石場から石を取りジュエリー

2019年ミャンマーではジュエリー(ルビー)

2018年インドではカディを使った衣類(洋服)

現地のきらりと輝く素材を見つけて、
デザインと品質を掛け合わせ、
ブランドに育てていく。

結果、ブランドを育むことで、
現地スタッフの生活も潤っていく。

大手商社が見つけられない素材を
どのように見出せるのか、不思議でした。

お話を聞くと、
商社が絶対に行かないような僻地まで
探しに行くとのこと。

「素材の源流を見に行くことで
 商品のアイデアが浮かぶ」

と言います。

出荷された原料をみて良し悪しの判断ではなく、
もともとの原料はどうなっているのか、
どのような人がどのようなプロセスで、
どのような環境で作っていくのか。

だから現地の人にも
よく知られていないような場所にも
探しに行くといいます。

当然日本人は来ないし、
商社が来たことがないような場所。

この素材を最大限活かして、
マーケットに受け入れられる商品を創れないか?
と悩んでいる方もいるかと思います。

「素材の源流に行き、源流に触れる。
 さらに源流の源流にまで触れる」

これは大きなヒントになりません。

特に調達先が遠方であればあるほど、
源流に触れることはなくなりますから。

 

2024-05-31
『お客様は神様ではない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

先日、お客様が行う迷惑行為や悪質なクレーム、
いわゆる「カスタマーハラスメント」を防ぐために、
東京都が全国で初めての条例制定に向けて動き出した
というニュースがありました。

これはよい取り組みだと思います。

「顧客第一主義」
会社の方針に掲げている企業は多い。

今だに「お客様が神様」
思っているビジネスパーソンもいる。

お金を払っている側が偉い。
お金を払っている側が立場が上。
立場が上だから偉そうにしても構わない。

そのように誤認している方が
一定数いるように思います。

両者のやりとりを傍から見ていると
気分が悪くなりますね。
まるで弱い者いじめをしているようです。

例えば電車の事故で電車が遅れてしまったときに、
駅員さんに攻撃的に詰め寄っている人を見かけます。

「お前どうしてくれるんだ。
 どうやって責任を取ってくれるんだ。
 早く電車を動かせ!」

事故が想定されていればよいですが、
ほとんど予想できないことばかり。

事故の原因分析や後処理もあるでしょうし、
電車を直ぐに動かすことができるわけがない。

文句を言っても、激しく詰め寄っても
仕方がないことです。

駅員さんはひたすら謝罪を繰り返し、
このクレーム客から解放されるのを待っています。

そのクレーム客の後方には
長蛇の列ができていて、
他の方もイライラしている。

客観的にみていると、
行き過ぎた感情的な反応にしか見えません。
ストレス発散の矛先になっています。

サービス業においては特に
お客様が偉くて、お客様に仕える、
といった発想がまだあるかもしれません。

スタッフの立場で考えれば、
仕事とはいっても、割り切れないこともありますね。

会社は、理不尽な顧客からは
スタッフを守る必要があります。

このカスハラの条例は、
そのような働きをしてくれることを願います。

 

2024-05-25
『ダイバーシティ経営がうまくいかない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

経済産業省によれば、ダイバーシティ経営とは、

「性別、年齢、国籍、障がいの有無、価値観、雇用形態、
 働き方などが異なる多様な人材が能力を
 最大限発揮できる機会を提供することで
 イノベーションを生み出し、
 価値創造につなげている経営」

定義しています。

しかし巷では、

「様々な年齢の人を活かす」

「女性が活躍できる環境を作る」

「様々な事情を鑑み、個々の働き方に順応する」

という程度に捉えている印象です。

ダイバーシティ経営と掲げていても、
「パフォーマンス」で終わっている会社もあれば、
価値創造といった結果まで結び付けている会社もあります。

先日お会いした経営者は、

「“価値観の相違”への理解。
 これが最も重要。
 相手を評価・判断せずに受け入れることが
 最も重要なダイバーシティ経営だ」

と言われていました。

私も同感です。

それがダイバーシティ経営の出発点であり、
これさえできていれば、
他の違いの融合も自動的に
できてしまうのではないかと思います。

価値観を完全にすり合わせることは難しい。
相手に強制・強要もできない。

違いを隠さず、言葉に表し、理解し合えることで、
不思議と安心感が形成されます。

上手く行っていないダイバーシティ経営は、
「心理的安全性」という土台がないのかもしれません。

違いを表面化するということは、
勇気がいりますので。

ダイバーシティ経営を実現するために、
「心理的安全性」という装置は起動していますか?

 

2024-05-18
『サンクコスト効果に惑わされる』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先月、目黒川に花見に行った時の話です。

人が沢山集まるスペースがあり、
そこには飲食のキッチンカーが複数並んでいました。

たこ焼きが好きな私は、
あるキッチンカーの行列に並ぶことに。

既に20人くらいが並んでいました。
しかし、たこ焼きへの欲求が抑えきれずに
決意して並ぶことに。

しかしここで問題が起こりました。

なかなか列が前に進まないのです。
10分ほど待って3~5組程度。

購入まで何分待たされるか、
見込みが立たません。

諦めようともしましたが、
これまで苦労して並んで待った時間を思い返すと、
無駄にはしたくないと思い、
そのまま並び続けました。

結果、たこ焼き購入までたどり着いたときには、
フラフラでした。

さて、

「サンクコスト効果」

を聞いたことはありますか?

