2019-06

2019-06-26
『究極のダイバーシテイ経営 PART1』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

皆さんは「30大雇用」という言葉をご存知でしょうか。

例をあげれば、ニート・フリーター、引きこもり、シニア、
ボーダーライン、DV被害者、養護施設等の出身者、
麻薬・アルコール等の中毒経験者、難病、児童虐待の被害者などです。

上記のような様々な理由で就労が困難な方へ
安心して就労できる場を提供する取り組みのことです。

この「30大雇用」に挑戦している企業があります。

群馬県で中古タイヤ販売店を営むアップライジングです。
(詳しく知りたい方は、十方よしTV6月号
 → https://jippo.jp/tv/)

現場で働いている方はイキイキされています。
様々なバックボーンを持っていることに気づきませんでした。

彼・彼女らの採用面接では何を聞くか。

「この会社で自分の人生を変えたいか?」

自分を変えたいか否か。
その本気度を見て採用を決められるそうです。

でも人間の心は弱い。
面接の時に「自分は変わる」と決心した方も、
会社の規則違反をして辞めてしまう方も多数いるようです。

信じた社員から裏切られるというのは
ショックかと思います。

それでも社長・専務から社員を裏切ることは
絶対にしない。

裏切られたことは一度二度ではありません。
斎藤社長は採用方針を曲げません。
それが中小企業にできる社会貢献だと考えているからです。

気づいたら「訳あり社員」ばかりになっていたようです。

お店が持っている「商品力」に加えて、
彼らがもっている「人間力」が加わり、
顧客や地域の支持を集めるようになりました。

会社の目的は何なのか?
何のために会社経営するのか?

改めて考えさせられる機会になりました。

 

2019-06-22
『理念教育は心の教育ではない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

各社、会社の理念教育をすることは、
「心の教育」だと思われます。

「あり方」が最も大事だという認識は共感できます。

「心が変われば行動が変わる…」と言われますね。

現実は
「心が変わっても行動が変わらない」と
いうことが散見されます。

正確に言えば、
心は変わっていないのかもしれません。

理念教育とは例えば
親切な気持ちを持つことではなく、
親切な行動をすること。

つまり「心の教育」ではなく「行動の教育」です。

心は行動によって作られる。
だから心が後戻りしないために、
「行動」によって杭を打つのです。

T社長は嘘でもいいから社員に向かって

「社員のみんなを大事にしたい」

と言いなさいと先輩経営者からアドバイスを受けました。

今となってはT社長は心から
「社員を幸せにする経営」を目指すようになりました。

いい話をたくさん聞いているだけではなく、
あり方は変わりません。

行動によって心を成熟させましょう。

 

2019-06-18
『部下が報連相をしない理由 その3』

こんにちは。

理念浸透コンサルタントの松本です。

 

報連相ができなければ理念は浸透しません。
報連相ができていない原因の50%は上司側にあるという
お話を前回までしてきました。

今回は3回目です。

上司としてはもっと部下から自発的に相談してほしい。
でも部下から相談が来ない。
その結果、納期ギリギリで慌てることが日常茶飯事。

これを繰り返している限り、仕事の質は上がっていきませんね。

ではなぜ部下から相談しないのでしょうか?

だいたい3つくらいの理由が挙げられます。

1.「そんなこともできない?」と思われたくない

相談するということは、自分の弱みを見せるようなもの。
相談することで、「お前はこんなことも分かっていなかったのか?」
と思われたくない。

上司が持っているイメージをこれ以上下げたくない!
という心理的要因があります。

自分の見られ方を常に気にするタイプの部下に多い傾向です。

2.相談すると仕事が増える

相談した方がいいのは分かっていますが、ギリギリまであえて相談しない。
というのは、相談するとあれこれ怒涛のアドバイスをされます。
そのアドバイスは半ば命令。やらない以外に選択肢はない。

相談に行くたびに、やる仕事が増えてしまうと認識しています。
仕事の質を上げるのは責務ですが、
仕事を複数抱えている状態で、あれこれアドバイスされるのは
正直、面倒くさいと思う部下がいます。

100%にこだわらなくても、そこそこの合格ラインで
仕事を完了させておきたい。

頭脳派の上司にはこういった理由で相談をためらうようです。

 

3.相談する「価値」がない

相談をするということは、何かしらのリターンを求めています。
しかし相談しても、回答がない。
さらには「俺にもわからない。とにかく頑張ろう!」と精神論で
なだめられても部下は納得しません。

