2019-04

2019-04-28
『日本人に勝機はあるのか?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

ある会社の新入社員研修でのこと。
20名近くが入社されたが、その内1/3は外国籍の方。

もちろん日本語はそつなくこなせるが、
ビジネスマナーでやる「敬語」などでは、
頭を悩ましていた。

でも彼らのやる気を見ていると、
「敬語」がまだ話せないなんて小さな問題に見えてくる。

おとなしく受け身で研修を受ける日本人とは全く異なる。

短い時間の中で吸収しようとするハングリーさが
とにかく凄い。

今の段階では同期の日本人が丁寧に教えているが、
数年後にはこの外国籍の方が上司になるのでは?と
未来を予想してしまう。

講師とは不思議なもので
受講者がハングリーであればあるほど、
もっと貢献したいと思うものだ。

持っている力も引き出されていく。

全員の話を聞いたわけではないが、
彼らの多くは働く目的がシンプル。

たくさん稼いで家にお金を1円でも多く仕送りすることだ。

彼・彼女らからは「ハングリーさ」と「危機感」、
そして家族を背負う「責任感」を感じる。

「ハングリーさ」「危機感」「責任感」。

これを持っている人と一緒に働くだけで、
職場の雰囲気は何か変わるでしょう。

日本で働く上では、日本人であることが
いくらかアドバンテージになるかもしれない。
(※日本語くらいでしょうか…)

「ハングリーさ」は能力を上回る。
このハングリーさを持ち続ければ、
きっと追い抜かされる日が来るでしょう。

私を含めて今一度、目を覚ましましょう。

 

2019-04-26
『“経験”が生み出す資産と負債』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

人材がどのような時に成長するか。

それは実際に“経験”をすることですよね。

能力も経験した数だけ向上していくこともある。
人格も経験によって磨かれたりもします。

経験があるから落ち着いて判断もできるし、
経験があるから先々を予測する力もある。

転職活動市場に行けば、
どのような経験をしてきたかで
理論年収が決まってくるでしょう。

ビジネスマンとして
経験は「資産」と言えます。

一方で「負債」にもなりえます。

経験があるから準備不足になる人もいます。

どうにかできるだろう…と
準備が適当になる。

今までの経験で太刀打ちできるかは、
定かではありません。

経験があるから固定概念を作り出します。

営業の仕方、マーケティングの仕方が
ワンパターン化して抜け出せない人がいますね。

「私の経験では…」という口癖。

望む成果が出せていないなら、
その経験は今の時代には役に立たないと
自己否定することも必要でしょう。

「Aさんみたいなタイプは○○した方がいい」
「Bさんみたいなタイプは〇〇をしてはいけない」

経験がある人は、
人に対してもステレオタイプで
人を判断して対応しようとする。

相手は人ですから、
万人に通用する方法なんてないですよね。

「自分はかなりの経験を積んできた」
と思ったら要注意です。

経験が負債を生み出していないか、
自分で気づかないといけませんね。

 

2019-04-20
『新社会人がやる気を奪われるセリフとは?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

社会人1年目と社会人2年目の男女1000人を対象にした
インターネット調査(ソニー生命)の結果が記事に出ていました。

◯最もやる気を奪われてしまうセリフは?

・「この仕事向いてないんじゃない?」(31.0%)
・「やる気ある?」(25.5%)
・「ゆとり世代だなあ」(23.7%)
・「そんなことは常識でしょ」(18.2%)
・「前にも言ったと思うんだけど?」(14.0%)
・「ちゃんと考えたの?」(13.3%)

こういったことが上位のランキングに入っています。

◯やる気に火がつくセリフは?

・「君がいて助かった、ありがとう」(43.0%)
・「本当によくがんばった」(30.7%)
・「何でも相談してね」(25.8%)

こういったセリフが上位のランキングに入っています。

ドキッとした方も多いのでは?

やる気を奪うセリフを言ったことがあるな…と。

やる気に火がつくセリフはどうですか?

意外と簡単ではないですか?
恥ずかしさや照れを捨てて
「感謝」と「労い」を常日頃から伝えるだけです。

「承認する」ことをやりたがらない管理者が
多いことに驚きます。

だってお金は1円もかからないじゃないですか。
有限ではなく無限ですよ。

無料でかつ伝え放題です。

それなのに「ありがとう」「助かったよ」を
ケチっている。

さらに時代遅れな人は、

「私みたいなタイプは、
 たまに褒めるから効果がある」

とか言っている人。

褒められない自分を肯定しているだけです。

昭和時代の先生にでもなったつもりでしょうか?

