2024-02

2024-02-25
『人事部VS営業部・製造部』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

私の仕事上、経営企画や人事部の方と
会社の組織づくりについて
計画を作ることがあります。

会社によってですが、
営業部や製造部が
社内で最も影響力を持っていることがあります。

経営企画や人事の方は、
人事施策(研修含む)を実行したいが、
この影響力ある部署に、
首を縦に振ってもらわないと
何も実行できないことあります。

社内調整することに最もエネルギーを
注がなければいけないわけです。

例えば研修計画などを作っても、

「俺たちは忙しい。
 研修なんかしてられない」

「お前ら本社スタッフを食わせているのは
 俺たち営業部だ。
 営業部の立場に立って考えてくれ」

「研修は現場落ち着いてからにしてくれ。
 今は人不足でそんな余裕ない」

「研修効果を感じられない。
 OJTでやっていくから必要ない。
 実務に直結しない研修はいらない」

ごもっともらしい様々な理由が語られ、
障害になってしまいます。

しかしこの方が話されていることを
客観的に見ると突っ込みどころが満載です。

・俺たちは忙しい?
 忙しくない時はいつ訪れるのか?
 暇な時はいつ来ますか?

・現場が落ちついてから…。
 それは1年前も同じことを言ってましたよね?
 1年経っても落ち着かないのは、
 マネジメントに問題があるのでは?

・OJTでやっていくという人ほど、
 放置プレイで何もしていないことが多い。
 人が育たない職場になっていませんか?

・実務に直結する研修だけならば、
 実務屋さんを育成したいのですか?
 理想の人材像は実務屋ですか?
 ITが進んでいけば実務屋はどうなりますか?

 

なぜこのような考え方の違いが生まれるか。

それはタイムマネジメントでよく出てくる
緊急と重要の4象限です。

「緊急事項」と「緊急かつ重要事項」で
大半の時間が取られてしまえば、
疲弊をし負のループに入っています。
長期的成功はありえません。

人事施策(※その一つが研修計画・実行)は、
重要事項であるが緊急性がない。

そうすると後回しにされてします。
時間が余ったら着手をしようとするが、
時間が余ることはなく、手つかずになる。

結果、数年後に様々なリスクを
負うことになります。

緊急ではない重要事項ほど、
優先度をあげて、計画・実行をする。

この認識の統一が
部署を超えて必要になってきます。

 

2024-02-19
『アンダーラインを決める』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

会社経営、組織運営をしていると
様々な場面で意思決定を求められます。

ただし状況を飲み込まれ、
判断基準がブレてしまうことがあります。

ですから皆さんにお勧めしたいのが
アンダーライン(=妥協ライン)を決めるということです。

私の会社を例にあげると、
アルバイトや社員採用時にアンダーラインを決めます。

人材不足に陥ると、
誰もいいから採用になってしまいがちです。

どれだけ人員が苦しくても、
アンダーラインを下回ったスタッフの
採用は見送ります。

 

自分を偽って採用した方が、
社内で問題を色々起こしてしまい、
かえって疲弊困憊することがありました。

ですのでアンダーライン(=妥協ライン)を死守します。

お客様に対しても同様です。

価格条件が合わなければ、
ご縁がなかったと見送ります。

忙しい割には全く利益が残らない状態に陥ります。

 

また仮に条件がよかったとしても、
約束を数回すっ飛ばしてしまう経営者もいたのですが、
こちらも契約をストップすることに。

だましだまし仕事を続けても
よい関係は築けないでしょう。

店舗を構えているサービス業では、
不良客という方が一定数紛れます。

アンダーライン以下のお客様には
来店をしていただかないようにすることは
良いお客様を守る上でも必要です。

 

