2022-07

2022-07-27
『有名になれば真価・進化が問われる』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

・業界○○グランプリで賞を取る

・テレビや書籍、専門誌で紹介される

・○○コンテストで認定を受ける

・第三社セクターの調査で賞を取る

これらは外部から一定の評価をもらったわけですから、
どれも名誉なことです。

しかし賞を取ったからゆえに
大変なこともあるそうです。

一つは期待値が上がる。

○○グランプリで賞を取られたわけだから、
さぞかしすごいお店だろう、施設だろうと
来る前からの期待値が高い。

期待値が高すぎると、
「思っていたほどではなかった」「普通だった」
と感想を持たれてしまいがちです。

10年前近くになりますが、
感動のサービスを提供するホテルやレストランが
書籍で紹介されました。

すると「いかに自分を感動させてくれるのか?」と
高い期待値で現地に行ってしまう。

以前と変わらぬ質のサービスを提供していても、
想像以上でなければ、
アンケート評価が下がったり、
コメント欄などに不満を書かれることが出てきます。

もう一つは新規客が増えて、
既存客(=常連客)への対応が疎かになること。

有名になれば、一度は行ってみたい!という
一見さんが一気に増える。

そこにも丁寧に対応しようとするが、
同じマンパワーであれば常連客へのサービスが行き届かない。

すると常連客からアンケート評価が下がったり、
サービスの質が下がったと不満を言われたりします。
常連客の店舗・施設離れに繋がることもあります。

これは有名になったがゆえに、
ほとんどの会社が経験することのようです。

この試練をいかに乗り越えるか。

乗り越えた会社は、「やっぱりすごい!」と
また評価される日がきます。

乗り越えられなかった会社は、
話題にすら上がることがなくなります。

真価と進化が問われるのは、
名が知れた後なのかもしれません。

 

2022-07-21
『“特別な会社”だと言われたくない』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き、久遠チョコレートで知られる
ラ・バルカグループ代表の夏目浩次様と対談について。

2018年第2回ジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞を受賞。

久遠チョコレートは全国に52拠点。

チョコレート関連事業に携わるスタッフは550名。
内、障がいを抱えるスタッフは350名とお伝えしました。

今となっては障害者だけでなく、
個別事情を抱えた主婦、シングルマザー、LGBTの方など、
様々な方が勤めていらっしゃるそうです。

働くことに様々な条件がある方々を
受け入れる器を作ってきました。

中には遠方から

「この店舗で働きたい」

と志願し面接に来るスタッフもいるそうです。

噂を聞いて見学に来られた経営者からは、

「久遠さんは特別だ。
 なかなかここまで雇用できる企業はない」

とお褒めの言葉をいただく。

しかし夏目代表は上記のような言葉をかけられて
嬉しいかといえば…。

毎回、複雑な気持ちにもなるそうです。

「久遠さんは特別だ、特殊だと言われる。
 そもそもそれっておかしくないですか?

 世の中には何百万社という企業が存在する。
 企業は経世済民であるべき。 

 はるばる久遠に来て働きたいではなく、
 彼・彼女らの近隣に勤め先がある方が
 本来は自然です。

 私たちはなんら特別・特殊な企業ではない。

 本来は特別・特殊と言われることがおかしいし、
 言われない社会を作っていきたい」

 

「あなたの会社は特殊・特別だ」と
言われることは本来嬉しいはずです。

でも目的は「自分の会社が良い会社だ」と
言われることではない。

「凸凹があって当然だし、
 凸凹な社会が特別ではなくなること」

夏目代表が目指しているのは
そのような社会づくりなのでしょう。

 

2022-07-07
『“仕方がない”は可能性を奪う』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よしTV5月号では、久遠チョコレートで知られる
ラ・バルカグループ代表の夏目浩次様と対談をさせていただきました。

2018年第2回ジャパンSDGsアワード内閣官房長官賞を受賞。

久遠チョコレートは全国に52拠点。
内、直営は5店舗8拠点。

チョコレート関連事業に携わるスタッフは550名。
内、障がいを抱えるスタッフは350名。

創業時はチョコレートメーカーではありません。

障害者の雇用と賃金改善を目標にパン屋から始めました。

起業時から3名の障害者を抱え事業をスタートさせましたが、
経営状況は芳しくありませんでした。

1,000万の借金を背負い、
クレジットカード6枚でギリギリまでお金を借りて、
お金を工面し、スタッフ全員に約束通りの給与を払う。

パン屋も当然ながら生産性を求められます。

スピードが要求され、テキパキ動くことが求められます。
パンは待ってくれないのです。

障害者の待遇改善のために始めた事業でありながら、
生産性が重視される職場で、
ついてこれない障害者が出てしまったそうです。

夏目代表も本望ではなかったはずです。

その後、あるチョコラティエとの出会いからチョコレートへ業態変更。
今となっては直営店では平均16万円/月を実現できているそうです。

福祉の分野に詳しい方ならばお分かりですが、
この月給はなかなか実現できないレベルです。

福祉の世界でよく使われる言葉。

「仕方がない」

理想は○○だけど、現実は難しいから
「仕方がないよね」と使われます。

障害者の待遇も課題認識として持っている人は多数いたはずです。
(※私もその一人でした)

この給与ではたして生活できるのか…と。

でも「仕方がないよね」といって待遇改善に
チャレンジする人はほとんどいませんでした。

「仕方がない」

合理的に自分を諦めさせる、便利な言葉です。

同時に可能性を奪う、怖い言葉でもあります。

あなたの職場でも

「仕方がない」

多用されていませんか?

「仕方がない」は、
あなたを理想からどんどん遠ざけていくでしょう。