2019-03

2019-03-29
『任せたいけど任せられない その4』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

◯素人でも自分でやりたい人

「何事も自分でやってみないと分からない」

そのとおりです。その姿勢は大事です。

でも所詮、
素人が努力しても素人レベルからは出られません。

しかも素人なので玄人の2倍も3倍も時間がかかる。

他の業務との兼ね合いを見て、
あなたの時間をそこに投資する価値があるならば
習得していくべきでしょう。

「餅は餅屋がついたものが一番うまい」

何事も専門家がいるので専門家に任せる方が一番よい。

自分の不得意なことは専門家に任せて、
自分の得意なことに時間を使うことが最適です。

一人ひとりの時間もエネルギーも有限です。

限られた時間を何に使うか。
限られたエネルギーを何に使うか。

要所要所に使えなければ、
成果は半減するでしょう。

「餅は餅屋に任せる」という発想でいけば、

社内の専門家に任せることは任せてしまう。
社外の専門家に任せることは任せてしまう。

経営はスピードが命です。

任せるとは、
「仕事と人のマッチング」とも言えるでしょう。

 

2019-03-26
『大山会長から学んだ4つの幸せ』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

本日は残念なお話です。

日本理化学工業の大山泰弘会長が亡くなられました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42558840W9A310C1CC0000/

 

粉の出ない「ダストレスチョーク」で
チョークのトップシェアを誇り、
障がい者雇用率も70%として注目されていました。

大山会長には講演ゲストとして過去ご登壇いただきました。

約10年前に川崎の工場に見学もさせていただきました。

工場の運用を工夫しさえすれば、
障害者雇用率が高くても、
これだけ良品質のものが作れるのかと驚きました。

そして

「人に愛されること、
 人に誉められること、
 人の役にたつこと、
 人から必要とされること、

 人間の究極の幸せはこの4つです。

 働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのです。

 その愛も一生懸命働くことによって得られるものだと思う」

という大山会長の言葉に感銘を受けました。

社員がイキイキと働いている会社とは、
言い換えればこの4つの幸せが満たされている状態では
ないかと思います。

クライアント先でもそのような会社を作りたいし、
自社でもそのような会社に近づきたいと思っています。

この意志を持ち続けることを
亡き大山会長と約束したいと思います。

 

2019-03-23
『任せたいけど任せられない その3』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

上司は部下に仕事を任せたい。
でもなぜ任せられないのか。

◯部下に負担がかかるから

部下を大切にしたいと思う上司ほど、
部下の物量や特性を把握しています。

「これ以上仕事を任せると彼・彼女はパンクする」

「この仕事を任せると他の仕事が止まる」

「この仕事を任せると
 彼・彼女のモチベーションが下がる」

「この仕事は彼・彼女が苦手な仕事。
 きっと嫌な顔するだろうな」

こういったことを考えます。

上司の「配慮」なのか「遠慮」なのか。

もし「遠慮」ならば、
自分が全て背負えばいいということになる。

結果、自分の仕事は何一つ減らない。

より弱い立場の人間を救うという
世の中の風潮があります。

乱暴な任せ方をすると「パワハラ」と
いう部下もいるくらいです。

ですから部下の顔色を伺う上司は
増えざるを得ません。

「嫌な顔をされるくらいなら自分でやっておこう」

となってしまうのです。

上司が仕事に追われている姿を見れば、
さらに「役職者になりたくない」人が増えるでしょう。

部下への配慮した任せ方とは?

それは部下の仕事の「交通整理」をすることです。

今やっている仕事で、

「止めるもの」「簡素化するもの」

「他者へ移行するもの」に分類していく。

その上で上司の仕事を任せていく。

それをしないと部下視点では、
ただ仕事が増えていく未来しかありません。

今でもギリギリでやっているとすれば、

「この状態でさらに仕事が増えて、
 残業までするなって言われても
 はたしてどうしたらいいか…」

と思うでしょう。

任せることと交通整理はセット。

それが配慮した任せ方です。

 

2019-03-22
『任せたいけど任せられない その2』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

上司は部下に仕事を任せたい。
でもなぜ任せられないか?

◯「自分でやったほうが早い」から

何年も何ヶ月もその業務をやっているあなたからすれば、
1時間で終わってしまうかもしれない。

ただそれはあくまでも
何年もやっている人だからできる速さ。

全くの初心者がその業務を完了させるのに
4時間近くかかってしまう可能性がある。

しかも教える時間をとったり、
教えた後にフォローすることも考えると
さらに数時間を見積もることが必要です。

つまり「たくさんの時間を取られる」ことが
任せる前の段階から想像できる

だから一歩を踏み出せないようです。

この状態を放置しても何も進展がありません。

「いつか任せられたら…」
「いずれ任せられたら…」

「いつか」も「いずれ」も来ない。

「いつから、誰に、どうやって、なぜ任せるか」を決める。
そして部下に伝える。

それをやらないと抜け出せません。

 

2019-03-19
『任せたいけど任せられない その1』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

業務や役割を後輩や部下へ任せたいけど任せられない。
そんな人がリーダーがいますね。

その現象は任せる側と任される側、
両者に原因があります。

ですがパワーバランスを考えると
任せる側がより工夫することが求められます。

なぜ任せられないか?

