経営理念浸透ブログ
2025-01-24『経営基盤は人間関係が9割』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
経営者も人間です。
得意分野がありますし、苦手分野もあります。
一人で全ての領域をカバーすることはできません。
自分の苦手領域を自覚していれば、
苦手領域においてメンバーを頼ることができます。
そして謙虚にメンバーの声に耳を傾けることができます。
「全ての分野が標準以上にできる」と自己認識していると
メンバーの意見に耳を傾けることができない。
例えば、マーケティング(=事業展開)は得意だが
マネジメント(=組織づくり)は苦手な経営者がいます。
ビジネスモデルを考えて、
価値ある商品・サービスを考えることが得意。
一方で社内メンバーの「感情」には関心がない。
関心がないから、人よりも気づかない。
顧客とも社員間も突き詰めると「人間関係」です。
お客様との人間関係が悪くなれば、
リピート率は下がります。
社内の人間関係が悪くなれば、
退職者が増えます。
退職者が増えれば生産性は下がります。
ノウハウも溜まりません。
退職者が担当していた顧客もしだいに離れていく。
人間関係を疎かにして、
内部崩壊してしまった会社もあります。
一からではなく、マイナスからの立て直し。
非常に時間も労力も要するでしょう。
経営幹部同士の人間関係が悪化していることで、
事業の方向が定まらない会社もあります。
このように考えていけば、
「人間関係」は疎かにできません。
人間関係は「経営数値」に与える影響は少ないと
考えがちですが、そうではありません。
会社が好転していく
重要な要因と考えたほうがいいでしょう。
2025-01-16『失敗した時に「誠実さ」が問われる』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
弊社でも別事業において、
人材採用に大変苦労しております。
33万円を使って、
一人も応募者が来ないという
アンラッキーな出来事もありました。
こちらの掲載を依頼したのはN社。
営業担当・運用担当の方は契約時には、
自信をもって私に営業トークをしていました。
「30万近く費用を使えば、御社の基準があるので
1名採用できるかどうかは分かりませんが、
4~5人程度の応募者は来るかと思います。
弊社には○○人の登録者がおり、
スカウトメールにアプローチが可能。
過去の実績値から見て、十分にクリアできます」
このように自信を持って語っていましたが、
3週間が経ち応募なし。
「残りの予算で別の手を打ちますので
もうしばらくお時間をください」
結局、予算を使い切り応募者0名。
もちろん弊社の掲載原稿は完璧ではないので、
課題はあるでしょう。
残念だったのは、担当の方ではなく
アシスタントのスタッフから、
「結果は出ていないのですが、
掲載は延長されますか?」
とだけ連絡がきたこと。
結果が出る・出ないは、
様々な要因があるので仕方がないことです。
残念だったのは、
担当者から連絡・説明がなかったこと。
総括があってもいいし、
今後の改善点の説明があってもいい。
担当者は気まずくなり、
避けてしまったのでしょうか…。
自分が事前に話していた結果が出なかった。
今回の件は「失敗」と言ってもいいでしょう。
その時にどのような対応をするのか。
上手く行かない時ほど、
人の誠実・不誠実が現れるといいます。
この会社のサービスは
二度と利用しないでしょう。
不快な思いをすれば、
「次」のチャンスはないですね。
私も反面教師にしたいと思います。
2025-01-05『遺伝子にスイッチが入る体験』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
サッカー元日本代表監督の岡田武史氏。
岡田氏のお話を聞く機会がありました。
フランスワールドカップの最終予選終盤。
前監督が解任され、急遽代表監督へ。
当時は危機的な状況であって、
ワールドカップへの期待から
周囲からものすごいバッシングを受けた。
最終的には現実を「開き直る」ことができて、
覚悟を決めてチームを導いた。
筑波大学の分子生物学者である
村上先生から「遺伝子にスイッチが入る」
という話を後になって聞いたそうです。
「人間の遺伝子には百科事典3200冊分の
情報が入っている。
そのほとんどは普段は眠っている。
何らかの刺激を受けることでスイッチが入り、
大きな力を発揮することができる」
そのワールドカップ予選の時の自分の状態は、
「遺伝子にスイッチが入っていた」
ということに気づかれる。
岡田氏は教育事業も今治で展開されていますが、
教育方針の中でも「遺伝子にスイッチを入れる」
ということを大事にされています。
岡田監督のほどの体験はないにしても
「遺伝子にスイッチが入る」に
近しい感覚を抱いたことはないですか?
