2020-04
2020-04-29『“私は大丈夫!”というバイアス』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
周りが変化していたり、危機的な状況が迫っていても、
「私は大丈夫」と自分に都合のいいように思い込んでしまうこと。
これを社会心理学、災害心理学では
「正常性バイアス」と言うそうです。
コロナ騒動の中、
人が密集している所に感染を気にせずに
自分から足を運んでいる人がいますね。
私には関係がないと同僚と飲み会をしていて、
感染してしまった人もいます。
これらの人は、“自分は大丈夫”という
「正常性バイアス」が働いていたのでしょう。
と言っている私も同様だったかもしれません。
ニュースで流れているコロナ感染は、
どこかで他人事でした。
私には影響が少ないとも当時は思っていたかもしれません。
それが自分たちの職場の近くで感染者が出てくると
見方が変わっていきました。
コロナ感染拡大に伴い、
知り合いの会社が倒産してしまいました。
開業し運営するまでの苦労を間近で見ている私は、
同じように心が痛みました。
またうつ病になってしまう人が
近くに出てきたりもしました。
そういうこと目の当たりにすると、
いかに自分が「正常性バイアス」に
支配されていたかと思います。
私を含めて、
「自分には影響がない」
「自分には大丈夫」
という思い込みが思考を止めて、
行動を鈍らせてしまいます。
コロナに限らずですが、
自分の「正常性バイアス」に気づき、
疑うようにようにしていきましょう。
2020-04-21『直近の印象が良ければいいのか?』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「人間は感情的に物事を判断する」
このように言われています。
「自分は論理的な人間である」と思っている方でも
感情的に情報を判断し、意思決定してしまうことが
あるでしょう。
企業内の人事評価にて、
「直近の印象に引っ張られない」
という原則を考課者研修にて伝えますが
どうしても直近の印象で引っ張られます。
Aさんへの直近の印象=Aさんへの直近の感情
で評価が変動してしまうんですね。
あまり触れたくない話題ですが、
政治の世界でも応用されます。
選挙の直近では、悪い印象を与えないために
意見が分かれるものは結論を出さない。
あえて先延ばしにします。
失態を侵さないことに重きを置く。
直近の印象を悪くすると
投票数に大きく影響を与えますから。
意地悪な見方をすれば、
選挙の直近にはポイント稼ぎが必要になりますね。
恐ろしいことにスキャンダルを隠しておいて、
そのタイミングで公開し、
足を引っ張ることもあるようですが…。
本来は任命期間でどれだけの結果を残したのか。
冷静に評価するべきなんですね。
人が人を評価するのは難しい。
直近の評価が自分の感情を支配してしまう。
これだけは注意しておきたいものです。
2020-04-18『ガイドラインで動ける人、動きたくない人』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
コロナ対策の一環で、
国や都道府県からガイドラインが日々告知されます。
例えば直近言えば、自粛要請対象の業種の
ガイドラインが発表になりました。
興味深いのは、このガイドラインに対して
2パターンの人間に分かれるということです。
一人はガイドラインから大まかな趣旨と定義を掴んで、
自ら考えて自粛するなり、営業をするなりを考える。
もう一人は、こんな曖昧なガイドラインでは動けないと
不満をぶつけて、答えを求める人。
後者の方の気持ちは理解できるのですが、
国や東京都へ期待しすぎなのでは?と思います。
いま世の中にどれくらいの業種数があるのか、
正確な数字は把握していませんが、
相当な数があるでしょう。
なかには2~3つの業種を跨ぐ営業スタイルもあるはずです。
そのすべてを洗いざらい挙げて、
自粛対象の業種か否かを指し示さないといけないのでしょうか?
そこから先は自分で考えて、
自分で結論を出そうとしないのはなぜなのか?と思います。
会社内でも同じようなことが起きます。
経営陣はガイドラインを示す。
最後のチューニングは現場に任せることが多い。
部署やエリア等によって事情が異なるので、
細部まで上層部が決めることは難しい。
ガイドラインが仮に合っても
自己裁量が残されているわけです。
でも自分で考えることが嫌な人は、
“自分だけの答え”を欲しがります。
「私はどうしたらいいですか?」
「あなたは〇〇してください」を求める。
見方を変えれば“自分で考える”ことを
放棄しているようにも見えます。
動けない理由を自分ではなく、
他の誰かの責任にすり替えている。
最後の最後は、自分で考えて自分で決める。
それを肝に命じておきたいですね。
2020-04-09『問題解決する“タイミング”を逃すな』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
コロナの影響で暗い話題ばかりです。
私の周りの経営者もどうやってこの難局を乗り越えるか、
皆さん必死です。
3年後のことは考えられない。
どうやってこの3ヶ月を生き延びるか。
コメンテーターの方があれこれ政府批判をしますが、
言われても仕方がない対応かと思います。
前回のメルマガ『Fukushima 50』でも触れましたが、
現場レベルで起きている問題認識と
トップレベルの問題認識とでは大きな差があります。
現場レベルで最も困っている問題に対して、
解決策を打つことができれば、
現場とトップ間では信頼関係が築けます。
一方で解決策がずれていれば、
信頼関係は壊れていきます。
最近の事例で言えばマスク2枚支給。
「えっ?今?今更ですか?」
といった反応ですね。
「粗利保障の具体策を先に聞きたい」
「消費税減税を急いでほしい」
といった事の方が緊急性が高いように思います。
コロナ関連でいれば、
この2ヶ月で最も課題とされていることが
変化してきていると思います。
スピーディな解決策が実行できず、
実行段階では既に時を逃しています。
だから
「今それ?」
となってしまう。
自分たちに置き換えれば、
問題解決にも「タイミング」があると
心得ておくとよいですね。
2020-04-02『Fukushima 50 ~リーダーの苦労~』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
『Fukushima 50』を見てきました。
(※映画館はガラガラでした)
2011年3月11日、東日本大震災での大事故直後、
空前絶後の危機に立ち向かった技術者と作業員たちを描いた作品です。
福島第一原発1・2号機当直長の伊崎役(佐藤浩市)、
所長の吉田役(渡辺謙)のお二人のリーダーシップが描かれています。
想定外の大惨事に逃げずに立ち向かう
二人のリーダーシップに感銘を受けます。
リーダーの苦悩が鮮明に描かれていました。
放射能を広げていけないというミッション。
それを遂行するには、部下の命が引き換えになる可能性がある。
未来がある若い人材を安全な場所に移し、
年長者が率先して危険な場所に突入する。
そして部下を死なせないために、
リーダーも顧みずに危険を承知で突入する。
「自分さえ助かればいい」というエゴは一切なく、
「日本のために…」という思いで、
死を覚悟しながらもミッションをやり遂げようとする。
リーダーしか分からない「苦悩」というものを
改めて考えさせられました。
さてコロナの影響でオリンピックは延期になりました。
オリンピックを開催しても地獄。
オリンピックを延期しても地獄。
オリンピックを中止にしても地獄。
何かを決断すれば、誰かが不利益を被る。
不利益を被る人からは後ろ指をさされたり、
避難をされ続けるでしょう。
みんなでじっくりと議論をして結論を出すといった
悠長なことも言ってられません。
『Fukushima 50』に話題を戻します。
吉田所長が血尿が出るといったシーンがありました。
自分の一つ一つの決断で、
部下の命、または日本国民の命が左右されると思えば、
身体は悲鳴をあげるしかなかったのだと思います。
「本当のリーダーとは何か?」
そんなことを考えさせてくれる作品です。