2023-05
2023-05-21『仕事も人生も実験の連続』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
昨日まで取材で長野県の白馬に行っていました。
白馬岩岳マウンテンリゾードの和田氏にお会いするためです。
書籍『スキー場は夏に儲けろ!』をぜひご覧になってください。
ここはグリーンシーズンに多くの来場者が来られています。
直近のGWでもゴンドラ待ちで長蛇の列。
4,800人もの来場者が山頂でごった返してしまうほど。
ここにしかない!仕掛けをしているわけですが、
その裏には多くの失敗もあったそうです。
コンサル時代の先輩に
和田氏はこのように言われたそうです。
「本質的な意味での戦略コンサルの需要は減っていく。
デジタルの世界になり、
パイロットプロジェクトを仕立てるコストが減る。
プロジェクトの成果のモニタリングのコストも圧倒的に減る。
そうなると計画を綿密に立てることで成功確率を高めるという
これまでの戦略コンサルの思想自体が通用しなくなる。
自社のリソースを活用してパイロット的にプロジェクトを進め、
都度修正していく方が成功確率が高まるはず」と。
和田氏の失敗事例はここでは書けませんが、
致命的にならない程度の失敗は数多くしています。
「計画」よりも「実験」にリソースを割くというポリシーです。
「計画を疎かにしていい」ということではありませんが、
計画づくりで満足してしまう企業を見ると残念でなりません。
計画づくりにリソースを割き、そこで力尽きてしまう。
まるで計画がゴールになっているようです。
何倍速で実行し、その都度軌道修正を図る。
一直線でゴールにはたどり着けず、
実験を繰り返し、ジグザクしながらゴールに近づいていく。
上手く行った最後だけを見れば、
成功事例のように見えますが、
実験と改善の繰り返しの歴史が隠れています。
仕事も人生も実験の連続なのかもしれません。
夏頃に和田氏の対談動画を公開できるかと思います。
2023-05-19『理不尽研修を導入するか否か』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
例年4月は、春から新社会人になる方への
新卒研修を担当する仕事が多くなります。
2~3月くらいに人事の方から相談を受けることがあります。
それは研修の“厳しさ”についてです。
「上層部から理不尽研修をやらないか?という提案がある。
理不尽研修とは、暗記をして一言一句終わるまで修了しないとか、
声がガラガラになるまで大きな声で挨拶を繰り返して、
チームの全員が揃うまで終わらないとか…。そういった内容」
「他企業でその研修をやることになり、新卒が数名辞めてしまったりとか、
そういうテイストの研修を好む社風に呆れて、掲示板で悪い書き込みもある。
メリットよりもリスクが多いし、私はあまり好まないのですが…」
研修会社さんによっていろいろなスタンスがあるので、
なかなかコメントが難しい相談です。
個人的な意見としては2点あります。
1.幹部自らが研修を体験し、価値を伝えられるか
理不尽研修と聞くと、悪い噂ばかりが聞こえてきます。
幹部が自ら参加して、その研修の意味や価値を本当に感じているかどうか。
「自分は参加する必要なし。でも新人は受けるべきである」
それでは罰ゲームにように聞こえます。
大変な研修ではあったけれども、
今の仕事や業務に活かされているこ都が多い。
それならば十分な説明が必要です。
若い世代に仕事を任せる際に、
「納得感」が以前よりも必要になってきています。
暗記するのは何のため?
声が枯れるまで挨拶練習するのは何のため?
この理不尽研修への参加を「納得」させる努力が必要です。
2.もう一度受けたい研修か?受けたくない研修か?
気づきも感動もある研修。
それならばもう一度受けたいと思うでしょう。
私ならば「目から鱗の研修」ならば、他の人にも勧めたいし、
またステップ2があれば受講したいと思います。
「二度と絶対に行きたくない」という研修を
新卒に勧めるのはおかしいですよね。
二度と参加したくない研修を勧めるならば、
それは罰ゲームですね。
最後にになりますが理不尽研修を
全否定しているわけではありません。
あなたの会社が作りたい風土や経営方針に沿っているならば、
積極的に導入するべきです。
一方であなたが作りたい社風や経営方針と
一貫性がないならば、避けたほうがいいでしょう。
例えば上司部下の上下関係がフラットで
何度も相談し合えるネットワーク型のチームを作りたいとする。
それなら上意下達的な研修はそもそも合わないことになります。
研修の選択にも会社の考え方が色濃く出るのです。
2023-05-11『市場が消える日』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV4月号のゲストは、
ヤマヒロ株式会社の山口社長。
出光興産のトップディラーとして首都圏を中心に
35カ所のサービスステーションを展開。
2021年12月には日本経営品質賞「中小企業部門」受賞。
日本政府が2035年にガソリン車とディーゼル車の販売を
終了する方針を掲げる中、
1車検・点検、2洗車・コーティング、
3レンタカーの3グループに分けて、油外サービスを提供。
ガソリンスタンド各店舗が
置かれている市場から強みを選択。
その強みを徹底的に磨き上げることをされました。
それまではガソリンスタンドの店長が変わるたびに
力を入れるメニューが変わっていたそうです。
店長毎に得意なメニューが異なり、
店舗の経営方針が店長に依存していたと言えます。
店長が変わっても、店舗が伸ばすべき強みが特定され、
利益の40%を油外サービスが支えるまでになりました。
ガソリンの供給が減ることは避けて通れませんが、
自動車周りのサービスはまだ伸ばすことができる。
過去、自動車教習所の経営者にも
共通していることですが、
2035年という期限が設定されています。
「市場が消える日」を自ら設定しているのです。
期限が設定されているからこそ、
それまでに会社が変化し、
事業の柱をシフトしていくことが求められる。
一方で自社の市場は大丈夫だと安心している企業。
「会社は変化しなければならない!」と方針を掲げた所で、
「真剣さ」には大きな差があるようです。
危機感と変化(=チャレンジ)は相関関係にあります。
・危機感 大 → チャレンジ 大
・危機感 小 → チャレンジ 小
皆さんの会社では、危機感の共有をされていますか?
2023-05-11『経営理念やクレドを見直す時 PART3』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
前々回に引き続き、経営理念やクレドを
どのようなタイミングで見直しをするとよいのでしょうか。
既存事業の収益をもとに
新規事業にチャレンジされる会社もあるでしょう。
その際、新規事業は既存事業と業界が異なる場合がある。
業界が異なれば、顧客も異なり、
提供する価値も異なる。
それなのに経営理念が同じということは不自然です。
例えばビジネスホテル事業を主事業としていた。
高級食パン店を新規事業として始めたとする。
その時に経営理念が同じであることに無理があります。
様々な事業をグループとして展開していると
総合的・抽象的な経営理念が制定されがちです。
グループ全体として経営理念は曖昧であっても
少なくても各子会社毎に具体的に設定するべきではないでしょうか。
働いている従業員は、グループ全体の経営理念よりも
自社の経営理念を見て仕事をしているはずです。
事業を多角化した時ほど、ミッションは明確に。
これらは、どうしても後手に回ってしまいがちですが、
忘れないようにしてください。