2019-12

2019-12-26
『理念共感型採用で満足するな』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

「うちは理念共感型採用をやっています。
 理念に共感していない人材は入ってきません」

このように自信をもってアピールされる
人事担当者や経営者とお会いします。

少し違和感があります。

嫌味なことを言えば、
理念に共感していない人を採用しないで、
共感している人を採用するのは当然のこと。

何も珍しいことではありません。

もちろんトコトン理念に拘っている会社は
面接に30時間も40時間も使って、
表面的な共感ではないかを見定めていますが、
ほとんどの会社はそこまで行きません。

入社したいと考えている人は、
理念を調べて表面的にでも共感している旨を
伝えるでしょう。

それともう一つ。

理念に共感している人を採用するだけでよいのか?

仕事上、各種メディアに取り上げられ、
受賞された企業に伺います。

実際に足を踏み入れるとそのイメージとの
ギャップを感じます。

A社はベンチャーな社風が残っており、
業界内ではイノベーターの位置づけです。

A社で働くスタッフが掲げているビジョンや理念に
深く共感されていることが分かります。

お金を落としてくれる顧客の印象は
そこまで悪くないのですが、
パートナー企業からの評判が著しく悪い。

残念ながら私も同じ印象で、
この企業とはお仕事したくないなと思ってしまいました。

こういう会社と出会うたびに、
理念共感型採用だけでは不十分だなと思います。

そこに集まった人を「理念で磨く」ということが
決定的に欠けています。

A社のように目的達成に向けた勢いはあるが、
はっきり言って「品格がない」「人間性を疑う」
企業があります。

「目的達成することが大事で品格なんて必要ない」
と考えられる経営者や担当者もいます。

それはそれで良いかと思います。

経営で何を実現したいかは、
各会社で異なりますので。

理念に共感する人を集めて終わっていませんか?

理念で社員の心を磨いていますか?

理念を実践している人は
社内外でファンが多いのが特徴。

それが一つの基準になるかと思います。

 

2019-12-19
『儲かる基準からワクワク基準へ』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先月、十方よしTVにて、
株式会社OKUTAの奥田会長に取材をさせていただきました。

様々な事業展開をしている奥田会長ですが

「儲かるから〇〇事業を始めようという発想でやると
 たいてい上手くいかない。
 ワクワクするかで始めないと…」

と言われていました。

別業界で活躍するY社長は、

「最近、〇〇業界の事業をバイアウトしました。
 黒字化の事業なので、もったいないと言われる。
 でもその事業へ湧き上がる情熱が以前ほど
 沸かない自分に気づいている。
 これではいずれ息詰まるし、自分が社長であるかぎり
 成長はない。自分に正直でありたいんです」
 
と言われていました。

偉そうなことを言っていますが、
私も同じような経験があります。

「儲かりそうだから」という発想で始めた事業やサービスは、
たいてい途中で終わっています。

何をやっても、どの道を選んでも、障害はあります。
その障害を乗り越えるにはエネルギーや根気が必要。

安易に「儲かりそう」という動機で始めた事業は
壁にぶつかり、たいていはそこで終わります。

ワクワクする感覚。
衝動的に絶対にやってみたい!という感覚。
自分がやらないと!という使命感の感覚。

そのような沸き起こった気持ちを大事にして、
新しい事業やサービスを始めてください。

 

2019-12-12
『総理大臣より憲法が偉い』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、株式会社OKUTAの奥田会長に
取材をさせていただきました。

当時、交通事故によって言語障害が残り、
改めて会社の今後を考えられたそうです。

誇りを持てる事業をやりたいと思い、
環境に配慮したリフォーム事業をスタートされます。

業界内、会社内では批判などが多かったようですが、
それでも会長が信念を貫けたのは
ミッションステートメントがあったからだと言います。

その後、経営判断はすべてミッションに基づいて
行われ、今のOKUTA様になりました。

「ミッションステートメントは
 経営者の判断がぶれないように
 するためにも大事なものだ」

と奥田会長は言います。

内閣総理大臣と憲法はどちらが偉いかと言えば、
間違いなく後者ですね。

でも不思議なことに会社では、
理念より経営者の方が偉くなってしまうことが
見られます。

社員を動かすために
理念(クレド)を作りたいという経営者。

決定的に間違っているのは、
理念の下に経営者もいるので、
経営者も同じように実践しなければ、
意味がありません。

経営者が理念より偉いのではなく、
理念が経営者より偉いのです。

少なくても社内で一番、
経営者は理念(クレド)に
自分を照らし合わせることが必要でしょう。

経営者も人間です。
経営判断がブレてしまうことがあります。

経営者を間違った方向へ進ませないために、
経営者に理念(クレド)が必要なのです。

 

2019-12-03
『気づいて欲しい人に最も気づいてもらえない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

先日、ある会社の人事部の方と話をしてて、
納得したことがあります。

人事部の方は、我々のような外部の会社へ
狙いを持って研修などを発注します。

そしてその研修をやる目的は、
参加者のAさんに変わってほしいという
裏ミッションが隠れていたりするんです。

しかし、研修を実施した後に
気づきや参加者の変化をお聞きすると、
Aさんではなく、他のBさんの方が
効果があったように見受けられます。

一番気づいてほしい、ターゲットの人物がいる。

でも肝心のその人は気づいていない
自分は“できている”と考えている節がある。

我々から見てどちらかというと
“できている”部類に入る人のほうが、
自分はできていなかったと反省し、
行動が変わるというのです。

あなたより分かってほしい人が他にいるのに…。

企画側が一番気づいてほしい人に気づいてもらえない。
心配していない人ほど、気づきが深い。

与えられている場は一緒です。

でも素直で感性がいい人ほど、ますます成長する。

素直でなく感性が鈍い人は、ますます成長が止まる。

この積み重ねで成長曲線に開きができます。

研修でのメッセージは、
自分以外の誰かに言っているではなく自分に言っている。

そのような心構えで臨んでほしいものです。