2024-07
2024-07-26『シニアと若手の融合』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
前回に引き続き。
十方よし.TV 7月号のゲストは、
株式会社メトロールの松橋社長。
工場の自動化に貢献する「高精度工業用センサ」の
開発・製造・販売をされている会社です。
従業員120名(パート・アルバイトさんが多数)でありながら、
世界200以上の装置メーカーと取引があり、
グローバルニッチトップ企業です。
日経ビジネス、日経トップリーダー、
カンブリア宮殿などにもご紹介されているので、
ご存知の方もいるでしょう。
メトロールさんの興味深い点は、
シニアと若手が上手く融合していること。
かつて事業の方向転換などにより、
大手企業の技術者が外部に流出しました。
彼らは新しい活躍の場を求めています。
メトロールさんにも
大手企業出身の技術者が入社しました。
そして技術者として、着実に力をつけている
30代の若手もいます。
この両者(シニア×若手)を組み合わせて、
技術開発をしているのです。
パートナーとして機能しているんです。
新しい製品が生まれているケースもあります。
シニアと若手のシナジー効果を出したいと思っていても、
上手くいっている企業の方が少ない。
そこには、一回り二回りもの年齢差があり、
世代間ギャップが存在する。
互いに理解し合えない存在として認識し、
歩み寄ることができない。
結果、シナジーが生まれていません。
なぜメトロールさんでは、上手くいっているのか?
「不安と恐れ。それを取り除くこと」
「左脳ではなく右脳のコミュニケーションをすること」
と松橋社長は言います。
つまり反対の現象が多くの会社で起きています。
潜在意識の中で不安や恐れを感じながら
仕事をしている。
技術を伝承すれば、自分の居場所がなくなるかもしれない。
お役御免で必要とされなくなるかもしれない、等。
そして左脳のコミュニケーションばかりしている。
論理性、合理性重視です。
人間の感情や気持ちは視界から外します。
本来、会社はどうあるべきなのか。
人間同士の関係とはどうあるべきなのか。
それを再考できるお話でした。
2024-07-18『“もめ事がない”ことが良い関係なのか?』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV 6月号のゲストは
谷川クリーニングの谷川社長。
茨城県と千葉県にクリーニング直営13店舗、
コインランドリー直営1店舗を運営されています。
「ルールや仕組みを作らない。組織図もない」
一見、変わった企業の様に見えるかもしれません。
これでどうして会社が運営できるのか?
不思議ですね。
当時は他社と同じようにルールや仕組みで
組織をマネジメントしていました。
事業計画書を作ったり、
作業・接客マニュアルを作って研修を実施したりと。
しかし谷川社長には違和感があったそうです。
「本当にこれでいいのかな?」と。
お父様との不仲から、心も疲弊しきっていた。
ある方との出会いをきっかけに、
お父様との関係性を改善しようします。
自ら挨拶をし、自ら変わることを選択しました。
それに伴い、
スタッフとの関係性も変化していきました。
「関係性があればルールや仕組みはいらない」
谷川クリーニング様は一つの生命体の様に、
チームプレイで仕事が流れていきます。
そして仮に問題が起きても、
「役割や責任」などと言っていないで、
指示がなくても、それぞれが動いていくのです。
谷川社長は「良い関係」とは何か?
を自問自答します。
良い関係とは、「プラスマイナス0の状態」?
つまり「もめ事がない」「ケンカがない」
「無関係な状態」
これが「良い関係」なんだろうか?と。
「プラスマイナス0の状態」をゴールに置くならば、
できるだけ相手と関わらないようにする。
関わらなくなったから、もめ事がなく
いくらか平和になったと感じるかもしれませんが。
相手と関わらないことで、
些細なことで疑心悪鬼にもなることはなくなりません。
谷川社長はお父様と
「プラスマイナス0の状態」ではなく、
「プラスの関係」を築きたいと考えた。
そして自分の言動を変えていきました。
私たちは、仕事やプライベートで
人間関係に悩みます。
もめ事があると、
「プラスマイナス0の状態」をゴールに置く。
それはそれで構いませんが、
谷川社長の様に、本当は「プラスの関係」を築きたいと
心の中で思っているならば、
ゴール設定を変更しなければなりません。
「もめ事がない状態」を目指すのか。
「信頼し合える状態」を目指すのか。
ゴールをどこに置くのかで、
私たちの振る舞いは変わっていきます。
2024-07-15『循環型農法から学ぶ人材育成』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
昨年に引き続き、洞爺湖まで行き、
循環型農法を実践する佐々木ファームで研修を受けてきました。
今回も学びの多い2日間でした。
人材育成とはどうあるべきか、
改めて自身のスタンスを再確認できました。
「野菜を育てるのと人を育てるのは違う」と
怒られそうですが、
共通している点はあると思います。
綺麗な野菜を作るために、
農薬を使い虫に食べられないようにする。
有機肥料を使い、十分に栄養を取らせて
十分な大きさの野菜が取れるようにする。
どちらもスーパーの店頭に並び、
手に取って購入してもらうには必要なことだと思います。
佐々木ファームの野菜を食べると、
本来の野菜が持っている生命力のようなものを感じます。
人間がおぜん立てしすぎてしまうと、
野菜が本来持っている生命力を発揮せずに
終わってしまうのではないか?と思います。
自分で何もしなくても、
周りからの害虫を駆除してくれて、
栄養を与えてもらえる。
これでは「生きよう」とする遺伝子に
スイッチが入らない。
根を地中深くまで張り、栄養を求める野菜は、
「生きたい」という意思の表れなのかもしれません。
与えすぎず、整えすぎず。
主体的な意思を育む。
人材育成のセオリーとも言えます。
2024-07-04『ビジネスも都政も結果の検証を』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
東京都知事選が間もなく行われます。
東京都の財政状況は非常に良く、
予算規模はスウェーデン並みと言われているそうです。
東京都で事業をやっていると、
東京都の恩恵を受けていることもあります。
優秀で膨大な都職員もいるので、
様々な施策の実行度も期待できるでしょう。
私たち都民は、知名度や印象で投票している感が
どうしてもありますね。
都知事がどのような公約を当時掲げていたのか?
最近振り返りをしたら、
私は2~3つくらいしか覚えていませんでした。
7つのゼロを掲げて、
27項目の課題解決アクションを提示。
1.都道電柱ゼロ
2.多摩格差ゼロ
3.待機児童ゼロ
4.介護離職ゼロ
5.残業ゼロ
6.満員電車ゼロ
7.ペット殺処分ゼロ
ビジネスでは目標と実績を見て振返りをする。
そして次の目標を立てる。
つまりPDCAを回すことが基本ですが、
CAが疎かになりがちです。
この都政も同じなのでは?とも思います。
公約と達成状況を振り返って、
何ができていて、何ができなかったのか。
自ら振返りをする機会、つまりCAです。
今回掲げた公約は、
スローガンとしては頭に残るものもありましたが、
具体的な内容がイメージできないものもありました。
達成基準が曖昧で、判定そのものが難しいものも。
かっこよくカタカナを使っていて
定義がイマイチよくわからなかったり。
この辺りは、ビジネスでも目標と計画を作るときに
気をつけたいものです。
実際に施策を実行してみないと
障害が見えてこないこともあります。
ですからすべての公約を達成度100%は
現実的に難しいとは思います。
しかしどこまでやれたのか、
検証結果はしてもらいたいですね。
そうしないと、実現できなくても
魅力的な公約を掲げた人が得をするという
現象が起きてしまうので…。
7月の都知事選の結果が楽しみです。