「埋没費用」とも呼ばれ、
既に支払って取り戻せない
金銭的・時間的・労力的なコストを表します。

 

サンクコストを気にするあまり
合理的な意思決定や行動ができなくなってしまうことを
「サンクコスト効果」と言います。

たこ焼き程度ならばまだよいですが、
これは会社経営においても、
よく起こりえることです。

ここまで研究開発へ投資したのだから、
ここで中止にできない。

ここまで新規事業へ投資したのだから、
赤字でも止められない。

これだけお金をかけて改装した新店舗だから
ここで止められない。

これだけ広告費を投じたのだから、
売れるまでさらに広告費を投じないといけない。

長い時間をかけて苦労して
見つけてきた店舗物件なので
なかなか見切りをつけられない。

時間・労力・お金。

多くの物を投じたからこそ、
どうにか回収したいと思い、
非合理的に続けることを選択してしまいます。

時には、事業や商品サービスを創ることより、
「止める」ことの方が難しいことがありますね。

「損切り」も大事な意思決定である
経営者仲間からも教わったことがあります。

この場合の「見切りが早い」は悪い意味ではなく、
よい意味です。
ダメージを最小にできたと。

大坂万博も建築コスト増により、
想定の何倍も予算がかかる見込みのようですね。

これも「サンクコスト効果」でしょうか。

何とか誘致までこぎつけて、
ここまで関係者と話を進めてきたら、
後には引けない。

予算オーバーだろうがやらざるを得ない。

経営者の皆さんにとって、

「止めること」「見切りをつけること」

これらは恥ずかしいことでも、
意志が弱いことでもありません。

経営者は意思決定を間違うと、
会社に多大な影響を与えますから。

「サンクコスト効果」に惑わされずに、
自分をメタ認知する。

意地になっていないか?正しい判断なのか?

立ち止まって考えることが必要です。

 

2024-05-12
『貢献と成長』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

残業を加味しなければ、
ビジネスマンは概ね週40時間の勤務をしています。

同程度の時間を仕事に割いているのに、
なぜ人によって成長の差がこれまで開くのかと
疑問に思ったことはないですか?

最近お会いした会社の経営理念は
どちらも「貢献」と「成長」。

「貢献」と「成長」は比例すると考えます。

「貢献したい」と思える機会に出会えれば、
「成長したい」と自ら思い、
自己成長のために労を惜しまないのではないでしょうか。

 

A社の経営者は貢献したいと思いを

「圧倒的当事者意識」

と表現しました。

この課題を自分が解決しないといけない。
何が何でも自分がこの課題を解決したい。

この「圧倒的当事者意識」があると、
周りが何かしてあげなくても、
自動的に成長をしていきます。

「自分を磨け」とか、
「スキルアップしよう」とか、
何ら小言を必要がありません。

「起業家や創業社長の成長速度は速い」

と言われている方がいました。

それは「圧倒的当事者意識」を持つ環境に
身を置いたからではないかと思います。

「潤す」のではなく「乾かす」こと。

日常のケースに置き換えれば、

・新たな仕事や役割を任せてみる
・新しい商品開発や事業を任せてみる

といったことが考えられます。

圧倒的な当事者認識を持つためには?

そこから考えてみましょう。

 

2024-05-03
『退職代行にお世話にならないために…』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

4月は新卒社員が入社される時期です。

一方で退職代行依頼件数が4月中旬の時点で
月80件にも及ぶということがニュースになっていました。

サービス利用者の約6割は20~30代の若者らしいですが、
最近ではベテラン世代からの依頼も増えているそうです。

おそらく人手不足に陥っている企業では、
直ぐに辞められる状況ではなく、
会社からの退職時期の交渉や引き留め等があり、
結果、ベテランスタッフにとってストレスになっているのでしょう。

退職代行のメリットとしては、
出社せずに直ぐに退職できたり、
ストレスや悩みから解放されたり、
気まずい会社の人と顔を合わせずに退職できること。

安くはない費用を払ってまで
サービスを利用するのですから、
それだけのメリットを感じているのでしょう。

新卒者の退職理由で目立つのが、
「職場環境が入社前に聞いていたものと隔たりがある」
ということ。

正規雇用、非正規雇用関係なく、
人材が不足していれば、
自社の良い点ばかりを強調しがちです。

いい人材を集めるには、
自社の良い点をアピールすることは当然ですが、
これだけ「入社前とギャップがある」という回答があるならば、
ネガティブ情報が不足している可能性が高い。