相談に対して明確な答えを出す。
今この瞬間に出せないなら、期限を決めて出す。

上位職になれば、複数の部署を管轄します。
自分の専門外のことを相談されることもあるでしょう。

その時に「俺に聞かれても分からないや」と放棄してしまったら、
次から相談に来なくなってしまうでしょう。

つまり相談は部下から「試されている」んですね。

自分で答えられないなら、答えられそうな資源(人・情報)を提供する。
必ず、「この人に相談すると何かしらメリットがある」と
思わせないといけません。

部下が相談に来ないのは、相談する価値がないから。

上司の方はそのように自分に指をさして、改善してみてください。

 

2019-06-14
『不都合な真実を伝えるのか?隠すのか?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

経団連の中西会長は、
「正直言って、経済界は終身雇用なんてもう守れないと
 思っているんです。どうやってそういう社会のシステムを
 作り変えていくか…」と言っています。

トヨタ自動車の豊田章男氏も
「終身雇用を守っていくのが難しい局面に入ってきた」
と語ったと報じられています。

最近ですと、
金融庁の調査で「老後資金2000万円が必要」
ということが話題になりました。

ファイナンシャルプランナーは、
「2000万円でも足りない」なんて、
十年前から話していました。
(今更なぜそんなに驚くのか…)

この3つの話題、
共通点があります。

仮に事実だとしても、トップリーダーが認めると
不安が増長するということです。

でも「あなたの将来は安心ですよ」と根拠もないのに
言うことがトップリーダーの仕事なのか?とも疑問です。

少なくても「終身雇用は崩壊する」と分かるから、
自分のキャリアを真剣に考える。

「老後に2000万円必要」と言われるから、
計画的に貯蓄や資産運用をする。

将来起こりうる不都合な真実を伝えてあげることは
必ずしもマイナスになりません。

本当はそのほうが誠実。
でも受け手の器量によって誠実だとは受け止めてくれない。

むしろ根拠もないのに
「将来は安心ですよ」と話して、
支持を集めるリーダーの方が無責任では?と思います。

将来起こりうる不都合な真実。
これをどのようにスタッフへ伝えるか。
経営者の悩みどころですね。

 

2019-06-10
『準備万端ではチャンスを見逃す』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

「失敗をしたくない」と思うことは、
不思議ではありません。

誰しも失敗をしなくてもいいなら
失敗をしたくない。

もったいないのは失敗を避けるために
チャンスを逃すことです。

そしてチャンスは
いつも少し早めにやってきます。

準備をしてチャンスを待つことは必要ですが
準備万端では、時すでに遅しなんです。

新規事業を始める。新商品・サービスを始める。

このときにも最善の準備をすることは必要ですが、
準備万端を待っていると、スピードで負けてしまいます。

人事面もこんなことがあります。

(ケース1)
「Kさん。おめでとう。
 あなたの実績をかって、
 リーダーを任命したいと思います」

「ありがとうございます。
 でもまだ自信がついていないので、
 もうしばらくこの仕事をさせてください」

(ケース2)
「Tさん。あなたはリーダーシップがあるから、
 5Sのプロジェクトリーダーを任せたいんだけど」

「期待をかけてくれるのは嬉しいです。
 でもいま業務が立て込んでいて、
 引き受けられないほど、業務負荷です。
 また次回以降にお願いします」

本人として誠実な回答のつもりかもしれません。

「もう少し自信がついたら…」
「もう少し時間に余裕ができたら…」
「もう少し資金的に余裕ができたら…」

この「もう少し」は、いつ来るのか…。

準備万端でないと前に進めない人がいる。
現実は「準備不万端」で始めることがほとんど。

チャンスは自分が想像した以上に早く来る。
それを忘れないようにしたいですね。

 

2019-06-07
『“宗教くさい”は褒め言葉』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

いい会社を作るためには、
理念浸透は避けて通れません。

理念浸透を進めようとすると、
また理念経営を本格的に進めようとすると、
一部の社員から“宗教くさい”と言われることもある。

約20年前に京セラでお世話になりましたが、

同じ新卒同期の中にも、

“フィロソフィとか宗教くさくない?”

