2020-09

2020-09-27
『言葉の真意を汲み取る』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、弊社内で起きたことです。

お恥ずかしながら、
スタッフから不満をいただきました。

「もっと松本さんには現場に出てもらいたい」

どこの会社でも起こりえる不満ですね。

経営者、経営幹部の方は
一度くらいは指摘されたことが
あるのではないでしょうか。

言われた瞬間は、
いろんな言い訳が頭をよぎります。

「経営者の仕事は現場に出ることではない」

「経営者が現場に出ないようにするのが
 管理者の仕事でしょう」

「他にも大事な仕事を身を削ってやっている。
 これ以上時間を作れと言われても…」

「全体を指揮するのが経営者の役割で
 現場を取り仕切るのは現場の仕事では…」

でも冷静にその意図を汲み取ると、

「現場に出る出ないは手段。
 現場の実情をもっと理解してほしい」

ということだと推測しました。

経営者には見えにくく、
現場には現場なりの苦労があるし、
解決できない問題がある。

それを同じ温度で分かってもらいたい。

おそらくそれが言葉の真意だと思いました。

経営者が継続的に現場に出ていたら、
会社の将来が危ういですから…。

もちろん現場はすごく大事だと思っている。

でも「軽んじている」と
スタッフに思われてしまったならば、
態度・行動を変えなければいけません。

“ゆとり”を通り越して、“慢心”が
私の中に少しあったかなと思います。

言葉どおりに受け止めるのではなく、
言葉の真意を受け止める。

ズレた対応をしないように要注意です。

 

2020-09-24
『顧客に迎合することがサービスではない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よしTV8月号では、
マイファームの西辻社長と対談させて頂きました。

マイファーム様は、
「自産自消(じさんじしょう)」=「自分で作って自分で食べる」
ことのできる社会を目指して、
レンタル農園や農業学校の運営をされています。

マイファーム様はパイオニア的な存在ですが、
レンタル農園事業に近年同業他社も進出してきています。

耕作放棄地を有効活用できるならと
西辻社長は同業の参入にして好意的でした。

さらにいえば、同業他社の中には

「会員さんがレンタル農園に来られない時は、
 水やりや草取りなどを代行する」

というサービスもされているようです。

月会費を払っていれば、バックアップをしてくれるので
高い確率で収穫ができます。

一方でマイファーム様は、
基本的には会員さんに代わって、
水やりや草取りをやらない。

会員さんに連絡は入れるけれど、
あくまで本人にやってもらう。

その理由を聞くと

「“自然”とは何かを感じてほしい。
 農作物は生産者が向き合った分だけ収穫ができる。
 愛を注がなければ、収穫ができない。

 よい農作物を作るポイントは、
 近くで畑を24時間観察していることです。
 現実的にはそれはできませんが…。

 農作物と向き合ってもいないのに、
 同じ収穫量が取れてしまったら、
 それっておかしくないですか?

 何もしないで食べるならば
 それは農園ではなく収穫体験でいい。

 農作物は天候や気候にも影響を受ける。
 頑張っても実らないこともある。
 それが農業ですし、それが自然。
 それを気づいてほしい。」

と言われていました。

「自産自消」という理念と顧客へ提供するサービスの
一貫性に感銘を受けました。

顧客に何でもしてあげるのがサービスではない。

ここでいえば水やりも草取りも代わりにしてあげる。
確かにそれを喜ぶお客様もいるでしょう。

でもマイファームさんはそれを喜ぶお客様を
ターゲットにしていないのでしょう。

農作物への向き合い方を
それとなく指南しているような気がします。

サービスとは顧客に迎合することではない。
足し算のごとく何かをプラスすることもサービスですが、
引き算のごとく何もしないこともサービス。

明確な理念をもち、
理念に沿ったサービスを提供すること。

改めて気づかせていただきました。

 

2020-09-12
『痛みを乗り越えて会社は生まれ変わる』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

今でこそ「いい会社」と呼ばれている企業の多数は、
大きな転換期を過去に迎えている。

その転換期には、大量(または一定数)の退職者を
出しているケースが多い。

会社を変革しようとすると
当然ながらベクトルが合わないスタッフが出てくる。

変化についてこれずに、
自分から身を引く方も多いでしょう。

経営者にとっては社員の大量の退職は、
悲しく、負荷がかかる苦しい試練です。
でも誰しも通らなくてはならない道でもある。

京セラ創業者の稲盛名著会長は、
「人生仕事の結果=考え方×熱意×能力」という
言葉を残した。

これに照らし合わせて、
組織づくり人材を整理したい。

1 考え方○ 熱意○ 能力○

まさに理想的な人材ですが現実、
中小零細企業では割合が少ない。
幹部候補として牽引できる存在になれる。

2 考え方NG 熱意○ 能力○

デモ隊のボスのような存在。
一定数の人間を纒められる力もある。
一番、経営者の頭を悩ませる存在。

考え方を揃えるには、長い時間と根気が必要。
感覚値として最終的には会社に残れるのは1割くらい。

対話の時間を重ねても変化がないのであれば、
覚悟を決めて、辞めてもらう必要もある。

3 考え方NG  熱意NG  能力△

上記2番のボスに引っ張られる存在。
概ねボスとともに行き先を決める。

ボスが辞めれば一緒に辞めていくし、
ボスが社内に残っていれば、
ボスの考え方に同調する。

4 考え方○  熱意○  能力NG

知識や経験値が浅いだけで、将来が楽しみな存在。
長い期間をかけて、じっくりと育てていきたい。
ただし2や3の社員からの影響も受けるので、
定期的なケアが必要。

5 考え方○  熱意△  能力△

計算できる人材。
熱意がないことは経営者からは物足りない。
ただし何かきっかけがあるかもしれない。
爆発力は期待できなくても、組織運営のおいて
一定のパフォーマンスは計算ができる。

6 考え方NG 熱意NG 能力NG

採用の段階で入社させてはいけない。
入社させてからどうするかを考えるのでなく、
入り口で見定める必要がある。

人材不足だからといって人員補充の観点で
採用すると、後々が大変。

日頃から“人を大切にする経営”とは言っているが、
万人を大切にする経営と言っているわけではありません。

会社の理念に共感して、実践しようとしてくれる人材。
こういった人材は大事にしなければならない。

理念に合わない社員に、
お互いに我慢して自分の会社に残ってもらっても、
両者不幸になるでしょう。

互いが幸せな道に歩むには、
不可欠な選択かと思います。