2021-05
2021-05-28『2・6・2の法則を活かす』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
2・6・2の法則。
別名「働きアリの法則」とも呼ばれます。
組織は2割の優秀なグループ、
6割の普通のグループ、
2割の怠惰なグループで構成される。
仮に下位2割の怠惰なグループを除外しても、
残りのグループの中で再び2割の怠惰なグループが生まれる。
この法則は様々な形で応用されます。
「下位2割を切ったとしてもまたが下位2割が出てくる。
でも成果をあげない2割は不必要だし、リストラするべき。
外部から新しい2割を入れたほうが組織が成長する」
と考える会社もある。
「私はそもそも2・6・2に社員を分類する考え方が嫌いだ」
という会社もある。
幹部候補を育てる時は、
「上位2割に経営資源を集中するべきだ」と言われるし、
研修体系を作るときは、
「中間6割にフォーカスして制度設計するべきだ」と言われる。
実在する組織をみれば、2・6・2は概ね存在する。
MさんはA社では優秀と呼ばれ上位2割に入っている。
しかしB社に転職したら適応できずに下位2割に入ったということもある。
組織が存在すれば「2・6・2」は形成されてしまうが、
組織を動いたり、時間の経過とともに、どこに所属するかは変わる。
つまり固定的なものではない。
優秀なアリはいつでも優秀であるとは限らず、
他の組織に行っても優秀な2割とは限らない。
怠惰なアリは、いつも怠惰であるとは限らず、
他の組織に行っても怠惰な2割とは限らない。
中小企業であれば、
全体を引き上げることに重きを置くべきです。
2・6・2の全体を引き上げる施策と流れを作る。
スポーツの世界でいれば、
エースがいるチームはもちろん強いが
エースが固定化されているチームは弱い。
レギュラーが固定化されているチームも強くはない。
サブも活躍できるチームが強い。
自分にもチャンスがあればと、
2・6・2がダイナミックに入れ替わっている。
経営者や人事部は、
全体を引き上げることを諦めない。
続けることで
自社で「普通」の6の人材が、
他社から見れば「上位」の2の人材になっているかもしれない。
持続的に中長期的に、
底上げを計画し実行しましょう。
2021-05-23『報道番組とワイドショーは子供に見せられない』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「多様性」が大事だと言われていながら、
なかなか既定路線以外の意見は排除される。
これはなかなか改善されませんね。
知り合いの経営者が
「民放ばかり見ていれば、ますますアホになる。
子供に一番見せてはいけないのが、
民放メディアのワイドショーや報道番組だ」
と言われていました。
同感です。
子供にお笑い番組は見せても、
報道番組とワイドショーは見せられない。
どのチャンネルをつけても、
持っていきたい方向性から逆算して、
出演ゲストが決まっているように見えますね。
・オリンピック反対ばかりの声が多いが、
賛成をしている人は出演しない
・ワクチンを推し進めている人が多いが、
ワクチン反対の人は出演しない
・コロナを恐れようという感染症専門家ばかりで、
コロナを恐れるなという感染症専門家は出演しない
・PCR検査を積極的にやるべきという声が多いが、
抗体検査を積極的にやるべきだという人は出演しない
・緊急事態宣言で自粛は必要という人は多いが、
意味がないから自粛は必要ないという人は出演しない
「多様性を尊重する時代」と言われながら、
キャスティングを見るだけでも全く実現できていない。
毎日テレビで偏った情報を聞いていれば、
無意識に洗脳されてしまうでしょう。
企業経営をしていても、
簡単に「正解ぽいA」に飛びつくほど
危険なことはありません。
極論で180度反対の意見にも耳を傾ける。
そして真逆の考え方も複数の観点から検討する。
だから最終的には同じ判断だったとしても
考えに厚みが出てくるはずです。
あらゆるケースを考えた上での判断だったと…。
「こいつ変なことを言っているな!」
と思うこともあるかもしれない。
でもそういう意見も、
深みのある判断をするに必要な材料だと考えたいですね。
2021-05-18『遠くから見ていれば“いい上司”』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
先日、知り合いのTさんと話していた時の話題です。
Tさんは憧れのK社長のもとで働いています。
K社長は出版やテレビにも出られる方で著名人です。
頭が切れて大胆な発想。
情熱的にビジョンを語る姿。
その姿に影響を受けてか、
とくに積極的に求人はしていなくても
入社希望をされる方がいます。
TさんもK社長と一緒に働くことを
夢見ていた一人です。
そんなTさんからK社長への愚痴が聞こえてきます。
「メディアではいいことを言っているけれど、
