2019-10

2019-10-31
『従業員の好意に甘えてはいけない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

京都に佰食屋という飲食店があります。
昼時に100食を売り切ったら営業は終了です。

「それで経営が成り立つのか?」

飲食業界が長い方ほど不思議に思うそうです。
私もその一人でした。

働き方も含めて、
飲食業界の常識を覆す中村社長。

中村社長にインタビューした際、
このようなことを言われていました。

「残業をしないと利益が残らない。
 それならば商品・サービスがダメか、
 ビジネスモデルがおかしい。
 
 従業員に我慢してもらわないと、
 ときにはサービス残業をしてもらわないと
 利益が出ないならば、すぐに止めるべきだ。

 従業員の好意に甘えて、利益を出してはいけないし、
 それが普通になっている経営者もいる」

ドキッとするコメントでした。

会社や全体最適を考えて、
自己を犠牲にして貢献する社員は一定数います。

私含めて、経営者はその人達の好意に
甘えてしまうことがあるかもしれません。

それが常態化してはいけません。

T社に訪問した時のことです。

夜遅くまで会社に残っている社員がいて、

「成果が出ていないからサービス残業するのは当たり前です。
 成果を出せない人は人として扱われない!と
 教えられましたらから」

と言われてました。

確かに成果の個人差は出てしまう。

とはいえ経営が芳しくない理由を

「社員の頑張りが足りないから」

で片付けてしまうことは非常に危険です。

経営者は従業員の気合や根性に甘えず、
経営者のやるべきことをやらないといけません。

 

2019-10-23
『ハイパフォーマーだけどパワハラ上司』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

多くの会社がリスク監理の視点で
ハラスメント研修を導入し始めています。

ただ人事担当者の話を聴くと、

「パワハラすれすれの人ほど、重要度を理解していない。
 自分は該当しないと思っている」

「自分も同様に過去、この程度の指導を受けてきた。
 だから問題ないという人がいる」

「自分だけでなく、他の人もこの程度の指導をやっている。
 だから自分がパワハラのはずがないという人がいる」

と言われていました。

たしかに世の中には「○○ハラスメント」という言葉が溢れ、
より強者側の方が自粛モードです。

行き過ぎかなと思うこともあります。

でも世の中の流れは完全に変わりました。

学校教員のハラスメント。
サッカー監督のハラスメント。
経営者のハラスメント

ニュースネタのカテゴリーの一つです。

どれだけ優秀な成績を収めている人であっても、
パワハラと認定されれば、会社は個人を守れません。
規則に則り処理するしかありません。

ハイパフォーマーの一部には、

「自分は会社内でそれなりの成果を出している。
 だから会社も自分には強く言えない」

と思っている方もいます。

成果を出してるから、
少しくらいパワハラをしていい、
なんてことはありません。

当然ながら、パワハラなどすることなく、
成果を出すことがリーダーには求められています。

「チームの成果とパワハラは矛盾しない」

という考え方にリセットしないと
リーダーの言動は変わらないでしょう。

油断しているハイパフォーマーの皆さん。
大事になる前に気づいて改善してください。
もう既にアラートが出ているはずです。

 

2019-10-19
『みっともないスピーチを止めよう』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

経営幹部ともなると、
社内でスピーチをすることも増えるでしょう。

朝礼、会議、研修会、懇親会。
結婚式のスピーチなども頼まれるかもしれませんね。

これだけは止めた方がいいということを
アドバイスさせていただきます。

なぜかといえば誰も偉い方にはアドバイスをしないので、
ご本人が気づかれていません。

永続的に改善されないからです。

1 話が長い

司会泣かせな方です。
おそらく司会の方から事前に

「1分でお願いします」
「3分でお願いします」
「手短にお願いします」

と言われているはずです。

その時間を無視する。
時間を全く気にせずに話したいことを話す。

懇親会の乾杯などで、
中身のない話を聞かされる立場になってみましょう。

目の前にビールがあるのにお預け状態。

参加者の心の声、

「早く終わってくれ」

が聞こえないのでしょうか?

話は手短にすることが原則です。

 

2 過剰な謙遜

「話下手なので、結論のない話になるかもしれません。
 何卒ご了承ください」

「こういう場に慣れていないので、
 うまく話せないかもしれません。
 どうかお許しください」

「急に振られたので何を話していいか分かりません。
 拙い話になるかもしれませんがお許しください」

エキスキューズから入ります。
これには不快感を抱きます。

中身のない話でやたら長かったとします。

なおさらこのエクスキューズに
イライラするのではないでしょうか。

過剰な謙遜はみっともないのです。

以上2点。

様々な所でスピーチをする機会がある方。
最低限、気をつけてください。

 

2019-10-17
『利益は残ったウンチにしかすぎない その2』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

伊那食品工業様では、
「営業会議では数字の話はいっさいしない」と言われていました。

中央タクシー様でも
「ノルマは一切ない。数字の話はない」と言われていました。

他にも少数ではありますが、
ノルマ(課せられた目標)がない会社は存在します。

世の中の企業の大半は、営業会議=数字の積み上げ会議。

ですから数字の話が一切ない会議に驚きます。

同時に数字の話を一切しないのに、
業績がいいことが不思議でならないという声も。

宇都宮会長と以前対談させていただいた時に

「業績と言って業績が上がるならば、業績を1万回言い続ければいい。
 でもそんなことはありえない。
 理念と1万回言う。理念を実践することが結果、業績に反映される」