褒めたら図に乗りそう…と危惧する人もいますが、
それは褒めて、終わっているからです。

部下は全員女性だと思った方がいい。

女性がきれいになるのは、
男性から誉められた時です。

1年に1回しか褒めなかったらどうなるやら…。

 

2019-04-19
『嫌らしくなく、新入社員へ“常識”を教えよう PART1』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

私は受入側に近年の新入社員をどのように育成していけばいいかを
教える研修もしますが、新入社員研修ももちろん担当します。

近年の傾向として、一般的なビジネスマナーだけでなく、
企業人としての常識、その会社としての常識・暗黙知(ルール)を
代わりに伝える役割もします。

というのも内部の人事担当がこれを伝えると
客観性が担保されないためです。

「うちの会社だけではない!」という公平性を担保するために、
外部である私の口を使うわけです。

今日はその中で2つご紹介します。

その1:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
仕事が終わっていないのに勝手に帰ってはダメ!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

部下:松木課長(仮名)、お疲れ様でした!

上司:ちょっと待って!午前中に依頼した仕事は終わった?
   まだデータが届いていないようだが。
   (心の声:なんで帰ろうとしているわけ?)

部下:急ぎですか?

上司:今日中に欲しいと伝えたはずだが…。

部下:すみません。先約を入れてしまっているので、
   明日の午前中までに提出しますのでよろしいでしょうか?

上司:えっ?…。

新入社員へ依頼する仕事の多くは、上司から指示されます。
仕事には必ず「品質」と「期限」が設けられていますね。

しかし上記のように「期限」を勝手に自分の判断で伸ばしてしまう方が
いるようです。

今日中に終わらせるように全力で臨むことはもちろんですが、
もし無理だと判断した場合、素早く上司へ相談することが必要ですね。

ビジネスでは約束を死守するのが原則ですから。

その2:
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
有給を取るタイミング
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

部下:松木課長(仮名)、この期間に有給休暇を取りたいのですが。

上司:う~ん。(心の声:まだろくに仕事も覚えていないのに生意気だ!)
   有給はもちろん取っても構わないが、周りに迷惑をかけてはいけないよね?

部下:どういうことでしょう?

上司:この期間、うちの事業部は繁忙期。土日・祝日も出勤して対応しなければならないって
   いうことは聞いているよね?だから他の人へ負担がかかってしまう。

部下:そうですか…。でももう友達と約束をしてしまったんですよね。
   好きな時に有給が取れないって、有給の意味がないですね。
   うちってブラック企業の一面があるんですね…。

上司:…。

「有給を取る」という権利はもちろんあります。
ただし「権利を行使する」=「責任を果たす」という構造を理解しなければなりませんね。

有給を取れるのも同職場で働く仲間がカバーしてこそ。
タイミングくらいは、気配りが欲しいところです。

上記のようなことを教えることは、
内部である人事部が言うと「嫌らしく」捉えられたりします。

外部講師をうまく使いましょう。
そして新入社員の段階で教えましょう。

 

2019-04-17
『会社が倒産に向かう兆しとは?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

かなり以前にお手伝いしていたクライアントA社。

当時は会社の業績もよく、
注目されている企業でした。

しかし今は…。

当時の勢いはなく、
従業員から雇用問題で裁判を起こされて、
散々な評価でした。

業績もみるみる下がっているようです。

私がお手伝いをしていたのは、
創業社長時代です。

外部から経営者を呼んできて、
その方に継承してからは
お仕事をしていません。

継承後、最初は人事の方とお会いしていたのですが、
人が辞めて毎回人事担当者が代わっていきます。

しかもその会社のコア人材の流出です。

フィロソフィを体現しているモデル人材まで
流出が始まりました。

今は中途入社の大量採用で
何とか補おうとしていますが、
辞める人が多いので追いついていません。

顧客の評価も下がっています。

経営者が代わると方針が変わるのは仕方がありません。

率直に言えば以前のA社の社風が私は好きでした。

一人ひとりの社員を上層部がよく見えいました。

今は別の会社に変わってしまいました。

私は占い師ではないので
未来の予想はできません。

しかし経験上、
理念を体現している人物の退職が止まらない場合は、
途中で打開策を打たない限り、倒産への道を歩みます。

自分が好きだったクライアントが
どんどん衰退していく姿を見ることは、
本当に残念でなりません。

 

