2021-11

2021-11-26
『奇抜性と合意性はトレードオフ』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

以前、ベーカリープロデューサーの岸本社長が

「社員に相談するといって社長が我々の提案を持ち帰ると
 たいがい反対されるんですよね。
 店舗のネーミングが独特ですからね」

と言われていました。

このケースからも
「奇抜性」と「コンセンサス」は
トレードオフの関係にあると思います。

私も中小企業の経営者から

「新しいサービスや新しい商品、
 または新たな目線での組織改革を
 若手メンバー中心で成し遂げたい」

というご相談を受けることがあります。

その取り組み自体は大賛成なのですが、
やってはいけないのが、
「全管理職の合意を取る」というプロセス。

全員とはいいませんが、
長く勤めて管理職になった方は、
良くも悪くも、
これまでの会社の方法・風習に染まっています。

組織がピラミッド構造で運営され、
上下関係がしっかりしていれば、
管理職にお伺いを立てます。

理解がある管理職ならば、
いい意味で放任してくれます。

しかし
「お節介な管理職」
「俺に許可なしでやるな管理職」は、
若手社員の提案へ熱心にアドバイスします。

若手社員もこのアドバイスを無視できればいいのですが、
そうともいかず受け入れてしまう。

すると最終的なアウトプットはどうなるか。

全管理職の相談・合意を取っているうちに、
「尖り」が全くなくなり「普通」になっています。

さてそもそも若い人の力を活用して、
「普通」の価値を提供したかったのでしょうか?

ですから
全管理職のコンセンサスはいりません。

今までにない取り組みであれば、
経営者直轄で活動する。
または意外性を歓迎する管理職のもとで活動する。

他の管理職への面倒な説明は、
経営者やこの管理職がすればいいことでしょう。

「全管理職を説得する力を
若手社員にも養ってほしい」という方がいます。

でも重鎮を説得するのが一番面倒くさい。
根気も時間も必要になってくる。

そこにエネルギーを消耗すれば、
だんだん若手も活動しなくなっていきます。

異質な取り組みであればあるほど、
“若い芽”が潰されないようにしないといけません。

 

2021-11-13
『コロナ対策を顧客目線で見直してみる』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

私は腰痛と慢性的に背中が張る症状があり、
定期的にボディケアをしています。

どうしても仕事の予定などから
同じ店舗には行けず、複数店舗を利用します。

当然ですが店舗によってコロナ対策は異なります。

コロナ感染拡大防止という目的=WHYは一緒なのですが、
WHAT=何をやるか、HOW=どのようにやるのか。

これらの対策とその運用は、
顧客目線でどう見えるのでしょうか?

Aの整体に行ったときの話。

「施術中もマスク着用でお願いします」という
案内POPが張ってありました。

とはいえ、仰向け時ならばまだ分かるのですが、
うつ伏せの状態の時にはマスクは意味があるのか?

うつ伏せの状態でマスクはかなり息苦しいですね。
リフレッシュ+リラックスしたいから来店しているはずなのに、
快適ではない。

Tスタッフに
「うつ伏せの時にはマスクは外してよいですね?」
と確認すると、

「いえ、つけてください」
との回答。

「なぜうつ伏せの時もマスクが必要なんですか?」
と聞くと

「コロナ対策として店舗で決まっていますので」
との回答。

「うつ伏せ時に飛沫がスタッフに飛ぶんですか?」
と質問すると無言。

これ以上、何かを言うと雰囲気が悪くなるので、
店舗のルールに従いました。

しかしこの店舗に別日に行くと
Yスタッフが担当。

この方に同じ質問をすると、

「仰向けの時だけマスク着用していただければ
 大丈夫ですよ」

と回答がありました。

B店舗では入口で検温と手の消毒が
義務づけられています。

もちろんそれに従いますが、個室に入る際にさらに

「手の消毒をお願いします」
と言われる。

「先ほど入口で消毒は終わっています」
と答えると、

「コロナ対策上のルールなので」
といった返答。

入口から個室の動線上で
特に何かに触ることもありません。

私も建物の入口に入る時の消毒は義務だと思って従いますが、
その建物の中に入って、また何回も消毒を求められる。

消毒をしすぎて女性の方の中には皮膚荒れを
気にされる方もいるでしょう。

手が常にアルコール臭いということは
なかったですか?

コロナ感染拡大防止という目的は、
顧客側も理解しています。

そのために何をやるのか、どのようにやるのか。
顧客目線で再度見直してみてはいかがでしょうか。

 

2021-11-10
『倒産をシミュレーションする』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

経営者の役割の1つが、
会社を倒産させないことです。

“倒産させないこと”

というと保守的だと思われるかもしれません。

倒産させないことは、取引先を守ることにも
働くスタッフを守ることにも繋がる。
(※銀行さんも同様)

ですから倒産させないことは、
最低限の役割とも言えます。

私が先輩経営者から教わったことは、

「中小企業のうちは、
 どうしたら倒産するかをリストアップする。
 そして一つずつ潰していくことが社長の仕事」

ということでした。

ですので会社を倒産にまで影響を与えかねない
問題をリストアップしました。

法改正、認証基準変更、大手資本の参入、
営業停止、資金不正利用、残業代未払い、
ハラスメント、機密情報漏洩…。

皆さんの会社に置き換えると、
さらに挙げられるでしょう。

では上記のような倒産にまで
多大な影響を与える問題に対して、
対策を始めているかといえば、
何もしていない会社があります。

例えば残業代の未払い。

社員が退職した後に、
数年間分の請求をされている例があります。

一人ではなく数人から纏めて
請求されたらどうでしょう?

そもそもサービス残業が問題であるし、
何も言えない空気を作って、
やり過ごすことも問題です。

「まさかこんなことになるなんて…」

と言われている経営者がいましたが、
明らかに経営者の落ち度です。

最近ではある資格保有者数が
改ざんされていたことが
ニュースなっていました。

営業・製造するには資格保有者が必須であるならば、
この虚偽の報告は致命的なダメージになるでしょう。

自分の会社を客観的に見る。
どうしたら潰れるかを考えてみてください。

すると自社の欠点が見えてくるでしょう。
欠点に早く気づいて、1つずつ潰していくこと。

これは経営幹部の重要な仕事です。

 

2021-11-05
『傾聴は始まりであり、終わりではない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

新しくリーダーに赴任した際は、

「メンバー個々の意見に耳を傾けたいと思う」

と抱負を語る方が見受けられます。

とても大事なことですね。

現場の意見が届いていないならば、なおさらです。

現場最前線の声に耳を傾けることによって、
現場改善のポイントや今後の経営方針が
見えてくるかもしれません。

岸田新総理もノートを片手に
「国民の声に耳を傾ける」と話されていました。

傾聴してくれるリーダーに
不快感を抱くことはありません。

ただし耳を傾ける時に、
声の大きな人に引っ張られないか…。

スタッフの中にも、影響力を持つ人がいますね。
その人物に気をつかってか、
特定の意見ばかりを採用してしまう。

判断軸がよくぶれてしまうリーダーほど、
様々なスタッフの声を聴きますが、
最終的には声が大きな人の意見に
引っ張られてしまうということを見かけます。

この場合、傾聴したところで
スタッフの不満は消えないでしょう。

そして聴くだけではなく、
結論=意思決定をすること。

結論を出す=意思決定することができなければ
リーダーというポジションはそもそも必要ない。

「傾聴」は始まりであり、終わりではない。

それを肝に銘じておきたい所です。