1.完璧主義思考と失敗への許容力

「完璧主義思考」が任せることを遠ざけます。

こだわりを持って自身の業務をやられている方は、
細かい所まで創意工夫されています。

しかし教える時、任せる時に
この「細かい所」まで教えきることは難しい。

センスに近い領域のこともあるでしょう。

細かい所に気づけない彼・彼女の行為は、
ヌケ漏れに映ります。

もしくは「細かい所」まで真似ができないことを
「意識が低い」と判断し、
姿勢や能力を疑問視して信頼をおきません。

最初なんてみんな60点でOKかと思います。
それ以上できたら優秀と思えばいい。

もちろんずっと60点だと成長がないし、
クオリティが低いですから、
次回は65点、その次は70点と
段階的に求めていけばいいですよね?

「最初は完璧ではなく60点で良しとする」

そのパラダイムが必要です。

残りの40点分を失敗と捉えるかもしれません。

望んで失敗する人はまずいません。
失敗を一度もしない人もいません。

完璧主義思考の人は、

「失敗を想定して温かく見守る」

そんな我慢強さ、気長な気持ちが必要ですね。

 

2019-03-16
『属人化は自分を幸せにするため?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

社員はなぜ辞めるのか?

離職に繋がる要因として、

「人間関係が悪い」「拘束時間が長い」
「給与・賞与が低い」「評価に不満がある」
「上司とウマが合わない」

などが一般的に挙げられています。

たしかにそのとおりだなと思います。

ただしモチベーションが高くない状態で
働き続けている原因であり、慢性化すると退職に繋がるのは、

「必要とされていないと感じる」

からではないかと思います。

自宅に帰れば家族に、
外部団体に所属していればその組織内で、

「必要されている」

と感じているから身を置き続けるのではないでしょうか。

ここで問題があります。

「属人化」という状態は会社にとってはリスクです。
ですから人についた仕事がないように
マネジメントするのが通常です。

一方で個人の観点でいくと
上記の「必要とされている」という感覚は、
「属人化」によって満たされたりします。

属人化すれば、

「あなたがいないと困る」
「あなたがいないと仕事が回らない」
「あなたの能力は特殊である」

と思われ、知らず知らずのうちに
自分のポジションを確固たるものにしてしまいます。

下手をすると彼・彼女に強く言えない状態を作り出す。

会社のリスク対策と個人の満足感が
相矛盾することになります。

これに答えはないのですが、個人的な意見では、

「ハイレベルな属人化」と「ローレベルの属人化」

があると思います。

本人は自分にしか出来ない!と思っていますが、
実際に他の人に任せてみると1ヶ月程度で
引き継ぎ完了できることがあります。

これは社内価値は高いのですが、
市場価値では低いという現実です。

これは本人がハイレベルと思っていますが、
客観的にはローレベルです。

一方でハイレベルの属人化は、
個人の適正とセンスが投影されて、
スペシャリストであること。

この方は自ら日々進化していくので、
通常の努力ではどうにも追いつくことはできない。

市場価値が高く、引き抜かれる方です。

会社としては、
ローレベルな属人化は、標準化・平準化でリスクを減らす。
ハイレベルな属人化は、器を用意して活かす。

会社も個人も両者が
「必要とされている」という関係は、
上記の状態に作り出せるのではないかと思います。

 

2019-03-12
『権限を悪用する人 or 権限を活かす人』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