2019-04-14
『無気力型社員には居心地が悪い環境を!』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

社労士の木全氏は問題社員を
以下のように分類しています。

◯無責任型
遅刻や欠勤、早退が多く
仕事に対する責任感がない

◯自己愛過剰型
自己評価が課題で、逆ギレしたり
権利(給与や休暇)ばかり主張したりする

◯公私無分別型
勤務中にネットサーフィンや私語に
夢中になるなど公私の区別ができない

◯モンスターペアレント型
叱った社員の親が会社に乗り込んで抗議する

◯マイベース型
会社の規則に従わず、
自分のペースで働いている

◯無気力型
何事にも無気力で会社にぶら下がっている

◯悪評喧伝型
同僚や会社の悪口をネットなどで言いふらす

◯被害妄想型
少し強く指導すると「パワハラだ」
「セクハラだ」などと過剰反応する

皆さんの会社には上記のような方がいますか?

上記の中でも「無気力型」が一番良く見かけます。
どこの会社にもいるのでしょうか。

NewsPicksで麻野氏と落合陽一氏が
会話していたことが印象的です。

「日本の企業は社会保証的な意味合いが強い。
 企業は働きたくないビジネスマンを抱え、
 ビジネスマンは企業の悪口を言っている。
 お互いにアンハッピーだ。
 お互いにとってハッピーになる道は
 1年契約にすることだ」

だいたんな改革案を提示されていました。

ある程度の企業規模になると
「ぶら下がり社員」が出てきます。

一人、二人ならともかく
多数出てくると悩みのタネになります。

この人達が10%でも
さらに活躍してくれたらどれだけ助かるか。

彼らが短時間で変わる劇薬が何かあれば
私も教えてほしいです。

せめて「ぶら下がり」社員にとって
居心地がよい環境を作らないことですね。

「ぶら下がり」状態が本人にとって
居心地が悪いようにする。

「ぶら下がり」が見えるようにする。

そのまま安住することが
許されない空気を作らないといけない。

「周りに迷惑をかけない」
という動機でもいいので
何かを始めるきっかけを作りましょう。

 

2019-04-12
『ゆとり・さとり世代が管理職になることが不安』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

多様性の一つは若者対応です。

彼・彼女らをどのようにマネジメントするのか、
というテーマで研修をやることがあります。

とくにミレニアル世代といわれる近年は、
掴みどころがなく、切実に困っている企業が増えてきました。

時流と個に合わせてリーダーの振る舞いを
変えるのは当然ですが

「上司側が変わる=部下を甘えさせる」

という思い込みは、なかなか変わりません。

苦労するので
「責任取りたくない」と思う。

お金を稼ぐより
「家でまったりしたい」と思う。

SNS村社会で生きて彼・彼女からすれば
「出る杭にはなりたくない」と思う。

そう考えるミレニアル世代が増えています。

この世代が管理職(=リーダー)に
なっていったらどうなるのか?と
ある役員の方は危惧していました。

私達も上の世代から見れば、
「甘い」し「働かない」世代なので、
どうにかなっていると楽観的に
見ることもできます。

ただリーダーになりたくない人が
増えているのは事実。

逆言えば、今後の継続的に伸びていく企業は

「リーダーになりたい」

と思える体制・風土づくりであり、

「リーダー育成」が上手な会社になりますよね。

そして全員がリーダーになること、
なりたがることは現実的ではない。

そうなると若手の選抜教育(=リーダー候補)は、
今後必須になってくるのではないでしょうか。

新入社員で入ってくる4月の時点で
初任給に差をつけている企業も珍しくありません。

今まで以上にリーダー志向の人材を重宝し、
平等ではなく、えこひいきしていく割り切りが
企業には必要になってくると思います。

 

2019-04-08
『ひらめきはいつ生まれる?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先般、T部長と話していた時の話です。

T部長「うちの会社ではなかなかクリエイエィブな
    仕事ができていない。
    クリエイエィブが求められる部署も同様に。
    ルーチンが多すぎなんですかね?
    もっと仕事を減らしてあげたら、
    クリエイエィブな発想ができるようになりますかね?」