今年は弊社の規模からすれば、
過去にない大きな投資を試みた年でした。
金額が大きいがために、
かなり覚悟や勇気も試された。
万が一、
失敗すれば会社が倒れるような事態にまで
発展する可能性もあります。
絶対的に失敗は許されない。
そういう「追い込まれた状態」に
自分の身を置いた時、
今まで使っていない思考が
動きだしたような気がしました。
「遺伝子にスイッチが入る」とは
大袈裟かもしれませんが、
「このままいくとヤバい…」
「絶対にどうにかしないと…」
その時に自分の中の何かが動き出した。
どうしたら上手くいくか…、
乗り越えられるか…。
様々な思考が頭の中をめぐりました。
必然的に自己変容も起きます。
これはすごく貴重な経験です。
皆さんは2024年、
「遺伝子にスイッチが入る」体験はありましたか?
2024-12-30物づくりはヒトづくりから
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よし.TV12月号には
田野井製作の田野井社長をゲストにお迎えしました。
埼玉県白岡市に本社を構え、
昨年、創業100周年を迎えました。
タップ・ダイスの製造を主事業としています。
あまり聞きなれない製品だったのですが、
雄ネジ、雌ネジとも言われているそうで、
様々な工業製品に使用されています。
専業ならではの高い技術に支えられた製品は、
トラブルが少なく、コスト削減につながると
納品先からの評価も高い。
田野井社長の入社当時は、職場の雰囲気が暗い。
挨拶をしても返ってこない。
正直言えば、
「誇れる職場ではなかった」と言います。
専門知識・技術を持っていない田野井社長が就任。
挨拶改革と同時に環境整備から始めたそうです。
いわゆる5Sですね。
いらない物をとことん捨て(=整理)、
直ぐに取り出せるようにする(=整頓)
綺麗な状態を維持(=清掃・清潔)する活動をしました。
社員は始めは嫌々で、
やらされ感もあったといいます。
社長自ら率先垂範をし、
徐々に環境整備活動が定着。
今では、5Sをしながら社員同士がおしゃべりをし、
楽しくやっている光景も見られます。
創業100年も経っている会社ですから、
建物内外部はお世辞にも「新しい」とは言えません。
だからこそ
社員の皆さんが日頃から綺麗にし、磨いているのが
いっそう伝わってきます。
「良き習慣は才能を超える」とも言われます。
5Sは田野井製作所では「良き習慣」ですね。
この会社に入ったら綺麗にすることが
「普通」になります。
環境の力は大きいですね。
皆さんも自社に何かしらの「良き習慣」を
作ってみませんか。
2024-12-26『社内で出世してはいけない人』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
リーダーには「人間性」や「人格」等が
必要だと言われます。
「本当にそうなのかな…」と
思ったことはないですか?
「人間性」の定義が曖昧ですし、
実態が見えにくいものです。
人間性の高い低いを測定しにくい。
周囲の人の感性によるところもある。
意地悪な上司、
ハラスメント傾向がある上司の元で
働いたことがあると、
リーダーには「人間性」が必要と実感します。
さて以前、ネッツトヨタ南国株式会社 横田氏から
「人間性」と「能力」を4つのマトリックスに分けた
お話を聞いたことがあります。
1 鬼 大 × 金棒 大
人間性が高く能力も高い。
2 鬼 大 × 金棒 小
人間性は高いが能力は低い
3 鬼 小 × 金棒 小
人間性は高くない。能力も低い。
4 鬼 小 × 金棒 大
人間性は高くないが能力は高い。
この分類に当てはめて考え、
4「鬼小 ×金棒大」の人材は
社内に居る方はいますか?
能力が高い。かつ権威もある。
そういう方の人間性が曲がっていると、
たくさんの被害者を出しますね。
大きな金棒を使いこなすことができない。
金棒が大きいということは、
金棒を助けることにも使えるし、
傷つけることにも使える。
つまり「使い方次第」。
鬼次第ということなります。
リーダーは人間性が大事だと
言われる所以はここにあると思います。
そしてもう一つの視点は「可変性」。
3「鬼小 × 金棒小」の人材は、
企業としては不要と烙印を押すこともできます。
ただこれはあくまで一時的なプロットであり、
変化する可能性があります。
鬼が大になる可能性も、
金棒が大になる可能性も秘めている人材もいます。
自分のことしか考えないやんちゃな若手社員。
入社して3年経って協調性も出てきて、
チームのことを考えられるようなった人材がいれば、
この例に該当します。
当時の印象で、
不用という烙印を押さなくてよかったですね。
あなたのチームは、
どのようなタイプの人材で構成されていますか?