社内では自己中でワガママな人」
「能力が高いことは認めるし尊敬するが、
一緒に働く立場からすれば人柄が最悪」
「公私混同が目立つ。社員はみんな不満に思っているが、
本人に率直に言える人がいない」
そんな話でした。
「それはそうでしょう。
K社長を選んだあなたが悪い」
忌憚のない意見を言った私に、
Tさんはムカッとされていました。
K社長を遠くから見るのか、近くでも見るのか。
まったく印象が異なるようですが、
これはよくある話です。
「すごい人」が必ずしも、
あなたにとって「いい人」ではない。
プロ経営者と呼ばれたA氏。
一定のポストまで上り詰めた政治家B氏。
一緒に働いていた人からは評判が著しく低い。
不思議なことに長い目で見ると、
そういった成功者は一時的な成功にとどまり、
墓穴を掘って陥落する。
近くで働ければ、その人の素の姿が見えてきます。
それも見越して好きになれるか。
はたまた夢を壊さないために、
遠くから眺めておくだけにするか。
会社内でも、他部署から見たらいい上司(に見える)。
でも部下として働くと、最悪の上司。
遠くから見ている自分の印象が
絶対的ではないことを知りましょう。
2021-05-06『そのプライド、必要ですか?』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よしTV4月号には、
ベーカリープロデューサーの岸本社長に
ご出演いただきました。
前回のお話の引き続きです。
岸本社長も高級ホテル卒業後、
すぐに成功したかといえばそうではなかったようです。
独立してパン屋を開業しても
うまくいかなかった。
「3日、3月、3年」と言われそうです。
3日は一見さんを取り込む時期。
3ヶ月はリピーターをつくる時期。
3年たってくるお客様は信者・ファンになっている。
オープンして3日間はお客様が来たそうですが、
それを過ぎるとお客様が減っていったそうです。
困った末、近く居酒屋さんにも
忌憚のない意見を求めたところ、
「お客さんを選んでいる」
と言われた。
そこで提供していたのは、
以前勤めていたホテルが提供するようなパン。
硬くてオシャレなパン。
一部のパン好きにしか好かれないラインナップで
あったことに気付いたそうです。
そこからラインナップ変更。
共感できないスタッフは去っていったと言います。
今では驚くほど、自由な発想をされる岸本社長。
しかし開業当時は、いつのまにか、パン職人目線で
店舗運営をしていたということでしょう。
岸本社長がプロデュースする食パンは、
どれも柔らかくて、ほのかに甘い。
幼児でも食べられるし、高齢者でも食べられる。
老若男女に愛されるパンです。
「職人」ではなく「食人」の立場に立った
商品開発だった。
食パン専門店の開業支援をされるそうですが、
「経験者ほど難しい」と言います。
おそらく経験値が邪魔をするのでしょう。
「こんなにみずみずしい食パンで大丈夫か?
もう少しパサっとしたほうがいい」
「こんなに白いコッペパンで大丈夫か?
もっとこんがり焼いたほうがいい」
職人の方ほど、既成概念に縛られてしまって、
謙虚に新しい意見に耳を傾けられない。
この仕事を〇年もやってきたというプライドが
かえってヒントに盲目的になる。
変化を妨げるプライドならば、
いっそうのこと無いほうがいいかも。
あなたのプライド。必要なプライドですか?
2021-05-06『ZOOMミーティングの弊害』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
多くの会社が社内会議でも、商談においても
オンラインでやることが増えていますね。
自社でも、
月1回リアル会議、月1回オンライン会議、
で運用しています。
ZOOM等を使ったオンライン会議は
非常に便利に感じる半面で、
注意しなければならないことがあります。
「人間は現地で五感で情報を感じ取る」
という習性もありませんか?
長いキャリアを持っている方であれば、
「肌感」も大事にされる。
「なんか違う気がするんだよね~」と
論理的ではない結論を出す。
この「勘」がよく当たる人もいます。
この「勘」が鋭い人は、
共通して現地で五感を使って情報を収集しています。
私も経験上よくあるのですが、
オンライン会議では
「特に大きな問題なし」という報告を聞く。
実際に現場に行ってみると、
確かに目に見える“起きた問題”はないですが
“起こりそうな問題”があることに気づきます。
またオンラインで
「Aさんが非常にモチベーションが低い」
という報告がある。
現地で本人の働きぶりを見ていると
Aさんのモチベーションではなく、
職場環境にどちらかというと問題があることもある。
「オンラインでマメに会議しているから
情報を正確に把握している」
と考えてしまうのは思い込みの可能性があります。
現場でしか感じ取れない“空気感”がありますね。
オンラインとリアルのいい所どりをして
併用していきたいですね。