2022-12

2022-12-25
『障害者雇用から見えた農業の弱点 PART2』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き、
十方よし.TV11号のゲストである
京丸園株式会社の鈴木社長のお話です。

雇用した障害者が
トレーを洗う作業一人でできるように、
担当者に合わせてオリジナルで機械を
準備したそうです。

ただしこの機械を作るまでに、
ほとんどの機械メーカーさんから
断られました。

なぜならば個に合わせた仕様だからです。

通常は性能のよい機械に合わせて、
人間が操作を覚えてもらう。

逆の発想だからこそ、
どこのメーカーさんも
一緒に共同開発する所まではできなかった。

さらに言えば、
担当者の残存能力を極力活かせるように、
機械の機能は最小限にしたそうです。

他の方が作業すれば面倒だと思うことも、
残存能力を活かすためにあえて機械化・自動化しない。

結果、機能を最小限に抑えることで、
機械代も最小限に抑えることができたそうです。

また雇用した障害者の方から、
夏になれば、

「ビニールハウスの中が暑い」
という声が出ていました。

「それは当たり前。ビニールハウスの中だから。
 農業ってそういうものでしょう?」

と鈴木社長は思っていたそうです。

ただし作業所の先生から
「ビニールハウスでの作業が熱中症に繋がりかねない」
という指摘されると、
それにも鈴木社長は謙虚に耳を傾けました。

なぜなら雇用している障害者は、
「雇用してあげている」という主従関係というよりも、
貴重な戦力、つまりビジネスパートナーと
捉えていたからでした。

そこであれこれ試して、
最終的には数百万円もかけて
ビニールハウス内にミストシャワーを設置。

定期的に噴霧することとでビニールハウス内の
温度を下げることができました。

働く人にとっては、
今まで以上に快適になりました。

さらに嬉しい誤算としては、
ミニチンゲンサイの生育スピードが上がったり、
質が良くなったとのことです。

「人間にとっていい環境ということは、
 実は野菜にとってもいい環境だったんです」

数百万円かけて設置した
ミストシャワーの投資額も
想定より早く回収できたそうです。

暑い中で作業するのは当たり前。
それが農業の常識でした。

でも見方を変えれば、
それも農業の弱点。

障害者雇用をし、
働きやすい環境を模索する中で、
農業の弱点を次々に克服するのでした。

 

2022-12-20
『障害者雇用から見えた農業の弱点』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

十方よし.TV11号のゲストは、
京丸園株式会社の鈴木社長でした。

令和4年にノウフク・アワード2021グランプリを受賞。
農業と福祉の連携を目指しています。

毎年1名ずつ少なくても障害者を1名以上雇用することを決意し、
今となっては従業員94名のうち22名が障害者。

障害者雇用をなぜ始めたのか。

当時求人を出してもほとんど人が集まらない。
集まるのは超高齢者くらい。

そのような中、ご縁があり特別支援学校から
学生を職業体験として一定期間、
引き受ける機会があったそうです。

中には、ご両親が訪れて、
「お金はいらないからここで働かせてください」
と懇願してくる人もいた。

お金のために働いている自分からすれば、
「お金はいらないから働かせてほしい」
という訴えは衝撃的だったといいます。

職業訓練の一環として障害者を受け入れて、
農業の弱点が見つかりました。

苗を入れるトレーを「綺麗に洗っておいて」と
その訓練生に作業指示をした。

しばらく経って様子を見にくると、
その1つのトレーをただひたすら洗っている光景があった。
全く作業は進んでいなかったそうです。

それを見た鈴木社長は
この子は難しいと判断したそうです。

後日、特別支援学校の先生にその事実をお伝えすると、

「どのような指示を出したんですか?
 何回どこをこするのか、どのように洗うのか。
 何枚で束ねるのか。
 あなたの指示は、指示ではありません。
 あなたの指示に問題がある」

と、こちら側の非を責められたそうです。

しかし冷静に考えてみればその通りで、
具体的な作業指示は何一つしていない。

これまでの農業は「勘」で成り立っていると
弱みを見つけたのです。

それをヒントにトレーを洗う専用の機械を用意。
どの向きでトレーを入れるのか、
洗い終わったトレーにセンサーが反応し
自動的に枚数がカウントされる。
そして1ケース分終わると音が鳴るという工夫もされる。

苗植えも同様。
感覚でやっていた作業に疑問を持ち、
オリジナルの小道具を作り、
誰でも同じようにできるようにしました。

「勘で動くのではなく、
 誰がやっても同じようにできる」

それができていないのが農業の弱点でした。

農業には人材が必要だと言われながら、
誰もができるような工夫と努力をしていなかった。

障害者雇用はそれを気づかせてくれたといいます。

能力がない、センスがないと仕事ができない。

そうではなく
どんな人でも同じようにできないか、知恵を絞る。

それが我々リーダーの大切な仕事の一つですね。

 