2024-12-19『中途入社者の空回り』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
中途入社者を受け入れるに当たり、
受け入れる側も
本人も意識変容・行動変容する必要があります。
中途入社者である自分に期待されることは、
新しい風を吹かせることだ。
そのやる気が空回りすると、
入社早々に組織にダメ出しをします。
「以前の会社では○○だった」
「なぜ○○をしているのか?
前職ではありえない」
「○○というやり方は時代遅れ。
やり方を変えるべきだ」
ダメ出しをされる側はムッとするでしょう。
あなたはこの会社の何を知っているのか…と。
様々な経緯があって今のやり方に
落ち着いていることもあります。
言われなくても分かっている…と
思われるかもしれませんね。
協調性がない人とレッテルを
貼られてしまうかもしれません。
ですから入社初期の振る舞いは重要です。
最低1ヶ月程度は、
職場をよく観察するべきでしょう。
職場をよく理解する。
周囲のメンバーと少しでも信頼関係を築く。
その上で改善点も伝えるべきでしょう。
経験者採用ですと
素直に「教えてください」と言えない人もいる。
なぜこのようなやり方をしているのか、
まずは謙虚に学ぶ姿勢も必要です。
評論家にように問題点の指摘や文句を言うのではなく、
自ら行動で示す方法もあるでしょう。
実際にやってみせることです。
一番反感を買うのは、指摘や文句は言う割には、
本人は何も行動しないということ。
口だけの人は信頼を得られませんね。
中途入社者のやる気を組織に活かすために、
「中途入社者の心得」
を受け入れる側から提示しておくと
よいかもしれません。
2024-12-13『さかなクンは○○と言いました』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
東京海洋大学客員教授であり、
お魚大好きなさかなクン。
テレビ等でも見る機会がありますね。
さかなクンが以前、発信していたコメントで
共感したことものがあります。
要約すると
「メジナは広い海の中で仲良く群れて泳いでいるが、
せまい水槽に一緒に入れたら、
1匹を仲間はずれにして攻撃し始める。
怪我して可哀そうだから、その魚を別の水槽に入れた。
すると、残ったメジナは別の1匹をいじめ始めた。
助け出しても、また次のいじめられっ子が出てきた。
いじめっ子を水槽から出しても新たないじめっ子が表れた。
広い海の中ならこんなことはない。
小さな世界に閉じ込めると、なぜかいじめが始まる。
同じ場所にすみ、同じエサを食べる、同じ種類同士なのに」
学校や職場、あらゆる組織でも
メジナと同じような現象が起きることがありますね。
狭い世界(=狭い職場)にいると、
同じ職場の人のことを「ああだ!こうだ!」と言い出す。
外部から見たら対した事ではないのに、
他人への批判や不満が止まらない。
これって狭い世界に居ることが
居心地がよく、安住しているか?とも思います。
視点や関心が組織内部しか目が向いていないと、
顧客やパートナーの支持・信頼は得られないですよね。
広い海ではメジナは、協力しあえるようです。
外的から身を守るために
仲間同士の違いを受け入れ、
一致団結しているからでしょう。
A社の人事部の方は、
「あまり暇になると、人の欠点を探すんだよね。
他人の批判・不満を止めない人は、暇なんだよ。
適度に忙しかったり、夢中になっているものがあれば、
そんなことをしている時間はない」
とも言っていました。
広い海では「暇」という状態はなく、
適度に緊張感があるのかもしれません。
職員全員がどこを向いて仕事をしているのか。
狭い世界ではなく、
広い世界に目を向けているのか。
現状を確認してみましょう。
2024-12-06『楽をすることはサボることはでない』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「楽をする=サボる
楽をする=手を抜く」
と捉えている会社はないだろうか?
A社では経営会議の議事録を
若手社員が取っている。
会議は2Hにも及び、
2Hの発言内容のほぼ全てを記載しなければならない。
正確に文字起こしをすることが求められるらしく
ICレコーダーで録音し、聞き取れない所は後日確認。
他部署にも展開するらしく、上司もダブルチェック。
正確な議事録を作るのに8H近くかかっているようです。
タイプパフォーマンスの観点で疑問を持った
若手社員が提案しました。
「結論を明記すればいい。プラス結論に至る重要な意見だけ
記載することで十分ではないですか?」
「議論のやりとりは、AI議事録を使って文字起こしを
見てもらえばいい。
ホワイドボードに書いた結論だけ写メで共有すれば
十分ではないでしょうか?」
それの提案を聞いた上司は、賛同しませんでした。
「若手社員は議事録を取りながら、学べることもあるので
今までのやり方を続けよう。
楽をしようと考えてはいけない」
おそらく一部の社員が「この仕事は面倒だな」と
思ったということは、他の社員から見ても面倒な仕事です。
誰にとっても面倒な仕事ならば
「楽をする=効率化」のアイデアは
むしろ歓迎されるべきですよね。
楽をしたいと思うことは、改善の種です。
「怠け心=悪」と捉えてはいけません。
・苦労をしなければ仕事ではない
・仕事は楽をすることは考えずにコツコツやるべきだ
このような社風(=苦労することは美徳)であれば
仕事のやり方はこれからも変わらない。
しいてはDX化にも出遅れて、
若手社員の不満も積もっていくかもしれません。
楽をした方がよいことをみんなで考えて、
楽な方法を見つけたいものです。
2024-12-02『退職者は裏切り者ではない』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
皆さんの会社では、
退職者にどのように接しているでしょうか?