どこの職場でも実力主義の側面はあります。
能力やスキルが高い人が昇格していく傾向がありますね。

人を動かす立場、権限を持つ立場になると
「人間性」や「人格」を磨くことが必要になってきます。

以前こんなことがありました。

私自身が他人から管理されることが嫌いです。
ですから自分の会社の部下には「管理」されている感覚を
持たせたくない、

部下にはイキイキ仕事をしてほしいと願っていました。

ですからそれなりの自由と権限を与えて
Aさんに組織運営を任せていました。

しかしたまにAさんの部署のメンバーと話すと
イキイキしていない。

Aさんは伸び伸びシているように見えるですが、
部下は窮屈にしているように見えました。

そこで彼らと面談をしていくと、
Aさんへの不満が爆発しました。

「Aさんのパワハラがすごい。
 俺の言うことが聞けないなら
 辞めてもらってOKと言われた」

「あなたの評価は私が決める。
 何も考えず私が望む動きをしてください」

「私の許可なしに勝手に動いてはいけない。
 すべて私に許可をもらってから動くこと」

「Aさんはスタッフがいない所で
 彼らの愚痴をいう。それを聞かされても…」

「感情にムラがある。気分で言うことが変わるし、
 機嫌が悪いときには罵声が飛ぶことがある」

「好き嫌いの態度が露骨すぎ。
 嫌われている人は見ていて可愛そう」

あげればキリがありません。

Aさんのもとでは働けないので、
転職活動を始めているメンバーもいました。

Aさんは伸び伸びしていますが
Aさんのメンバーは監禁されてるような状態。

この現象を作り出した原因は
私が与えた「権限」ではないかと思うのです。

下の人が上の人へ逆らえない。
それは「権限」が理由の一つ。

「権限」はメンバーを屈服させる力があります。

でも使い方を間違えると、上記のように
メンバーが離れていくでしょう。

「権限」は「武器」です。

人を活かすことや守ることができます。
一方で潰すこともできてしまう。

大きな権限=強力な武器を与えるからこそ
持ち主の人間性・人格が問われてきます。

人間性や人格が備わっていないリーダーが
権限を持つことほど怖いことはありません。

力を持つリーダーになるほど
人格教育が必要なのではないかと
改めて気付かされました。

 

2019-03-10
『嘘つきは社長の始まり』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

嘘つきは泥棒の始まりではなく、
嘘つきは社長の始まりです。

ひふみ投信の藤野氏は、
書籍内でこのように言っています。

「黒い嘘と白い嘘がある。
 
 そもそも可能性がないのにできます!と
 答えるのは黒い嘘。

 すでに起きた事実の虚飾も黒い嘘。

 一方白い嘘とは、確実でなくても断言できるできること。
 
 “この事業が世界を変える”“社員を絶対に幸せにする”など。
 
 覚悟を決めて断言できること。

 プロポーズを思い出してください。

 3人に1組が離婚する今日。その現実的な数字から正直に

 “あなたを幸せにできる可能性は高いです”

  と言ったら女性側はどう思うか?

  “幸せにする”と言ってほしいはず」

元カルビーの松本社長は
「経営者はホラを吹け!」と言っていますね。

上記の「白い嘘」も「ホラを吹く」ことも、
共通していることは、目指すレベルが高いこと。

だから今の段階では実現可能性は低い。

でもそうしたい!と強く思っていること、
長い年月をかけても、そこまでたどり着くという気持ちに
嘘はないわけです。

社長がホラを吹く。

その時に2つのタイプの社員がいます。

1.この社長は頭がおかしくなった。
  この人にはついていけない。

2.おかしなことを言う社長だな。
  いや!面白いことを言う社長だ。
  騙されたと思って一緒にやりたい。

2のように思っている人が数年後、
意外と経営幹部になっていたりするんですよね。

 

2019-03-04
『“納得”と“共感”を無視する』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

部下たちにテーマを与えた。

すると

“みんなで話し合って決めました”

という回答が返ってきた。

たまにその空気に違和感を抱くことがある。

みんなで話し合って結論を出すこと=合議制。

合議制は響きがいいし、美しいものだ。

みんなに説明をして、みんなが納得する。
するとみんなが行動しやすい。

ただデメリットもないだろうか?

みんなの意見を取り入れているうちに、
どんどん特徴が「標準」になっていく。

尖りがない。特徴もない。

T社では役員が10人いる。

社長が最終決定できる権限をあまり持っていなくて、
役員10人の賛同を得られないと施行できないそうだ。

「この10人のコンセンサスを取るのが大変なんだ…」
とおっしゃっていて保留案件がいくつもあるらしい。

議論することは必要だし、
意見をぶつけ合うことは必要。

その過程でA案がバージョンアップしたB案になれば
まだいい。

しかし10人のご機嫌をとるような議論をしていると
A案がバージョンダウンしたC案になる。

もはやC案であるならば、
差別化もできないのでやる意味がない。

極端なアイデア、非常識なアイデアは
議論の過程で角を削り取られて、
かえって魅力のないものになってしまう。

「納得」や「共感」を求めるがあまり、
「普通に近づいていないか?」
と考えてほしい。

理解を得られないと組織は動かしにくい。

一方、理解が得られるものは
常識的で魅力的がないとも見ることができる。

トップダウン経営は批判されがち。
でも上記の理由からメリットもあります。

尖ったアイデアのまま遂行できるという点。

最終的には関係者の「納得」や「共感」がなければ
成果は出しにくいだろう。

ただ「納得」や「共感」を重視しすぎて、
タイミングを伸ばすのは惜しい。

日本の会社で
“変革やイノベーションが起こりにくい”
と言われるのは、これらの理由もあるでしょう。