2025-02

2025-02-21
『行き過ぎた協調社会』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

昨年12月にダイヤモンド社から、

『ライバルはいるか? 科学的に導き出された
「実力以上」を引き出すたった1つの方法』

という書籍が出されました。

著者が述べているように、
最近は誰かと競争することを
ダサいと考える風潮さえありますね。

著者によれば
ライバルがいる人はいない人よりも、

・モチベーションが26%高い
・仕事の満足度が33%高い
・成長の実感度が36%高い
・年収が28%高い
・幸福度が39%高い

という結果が出ているそうです。

金介教授は昨今の「行き過ぎた協調社会」に
アンチテーゼを投げかけるために、
この調査を行ったそうです。

学校や会社から競争を排除する傾向が
強まっており、ライバルとの競争によって
得られる成長の機会が失われていると。

ライバルは敵ではなく、
ライバルの存在は人生を豊かにすること。

そしてライバルは、
自分を成長させてくれた感謝するべき対象であること。

私も筆者の考え方に共感できる点が多いです。

好意的にライバルを捉えることで、
自分を客観視します。

客観視することで、
何を伸ばすべきかを真剣に考えます。

学生時代、サッカーをやっていた時、
レギュラーとして試合に出るために、
チーム内のメンバーは仲間であると同時に
ライバルでした。

 

だから自分の強みをどのように伸ばすのか、
弱みをどのように克服するのか、
真剣に考えていたと思います。

負けたくない気持ちが
練習へと駆り立てました。

企業経営においてもライバルがいます。

同業の中で、ライバル企業がいるから
切磋琢磨をしますね。

もしライバル企業がいなかったら、
「この程度でも十分」と
どこかで怠け心が働きそうです。

どちらが顧客により支持をされるのか、
競争するからよい商品やサービスが
生まれるわけです。

行き過ぎた協調意識も
行き過ぎたライバル意識も、
悪でしかないのかもしれません。

 

2025-02-12
『人生を変える魔法の靴 part2』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き、
十方よし.TV1月号のゲスト、
徳武産業株式会社の十河会長のお話です。

前回は「介護用シューズ」あゆみが誕生するには、
現場(高齢者)での徹底的なヒアリングがあったという話でした。

介護施設の代表をしていた友人から

「高齢者が転ばない靴を作ってほしい」

と依頼を受けたのが始まりです。

十河会長は施設に行き、
何百人もの高齢者の歩き方に注目。

若者は踵から地面に着地するのに対して、
高齢者はつま先から地面に着地することを発見します。

そこで靴の先を数センチ上げることによって、
躓きを防ぎ、転倒防止の靴の開発することに成功しました。

数年間の努力の上、
あゆみがようやく売れ始めた頃です。

ある日、有名な看護師に靴を見てもらったそうです。

「ヒールをあと5mm削ってくれたら…」

とアドバイスをもらいました。

 

そこで、
旧タイプの1,300足の在庫を全て破棄してしまったのです。

「ヒールの5ミリくらい…。
 不良品でないのになぜ廃棄されたのですか?
 1,300足を売り切ってから、新タイプを販売すれば
 よかったじゃないですか?」

と質問をすると

 

「これは弊社の覚悟です。
 弊社は小さな会社です。
 1,300足の廃棄は大きな損害です。
 でもより良いシューズをお届けしたかったんです。
 このシューズを待っている人がいる」

と十河会長が答えられました。

私でしたら、この決断はできなかったと思います。

私は「損得」で考えてしまった。
でも十河会長は「正しさ」を軸に英断した。

正しい経営を貫くには、
何よりも覚悟が必要です。

 

2025-02-06
『人生を変える魔法の靴』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

十方よし.TV1月号のゲストは、
徳武産業株式会社の十河会長でした。

徳武産業様は、
「介護用ケアシューズ」という新たな市場を開拓。

 

高齢者の歩きやすさ、転倒のしにくさなどにこだわった
「あゆみシューズ」は販売累計2,000万足を突破しています。

中小企業でありながら、
業界トップシェア(50%以上)を維持しています。

高齢者は多くの足の悩みを抱えているそうです。

高齢者の足の形というのは、
腫れたり、むくんだり、長さが違ったり。
老化による足の変形もあります。

それだけ一般的な靴屋で
ピッタリの物を探すのは難しい。

中には両足のサイズが異なるため、
大きな足のサイズに合わせて靴を購入し、
ブカブカになるもう片方の靴に綿を詰めて使用する。

すると靴がフィットしていないため、
転んでしまうことに繋がりかねない。

高齢者にとって転んで骨折すると、
ADLが落ちるきっかけになってしまいます。

 

そこで片方半額販売(左右サイズの違う靴の販売)
という非常識なことにもチャレンジされました。

「そんなことをしたら在庫の山になってしまう」
と専門家から反対されましたが決行。

靴の色やサイズ、靴底の厚さ、ベルトの長さ等、
自分に合ったサイズを選べる、
「パーツオーダーシステム」も構築しました。

十河会長夫婦は、あゆみシューズを開発するまでに、
高齢者施設で約500人のお年寄りの足や歩き方について
徹底的に調査されたそうです。

お年寄りの足の悩みを現場で直に聞く。

「施設に預けてから、娘・息子が
 会いに来なくなってしまった」

と話す高齢者もいたそうです。

高齢者の気持ちに寄り添い、
高齢者の声を徹底的に聞く。

その過程があったからこそ、
高齢者の立場に立ち、
非常識なことでも決行することが
できたのではないかと思います。

皆さんの会社は、徹底的に
お客様の声に耳を傾けていますか?