忙しい=クリエイエィブさ(閃き)がなくなる、
というのがT部長の考え方です。

私も全てとは言いませんが、
アウトプットにおいて“クリエイエィブ”が
求められる場面があります。

私自身の経験を振り返ってみました。

仕事が暇の時に“クリエイエィブ”な
アウトプットができていたか。

答えはNOです。

私の場合は2パターンです。

1.追い込まれた時

AもあるしBもある。でも想定内でつまらない。

何かCがあるのではないか…。

ギリギリまで自分を追い込んで、
苦しんだ先に閃く時。

2.追い込まれた後の弛緩

ご飯を食べている時、トイレに行っている時、
街を歩いている時、
何かCがあるのでは?と考えて、考えて、考える。

疲労感に包まれながら、
お風呂なり、ベットで横になり、
リラックスした瞬間に閃くこともあります。

これは私だけでしょうか?

追い込まれた時、追い込まれた後の弛緩時に
クリエイエィブ思考になれるということ。

「いいアイデアが浮かばないんですよね~」

と喫煙所でぼやいているレベルでは、
本当に追い込まれていません。

クリエイエィブなアイデアに
たどり着けないかもしれません。

切実性と創造性は因果関係があるかもしれませんね。

 

2019-04-03
『“大切に思う”と“大切にする“の違い』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、新人研修の中で

「家族」「仕事」「友人」「趣味」「お金」「健康」「夢」

どれが一番大事?という意地悪な質問をしてみました。

皆さん、価値観は人それぞれですから、
一番にあげるものは異なります。

育ってきた環境も違いますし、
今置かれている環境も違いますからね。

特に正解はありません。

彼・彼女らの議論を見ながら

「大事に思う」と「大事にしている」は
イコールではないということに気づかされました。

ある人は

「やっぱり健康が大事ですよ!」と言います。

でもその人に

「健康は大事だよね。
 では健康を維持するために何をしている?」

と聞くと、答えに詰まりました。

ある人は

「家族(=親)のおかげで今の自分がいます。
 家族(=親)が一番大事です」と言います。

同じようにその人に

「家族は大事だよね。
 では最近、家族(親)を大事したことを教えて!」

と聞くと、同じように回答に窮する。

ひょっとすると彼・彼女だけでなく、
私達のほとんどの人は同じではないでしょうか。

「大事に思う」と「大事にしている」に
一貫性がない。

企業経営でいえば、

「経営理念」「人材育成」「コミュニケーション」

これらも同じかもしれません。

100人に聞くと100人が「大事だ」と思っている。
でも100人のうち何人が大事にしているでしょうか。

大事だと思えるものを、本当に大事にしている。
一貫性ある人間になりたいですね。

 

2019-04-01
『任せたいけど任せられない その5』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

前回は

「餅は餅屋がついたものが一番うまい」

だから社内・社外の専門家に任せることが
スピード経営において大事だという話でした。

◯素人にも任せた方がいい

一方で素人にも任せたほうがいい時もあります。

1つ目は人材育成のため。

初めてやること、やりなれていないことは
当人にとってはストレスがかかります。

上手くいかない中でどうしたら上手くいくのか。

試行錯誤しながら業務や役割を進める過程は、
人を育てる期間です。

アウトプットの質でいえば、
専門家レベルのものは期待できない。

その過程で
「チームビルディング」
「レジリエンス」
「未知なる知識・技術の習得」
「柔軟性ある考え方」

などが身につくでしょう。

素人にも任せることで時間を要しますが
知識・能力・姿勢・メンタルを
向上させることができます。

2つ目は既存の常識に囚われないため。

素人には「常識」「先入観」「既定路線」に
いい意味で縛られていません。

発想そのものが新鮮なんです。

以前、赤城乳業のガリガリ君(コーンポタージュ味)の
誕生秘話が記事に出ていました。

社長直轄のチームを作り、若手中心のチームを作る。

長年製品開発に関わった人からは、
「コーンポタージュのアイス?」と
理解できなかったのではないでしょうか。

失敗を恐れずチャレンジを歓迎する風土も土台にあって、
コーンポタージュ味の成功がありました。

今までの枠を超えたことをやりたい!

そういう時には、素人に任せてみるとよいでしょう。