部下指導でも同様。

アンダーラインを下回ったら、
真剣に注意をします。
それまでは静観します。

アンダーラインを下回ったら、
行動管理を始めますが、
それまでは任せます。

どこまでの妥協を許し、
どこからの妥協は許さないか。

アンダーライン(=妥協)の基準を持つこと。

基準に基づいて意思決定し、
行動することが必要ですね。

 

2024-02-12
『心が動くストーリー』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き、
ダイワスーパーの大山社長との対談から
改めて考えさせられたことについて。

前回は、どこにでもありそうな街のスーパーが
フルーツサンドで復活を遂げた話でした。

フルーツサンドがなぜヒットしたのか?
いくつか理由はありますが、
その一つが「ストーリ」に共感してもらえたから。

マーケティングにおいて
「ストーリ」が欠かせない要素に
なってきているようにも感じます。

しかし少し違和感があるのが、
心を動かせるストーリーかどうか

ダイワスーパーさんの場合、

・コンビニのフルーツサンドが
 美味しくなかったこと。
 八百屋からすれば果物が缶詰レベルと感じたこと

・生クリームが苦手だった大山社長が
 自らが美味しいと感じる生クリームを
 様々なパートナーと
 試行錯誤を重ねて作ったこと

・生クリームのファンもいて、
 生クリームだけのサンドも売っていること

・フルーツを細かく切るのが面倒に感じ、
 偶然ざっくりと切ってみたら、断面が美しかったこと。
 それがヒントになりインパクトある商品ができたこと。

・フルーツサンドを目的に長年の夢であった行列が
 スーパーの前に広がったこと。

・祖父と日本一のフルーツサンド屋を
 作る約束をしたこと

思わず心が奪われてしまうストーリーとは…。

それは人間の「涙」「汗」「苦しみ」「歓び」
といった生々しさがあるかどうか。

私はスマートなストーリーよりは、
泥臭く、人間臭さがあるストーリーに
心が奪われます。

そういう商品やサービスほど、
一度は体験してみたいと思います。

カッコいいストーリーよりも
どこまでも悪あがきをして、
カッコ悪いストーリーを。

それが価値になるのではないでしょうか。

 

2024-02-07
『起死回生のフルーツサンド』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV1月号のゲストは、
ダイワスーパー代表の大山社長。

興味がある方は
書籍『与える人になりなさい』
を読んでみてください。

愛知県岡崎市に町のスーパー。

2018年に祖父から創業したののの
就任当時は3000万円の赤字。

地域の大型スーパーの進出により経営が苦しむ中、
かき氷やフルーツサンドを発案。

これがヒットし、
夢であった行列ができるスーパーへ。

“八百屋の本気で作るフルーツサンド”は
その後も大ヒットし、フルーツサンド専門店を
店舗展開されることになりました。

ふんだんにフルーツ(イチゴ、キュウイ、バナナ等)
を使い、フルーツの断面が美しい。

その見栄えも好評でインスタ映えもし、
口コミでどんどん広がっていきました。

ショーケースで並んだ状態を
写真で取るお客様もいらっしゃいます。

特に私は生クリームが好きです。
甘くなく、しつこくない味。

私のような生クリームファンもいて、
生クリームだけのフルーサンドも
メニューにあります。

インパクトがあり、
おしゃれなフルーツサンド。

それだけでなく、
祖父の背中から学んだ、
「お客様を喜ばせる」というイズムが
随所に見られます。

例えばお金がない中で大山社長が
最初にやったのはお客様の名前を覚えること。

1日50人近く覚える努力されて、
お客様との会話ができるようにし、
買物が楽しくなるようにする。

スーパーの列に並ばれているお客様へ、
メロンを切ったり、トウモロコシを茹でて、
無料で振る舞う。

お客様とジャケン大会をして、
勝者に特典を用意する。

フルーサンド専門店でも
ジャンケン大会を企画・実施しているそうです。

「美味しいものを提供する」のは当たり前で
「お客様を楽しませる」ことも追求する。

大山社長の泥臭い努力に
とても共感しました。