弊社でも過去、非正規雇用の方を採用して、
初日や3日目で突然出勤しなくなり、
その後、連絡が取れないということがありました。

これらは1つの理由には絞れませんが、
改めて、これでもか!くらいに
「ネガティブ情報」を伝えるようしています。

・○○作業は、体がキツイ
・○○業務は、メンタル面で傷つく
・○○なトラブルが発生する。
 その時には△△という対応をしてもらわないといけない

その上で私や面接官が言っていることが嘘ではないか、
現場に研修を数日間入ってもらって、本人の目で確認。

お互いに「ギャップがない」と合意してから
「入社」というステップを踏むように心がけています。

ギャップで辞められるくらいならば、
ギャップを減らすために、
ネガティブ情報を正直にすべて話す。

 

希望をもって入社したスタッフから、
「嘘つき」と呼ばれない会社にしたいですね。

 

2024-04-27
『昔話は“オヤジ化”の始まり』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』。

昭和の親父の不適切発言が、
行き過ぎた令和の社会の空気を壊すといったドラマ。

第六話では、「昔話をしてはダメですか?」というテーマ。

『未来に希望が持てなくなると、
 昔話すのか、ジジイは』

という名言があります。

昔話ばかりするようになったら、
オヤジ化現象の始まりかもしれません。

しかし興味深いことに、
年齢を重ねたからといって、
全員が全員、昔話をしたがるわけでもない。

私は経営者の方にインタビューをする仕事もしています。

私の感覚ではあるのですが、
そこに登場する経営者は、
昔話をしている時は、どちらかというとユーモアに。
未来の話になるとどんどん情熱的になっている方が多い。

おそらくそこに登場する経営者の関心事は、
過去ではなく未来。

過去にどのような成功体験をしてきたか。
聞かれればそれに答えるが、そこにパッションはない。

大事なことは未来。
これから先、どのような会社や世界を作っていくか。

そこが一番の関心事であり、パッションを抱いている。

ドラマの名言を借りるならば、

『未来に希望が持てなくなると、
 年寄りは昔話をする。

 でも未来に希望を持っている年寄りは、
 昔話に興味がない』

昔話より、希望を語ろう。

 

2024-04-19
『新入社員から見た不都合な現実』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

新入社員の方を受け入れ、
彼・彼女たちの今後の成長が
楽しみな職場もあるでしょう。

新入社員の方には、不都合であるけれど、
現実として認識しておかなければいけないことが
いくつかあります。

 

1 選ぶ側から選ばれる側

就職活動中は、どこの会社に入りたいか、
選ぶ側の思考。

しかし会社に入ると、
顧客からいかに選ばれるか。
「選ばれる競争」が始まります。

選ばれる努力をし続けないといけないし、
どれだけいいサービスや商品だと思っても、
選ばれないと会社は生存できない。

 

2 楽しい仕事はない

最初から楽しい仕事に巡り合えるとは限らない。
しかも「楽しい」仕事が会社の中にあり、
待っていて与えられるものでもない。

「楽しい」とは主観的なもの。
どちらかと言えば、
仕事を楽しくする工夫や能力が求められる。

「楽しさ」を見出せる人は、
どんな仕事でもどこの部署に行っても、
やりがいを感じているようです。

 

3 平等ではなく公平

新入社員を受け入れに慣れている会社であれば、
先輩社員は、新入社員に丁寧に教えてくれるでしょう。

仕事の目的や方法まで。
分からないことを聴けば、
答えてくれる人も多いはず。

研修という機会は平等であっても、
どこまで活用できるかは本人次第。

向上心の高い人は、
ここぞとばかりに先輩社員へ質問攻め。

短い期間でも吸収していきます。
そういう意味では平等ではなく公平です。

 

一部の新入社員から見たら、
不都合な現実かもしれません。

でもこれらの現実から目を背けずに、
順応してほしいと思います。

 

2024-04-14
『100年続くためのファミリーガバナンスとは?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV3月号のゲストは、
オタフクホールディングスの佐々木社長。

お好み焼きソースだけでなく、
お好み焼きを国内国外に普及してきました。

創業は1922年。
100年を超える長寿企業です。

非常に興味深かったのが、
ファミリーガバナンスです。

一般的に3代目や4代目が
会社をダメにしてしまうと言われる。

親子、兄弟、従兄弟の関係で上手くやってこれたが
4代目となれば、血も縁も薄まってくる。

そこで佐々木社長は、「転ばぬ先の杖」として
家族憲章を制作。

佐々木家の関係者が集まり、
家族理念や価値観、行動規範や懲罰規定、脱会規定や退職規定など、
明文化していきました。

箍をはめることがなければ、
この先、社内は佐々木ばかりになってしまうという
危機感を抱いたそうです。

 

・各家から一人のみ後継者を選出する。
 各事業会社で同族役員を半数以下にする

・65才で現役を退き、顧問、相談役に就任する

・後継者は世間が決める。
(実績=何を変えて、何を始めて、誰を育てたか)

・年4回のファミリー会を開催する

一例ですが、
憲章の中で上記のようなことを明確にしていきました。

オーナーはどうしても絶対的な力を持ってしまい、
身内への甘えが少なからず出てしまうものではないでしょうか。
(少なくても社員からそのように見えてしまう)

100年以上続く企業には、続く理由があります。

会社は「公器」である。

改めて気が引き締まる思いです。