会社の風土によって異なりますが、
退職者を「裏切者扱い」するような会社もあります。
本人が退職意向を伝えてから退職日まで塩対応をする
ハラスメントのような対応をしたり、
過剰な引継ぎや業務を押し付ける。
有休も消化させないようにする。
こういう会社は、
辞めてから陰で愚痴を言い続けています。
「アイツは実は使えない奴だったよな。
どこの会社に行っても通用しない」
「アイツは自分勝手な奴だった。
もっと会社に恩を感じていないのか…」
「辞めたアイツとは連絡を取るなよ。
二度と口も聞くな。関係を断ち切れ」
手塩にかけて育ててきた人材が
他社に転職してしまう。
とても悔しい気持ちがあるのでしょう。
だから退職者への不満や愚痴が止まらない。
しかし残っている社員がその光景をみたら…。
彼・彼女らの不満や愚痴を
聞いていたらどう思うか…。
(もちろん重大なトラブルをして
会社を去っていくのは別です)
退職者に冷たい対応をして
器量が小さい会社だな…と思うかもしれない。
自分も退職時には同じように
陰で愚痴られるのかな…と思うかもしれない。
残念ながらこういう会社には
「出戻り社員」はいないでしょう。
「出戻り社員」は外の会社も知っているため、
自社の価値を再認識した貴重な人材です。
私も過去に賞与支給翌月に退職を
したことがあります。
直近半年の考課はA評価でした。
しかし既に退職意向を伝えていたため、
C評価までに下げられてしまいました。
結果、C評価の賞与支給額でした。
辞める人間にお金を払いたくない。
今いる社員にお金を使いたい気持ちも
分からなくもありません。
しかしAレベルの功績を残したにも関わらず、
そこは考慮してもらえず、
がっかりした覚えがあります。
いつか生活環境が変わって、
また復職したいという声があがるかもしれない。
ビジネスパートナーとして、
一緒に仕事をするかもしれない。
お客様(ユーザー)として、
関わり続けるかもしれない。
退職者への仕打ちは、そのような可能性を
全て自ら断ち切ってしまうことになる。
世の中は思ったよりも狭い。
どこでどう繋がっているかも分からない。
裏切者ではなく「卒業生」として、
見送りたいものです。
2024-11-29『性弱説で仕組み・ルールを見直す』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「経営者に必要なのは、
経営学だけではない。
心理学も知らなければ、
上手に経営することはできない」
新卒でお世話になった会社の社長が
そのようなことを言っていました。
つまり「人間」というものを
深く理解すること。
お客様も「人間」であり、
社員も「人間」です。
人間の本質や特性を知ることが、
経営者は特に必要だということでしょう。
会社の仕組みを作る上で大事なことは、
「性弱説」に基づくこと。
そのように教わったことがあります。
つまり人は生まれながらにして、
弱い生きものである。
頑張ろう!と思っても長続きしない。
継続することが苦手である。
面倒くさいこと、手間がかかることは
後回しにする。
苦手な人とはコミュニケーションを
取りたがらない。
誰も見ていなければ、少しくらいはバレないと
ズルをしてしまうこともある。
決まったやり方があっても、
自分のやり方を優先したいと思う。
弱い生き物であるがゆえに、
様々な誘惑があります。
他者の目や体制、ルールがなければ、
誘惑に負けてしまうかもしれません。
「弱い心」であっても始められる方法はないか?
「弱い心」であっても続けられる方法はないか?
「弱い心」であってもできる方法はないか?
会社の仕組みやルールを作るときに、
優等生の観点では構築してしまいがちです。
「弱い心」を持った
「弱い人間」の観点で
今一度、見直していただくと、
改善点が見つかるかもしれません。