と言っている人がいました。

たぶんこの人は、面接では違うことを言っているのでしょうが、
一部上場や知名度で会社を選んだのかもしれません。

社員や関係者から
あなたの会社“宗教くさい”と言われたら、
それは見方を変えれば褒め言葉です。

その会社独自のイズムがあり、
風土形成がされている証拠です。

“宗教くさい”と揶揄する人の特徴は、

自分に自信がない人が多いですね。

自分の中に確固たる考え方がない。

だから誰かの他人の哲学を聞いて、
その人の色に自然と染まってしまうのが怖いんです。

だから“宗教くさい”と言って、
距離を取りたがるわけです。

自分に信念(=哲学)を持っている人が
そういうことを言いません。

考え方にはフラットに捉えて、
「いろんな考え方があるね」と
一次元で捉えることもできる。

でも現実には、
考え方には次元が存在します。

次元が異なる人通しでは、
なかなか理解し合えません。

稲盛先生が以前、

“フィロソフィというと宗教ぽいという人がいるが、
 良い考え方(原理原則)を学んで、
 その人に何かデメリットがあるのか…”

と言われたと聞いたことがあります。

“宗教くさい”と思うならば、
その会社を辞めて転職しましょう。

学校が本来の機能を果たせなくってきている今日、
企業が学校の代わりに「道徳」を教えていくことは
新たな役割だと思うのですが。

 

2019-06-04
『部下が報連相をしない理由 その2』

こんにちは。

理念浸透コンサルタントの松本です。

 

報連相ができなければ理念は浸透しません。
報連相ができていない原因の50%は上司側にあるという
お話を前回しました。

今回は2回目です。

「情報は鮮度が命」と言われます。

上司が情報を持ったまま、下ろさないということが起きています。
下ろしたとしてもスピードが極めて遅いということも。

例えば会議での決定事項の共有。

A部署では部署長がその日中に素早く情報を文章+口頭で下ろします。
非常にスピードが速く、「伝わる」ことに重きを置いています。

一方、B部署では部署長が3~5日程度、情報を所持する。
何の情報を下せばいいか、どのように下ろせばいいか、慎重になり、
なかなかアクションを起こさない。

なかには共有することをうっかり忘れている人もいます。
慌ててメールで淡泊に伝え、「伝えた」ことで満足してしまう。

「なぜ情報共有ができていない?」と追及されると、
「伝えてはいるが理解してくれない」と被害者ぶってしまう。

このように決定事項をメンバーと共有するスピードが異なると、
どういったことが起きるでしょうか?

B部署のメンバーがA部署のメンバーから
情報が入るようになります。
すると
「えっ?本当?そんなこと、まだ聞いていないよ」
とメンバーは思いますよね。
(※横の情報共有は意外と早いです)

そうすると報連相を上司から求められても、
「あなたもやっていないでしょ?」
と部下は不満を持ちますよね。

私事と言えばこんなことも。
あるメンバーから言われたことがあります。

「松本さん、もちろん極秘内容があると思うので、それは決定してから
 共有して頂ければ結構です。でもそうでない内容は、決定する前に
 共有してもらいたいです。会議でどんな議題が出ていて、今どんな議論が
 されているのかプロセスを知りたい。それだけでも心の準備ができますから」

彼の言うとおりでした。
相手に配慮した報連相が私もできていませんでした。

「情報は鮮度が命」であり「情報は財産」です。

素早く漏れなく共有しましょう。

 

2019-06-02
『部下が報連相をしない理由 その1』

こんにちは。

理念浸透コンサルタントの松本です。

 

理念浸透と報連相。
これらは因果関係にあります。

報連相ができていない
 →信頼関係が構築できない
  →理念が浸透しない

信頼関係・人間関係が悪い中で
理念が浸透していくはずがないですね。

ということは報連相が徹底できる風土にしていくことは、
理念浸透の土壌を作ることにも繋がります。

報連相というと、部下がやるものと考えられがちです。
そのように考えているうちは、
報連相のレベルが上がることはまずありません。
なぜなら上司側にも50%の責任があるからです。

なぜ部下は上司へ報連相しないのでしょうか?
1つ目の理由。

それは
上司が部下からの報告に“無関心”だからです。

上司は部下へ報告を求めます。
・連絡ノート、引継ノートへ必ず記載して
・△△日までに業務報告書を提出して
・毎日日報を提出して

などなど。

しかしそれを真剣に見ていない上司が非常に多いんです。

上司は悪気なく
「Aさん、●●の件、どうなっていたっけ?」
と聞きます。

部下は、
「◆◆という状況です」と答えるものの、
内心では「業務日報に書いてあるのに見ていないのかよ…」
と思っています。

上司が関心を持って見ていない連絡・引継ノート、業務報告書、

日報を部下ははたして真剣に書くでしょうか?

普通の人間ならば、
真摯な対応があるなら真摯に書きますが、
適当に扱われるなら適当に書きます。

部下の報告に最大限の関心を持って、目を通しているでしょうか?

部下に報連相をしてもらいたいなら
まずは上司の言動を変えることから。