2022-09
2022-09-21『行動する前に相談する人』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
栗本チーフから相談を受けました。
栗本チーフ:
「松本さん、アルバイトの武田さん(仮名)に
はっきりと注意をした方がいいですかね?
他のアルバイトさんからなぜ武田さんだけ
マニュアル通りに業務をやらないのか?と
不満が出ているんです」
武田さんの日頃の仕事ぶりを聞くかぎり、
我流で仕事を進めてしまうことが見受けられるようです。
松本:
「そうですね。栗本チーフが考えておられるように
指導をされてみたらどうですか?」
栗本チーフ:
「でも武田さんに注意をして、ヘソを曲げられて、
退職でもされたら困るんですよね。
彼の抜けた穴は大きく、シフトを埋めるのが
大変なんです」
松本:
「いろいろ武田さんに気を使っているのは
分かりましたが、今まで武田さんに真剣に
注意・指導するなり、何かしらトライしましたか?」
栗本チーフ:
「あれこれ考えてしまって、
なかなか行動に踏み出せていないんです」
松本」
「………」
上記は部下を注意できない上司の一例でしたが、
ジャンルは違っても同じようなことが起きています。
それは
「行動してもいないのに相談する」
ということです。
石橋を叩きすぎです。
石橋を渡るタイミングはいつになっても来ません。
「行動してから相談する」
ならば、きっと聞き手もさらに親身になるでしょう。
どうしようもなく困っているわけですから…。
しかし行動してもいないのに相談されても、
「あなたが考える方法で、
まずはやってみたらどうですか?」
としか言いようがない。
行動する勇気がないのでしょうか?
自信がないのでしょうか?
行動する前に相談しても、
相手も架空の話で助言するしかない。
「行動してから相談する」
きっと行動したあなたの姿を見て
相手も力になりたいと思うはずです。
2022-09-16『上手い飯を食べていますか?』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
知人の経営者がこんなことを言われていました。
「会社を経営して最初の頃は食べていくので精一杯。
そこから会社経営が軌道になり、家業から脱皮。
一安心した所で心にぽっかり穴があいたようだった。
利益は少し出ていたが、
やりがいをいま一つ私が感じていない。
理念が明確になってから、
何のために売上・利益を残すのかが腹落ちしました」
このお話を聞いて思いだしたことがあります
「理念では飯は食えない」
厳しい現実と向き合ってきたある経営者は
このように言われました。
あえてそこに反論すれば、
「理念“だけ”では飯は食えない」
理念から戦略・戦術に落とし込まなければ、
飯は食えない。
理念を描いただけでは、
絵に描いた餅になります。
理念を作成してからの
具体化のプロセスが必須です。
さらに言えば
「理念がなければ上手い飯は食えない」
皆さんは、他人の昼食・夕食風景を
客観的に見たことがありますか?
「美味しい!」と声に出しながら、
笑みを浮かべながら幸せそうな表情をする人。
一方で毎日カップラーメン(インスタント食品)を
無表情に食べて、流し込んでいる人。
美味しさを堪能するというよりも、
腹を空かせて、食べないと生きていけないから
お腹に何か食物を入れるだけ。
この2つの光景を見ていると
考えさせられます。
理念に基づいた仕事ならば
上手い飯が食べられる。
理念なき仕事・事業は
ただお腹に食物を流す。
美味しい食事を楽しむのは
幸せの一つ。
経営も同じであるように思います。
上手い飯を食べていますか?
2022-09-09『子育てから学ぶ人材育成』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よしTV7月号のゲストである
京谷染物店の蜂谷社長にこんな質問をしました。
「御社では新しい商品やサービスが
社員自ら考えて次々に生み出している。
アイデア出しの場を会社は作るが、
そこから先は個人の主体性に委ねる会社が多い。
本当にやりたいことならば、
社員は自ら動き創り出すに違いないと
経営者は考えるからだ。
しかしそれで上手くいっているとは言えない。
アドバイスできることはありますか?」
「その経営者の気持ちも十分に分かりますが、
新商品・新サービスを創り出せる人材に
なるためにはステップがある。
知り合いの経営者からこんな話を聞いたことがある。
それは子育てと一緒であると。
最初は肌を離すな。
次は手を離すな。
その次は目を離すな。
最後に心を離すな。
経営者は上記のような段階に合わせて
関わり方を変えるべき。
まだ手を離してはいけない時に手を放し、
心まで離していることもある」
最初から相手は大人だからといって、
全部お任せにして放置する。
上手くいかなければ
途中で停滞してしまいます。
そのようなやり方で
新商品・新サービスが次々に生まれてくることは
稀でしょう。
本人の主体性や意思に甘えるのではなく、
上記のステップを踏みながら関わり方を顧みること。
若手社員から新鮮な提案が出てこない、
若手の活気がないと嘆いている会社は、
上司の関わり方を見直してみるとよいでしょう。
2022-09-03『もう会社を閉めよう…からの奇跡』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よしTV7月号に出ていただいた
京谷染物店の蜂谷社長のお話。
お祭りで着る法被などの染物を
得意としていました。
薄利体質で非常に経営は厳しかったそうです。
「絶対に潰してはいけない」
と決心して、ご両親から会社を継承したものの、
会社を続けることがいよいよ難しくなってきた。
その時に起きたのが東日本大震災。
被災地にボランティアにいかれて、
逆に勇気をもらったそうです。
「祭りの復興もしたい」
地元の方からそのような声をたくさん聴いて、
“祭り”という文化の意義ととともに
祭りを支える自分たちの仕事の価値を再確認しました。
何か力になれたらよいのですが、
資金的に余裕はありません。
「もう会社を続けることは難しい。
最後くらいはこの方々のお役に立って
会社を閉めよう」
そう思って染物店としてできることを
無心で協力をしていったそうです。
その後なんと
「こんな仕事もやってほしい!」
と様々な有料の依頼事が飛び込んできたそうです。
会社を閉めることを覚悟した蜂谷社長。
まさかそこから仕事が
どんどん舞い込んでくるとは
思いもよらぬ奇跡。
自分や自社に余裕がなければ、
他人・地域の役に立とうなんて、
普通はなかなか思えません。
逆を言えば、だから支持されず
ずっと余裕がないのかもしません。
純粋にお客様の役に立ちたい
純粋に地域の役に立ちたい
純粋に次世代のために役に立ちたい
邪念を一度脇に置いて、
「役に立つ」ことを振り切って実践してみる。
その時に商売の奥深さを
気づかせてくれます。