2022-12-18
『正しい判断と美しい判断』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

経営者の方、
または会社で責任が重いポストの方は
「判断」を求められる場面が多い。

「正しい判断」をするために、
事前に様々な角度でどれだけ情報を
集められるかがカギとなる。

論理的に「正しい判断」がビジネスでは
一般的に正解とされる。

このままこの製品・商品を作り続けても赤字になる。
その場合、止めることが正しい判断。

急激な業績悪化のために一部のスタッフを解雇する。
やむを得ないがその場合、会社が持続するためには正しい判断。

収益性が低く手間ばかりが増えるサービス。
その場合、止めることが正しい判断。

他競合と比較して優位性あるノウハウが自社内にはある。
その場合、ノウハウが流出しないようにするのが正しい判断。

ここでいう正しい判断とは、
合理的・論理的に正しいという意味。

でも意地悪な見方をすれば、
合理的・論理的に正しい判断は
どこの会社でも同じ。

そこには大して差がない。

私がお会いしている経営者は、
「正しい判断」ではなく
時には「美しい判断」をしている。

業界全体を盛り上げるために、
あえてノウハウを公開する。

仮に利益が出なくても顧客との接点を重視し、
手間が増えるサービスを止めない。

作ると赤字になる製品を
あえて依頼があれば顧客ために小ロットで作る。

業績悪化時にスタッフの解雇ではなく、
戻れる場所があるように
一次的な出向先を模索する。

なぜこの人たちは「美しい判断」が
できるのだろう…と思います。

「そうしたかったから…」

とシンプルに答える人が多い。

正しい判断は、説得力がありそうだが、
必ずしも他人も自分も納得させられない。

普通はその判断しないよね…、
という美しい判断。

「美しい判断」にこそ
会社の色が出てきます。

 

2022-12-12
『美しい心だけでは経営できない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

稲盛和夫氏の経営の12ヶ条の
第8条に「燃える闘魂」。

ここでは

「経営にはいかなる格闘技にもまさる
 激しい闘争心が必要である」

と言われています。

若かりし頃は、この言葉の意味が全く分かりませんでした。
単なる精神論にしか聞こえなかった。

今ではその意味するところが
以前よりは分かるようになりました。

理念経営をしていくために、
「フィロソフィ」「クレド」「行動指針」など、
会社の価値観を明確にしていきます。

善きことを実践することが求められるし、
リーダーであれば「善き心」が間違いなく必要です。

リーダーは人として何が正しいかを問われ、
決断の連続の毎日。

間違った判断をしないために、
上記のような指針は拠り所となるでしょう。

「美しい心」「良心」は組織を間違った方向へ
導かないために不可欠です。

とはいえ「美しい心」「良心」があれば、
はたして企業は成長していくのでしょうか?

それでは足りない。アクセルがない。

お客様との約束を必ず守る。
従業員の生活を必ず守っていく。
成功するまで何度もやり直す。

このようなリーダーの「強烈な気概」があるからこそ、
組織を前進させる。

なんとしてでも…という強烈な気概。

これが「燃える闘魂」であり、
「闘争心」のことだと思います。

「なんとかなる」ではなく「なんとかする」。

闘争心をもち続けた人にしか
知恵は舞い降りてきません。

 

2022-12-02
『タブーに切り込むのは誰だ』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

十方よし.TV10月号のゲストは
株式会社荻野屋の高見澤社長でした。

峠の釜めしとして有名な荻野屋さん。

高見澤社長が就任し、
様々な改革を行っていったそうです。

例えば仕入業者の見直し。

付き合いがなく長く馴れ合いになっており、
納品日や納品数量に間違いがあることがある。

付き合いが長いからこそ、
互いに大目に見ることがある。

お客様の要望に敏感になり、
一緒にお客様の期待に応えようという
パートナー関係にはなかなか慣れなかったといいます。

また釜めしの代名詞でもある益子焼の容器。
長年この容器を使ってきたことで認知もされてきた。

しかし時代の変化ともに、
「容器が重い」「捨てにくい」
という声が顧客から聞かれるようになる。

しかし容器を変えることはタブーだったといいます。

この容器だからこそ「峠の釜めし」なんだと。

高見澤社長は、

「自分がオーナー家だったから
 タブーに切り込めたのかもしれない。
 社員ではその提案はできなかったと思う」

と言われていた。

空弁などで紙の容器などにもチャレンジしました。

話は変わりますが
以前、日産自動車に勤めていた方が
このように話されていた。

「当時カルロスゴーンはコストカットによって
 収益を改善させて日産を蘇らせた。

 取引業者の顔色を窺わずできたのは、
 外部から経営者を招いたからだ。

 当時の役員はどうしたら収益が改善できるかを
 当然知っていた。
 でも利害関係やこれまでの付き合いから、
 断行することができなかった」

上記に2社に共通していること。

顧客の期待に応える、収益を改善する。
そのための手法は概ね分かっている。

分かっていても断行できない。

タブーを無視し、空気を読まず、
断行できるリーダーがいたから、
新たな未来を創り出せたということ。

あなたの会社にも
会社を成長させる「タブー」はありませんか?