と言われていました。

数字が語られない営業会議を羨ましく思い、

「うちも明日から営業会議で数字の話を一切止めよう」

という経営者がいましたが、それはまた違う話のように思います。

数字責任を誰が負っているか。
プロセス遂行責任を誰が負っているか。

経営者まで数字を見なくなったら、やはり舵取りができません。
業績は成績表のようなもの。
経営者は業績を自分事で捉えていないといけない。

数字責任を追わせることで、
返ってパフォーマンスが下がってしまう人もいます。

そういう人にはプロセスに集中させることが、
返ってよい成績に繋がるでしょう

何よりも大事なことは、自分たちが扱っている商材やサービスが
社会にとって有益で、顧客を幸せにできると信じていること

そうすれば「業績を上げなさい」と人から言われなくても、
自ら動きます。
営業活動が顧客を幸せにする活動そのものなのですから。

営業会議で数字を扱わないと、
もっと業績が下がりそうだと心配になっている経営幹部の方。

一度、営業会議を止めてみてもいいでしょう。

また社員は自社の商材やサービスを愛しているか、信じているか、
確認してみてはいかがでしょうか。

 

2019-10-09
『利益は残ったウンチにしかすぎない その1』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

豊田社長も学ぶ塚越会長。
塚越会長が作られたのが伊那食品工業。
日本全国から見学者が絶えません。

私も縁あって企業視察してきました。

やはり現地でしか感じられないことがあります。
新聞や雑誌を読むだけでは、何も気づけていないですね。

塚越会長の名言。

「利益は残ったウンチにしかすぎない」

健康な体であれば人間はウンチをする。
普通に生活していれば出るもの。

企業も一緒であり、健全であれば利益は出て当たり前。
あくまで利益は残りカス。

ウンチを目的にする人間も企業もいない。
だから利益を目的にすることはおかしい。
幸せになることが全ての企業の目的である。

だから人件費は「費用」ではない。
目的そのものでもあるわけです。

塚越会長のスケールの大きさと
人間力の違いに愕然します。

「人件費は費用ではない」という感覚にまで至らない
自分が恥ずかしくなります。

たぶんこのお話に抵抗感ある経営者は
たくさんいるかと思います。

利益は事業が継続する上で、とても重要なものではありますが、
「手段」であり、最終目的ではありません。

利益は「目標」にはなっても「目的」にはならない。

利益は相手の心を迷わせる力があり、
いつの間にか一番の目的になってしまいます。

経営は「順番」と「バランス」が大事だと言います。

利益は優先順位2番目に来ても1番目にきてはいけない。
利益はバランスでいえば49%であっても、51%になってはいけない。

「順番」と「バランス」を間違えたときから、
経営がおかしくなります。

「それは綺麗事」だと言う人もいるでしょう。

でも時代は代わり、働く人達の価値観は変わってきています。

働く人たちからの支持される経営にシフトしていかなければ、
会社が継続することさえ難しくなるでしょう。

「弊社は今期過去最高益です」

と得意げな顔をしていた経営者がいました。

実態はどうなんでしょうか?
本当に過去最高益は良いことなのでしょうか?

新しいパラダイムで利益を捉えてみましょう。

 

2019-10-03
『儲けることと社会貢献は両立できる その3』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

“ソーシャルビジネス”とは聞こえはいいですが、
事業として成り立たせるには
難易度が高いと感じます。

もちろんたくさんの失敗をされているそうですが、
ボーダレス・ジャパン様は、
なぜ成功させることができるのか…。

それは徹底的に

「リスクを引き受ける」

という姿勢だと感じます。

ミャンマーのリンレイ村で
葉巻たばこ栽培からハーブ栽培に
切り替えるという提案をする。

とはいえ誰も信じないですよね。
葉巻たばこ栽培で生活を成り立たせているわけですから。

買取業者から安く買い取られる。
葉っぱが虫に食われないように
大量の農薬をまく。

すると土壌はどんどん悪化。
以前使っていた農薬が効かなくなっていき、
追加で農薬をまく。

するとコストがさらに膨らみ、
生活が悪化していきます。

ボーダレス・ジャパン様は、
適正な値段でハーブを買取する契約をする。

質のいいハーブが育つように、
お金を払って現地の土地を借りて、
1年間のテスト栽培を繰り返す。

仲買人に借金漬けにされている人もいるそうです。
借金の立替をして手を引いてもらうこともある。

そこまでではない人もいる。
低利子融資にして収穫したハーブの収穫から
少しずつ返済してもらう人もいる。

田口社長は、

「借金漬けの状態でハーブに投資してくださいと
 言ってもできるわけがないです」

と言われていました。

現地で産業を創り、産業を根付かるために、
ほぼ100%に近いリスクを
ボーダレス・ジャパン様が背負っているわけです。

「なぜそこまでリスクを追うのですか?」

とお聞きすると

「それが当社のミッションだからです」

と言われていました。

憧れや善意だけでは、
ソーシャルビジネスはできない。

ミッションに沿ってリスクを追う覚悟と
理想の社会を創りたいという同志の存在が
必要なのだと再確認しました。

 

☆ボーダレス・ジャパン様のイベントがあります☆

→https://academy.borderless-japan.com/jsbs2/