経営理念浸透ブログ

2024-09-13
『米づくり農家が減り続ける理由』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

新米が流通するまでの辛抱と言われていますが、
お米不足が深刻です。

福祉関係の事業では、
食事提供があるためお米の確保が必須。

しかしなかなか米は見つからず。
仮に見つかっても、割高過ぎて手が出ないことも。

そもそも昨年までは、
食パンやスパゲティなどの小麦製品が値上がりする一方で、
お米の価格は安定的に低いまま。

一時前までは、
コメの消費が減り続けているとニュースになっていました。

若い世代でコメ離れが進んでいると。

理由は、炊飯器を置くのが邪魔、米を炊くのが面倒、
パン食への移行、炭水化物は太るという思い込み等。

しかし直近では需要と供給のバランスが
大きく崩れました。

お米屋さんに行った際、
店主がこんなことを話されていました。

「お米が高い、高いと言われているが、
 小麦に比べたら、本来はこの値段でも安いくらい。
 日本のコメは安すぎる。安いということは、
 農家が続けられないということ。
 
 農家がもっと儲かるように、
 米単価が上がらないといけない。
 
 消費者は嫌がると思うけどね。
 
 農家を近くで見る私からは、
 もっと農家が豊かになってほしい」
 

安い米に慣れてしまっている私たちは、
今の値段は「高い」と感じてしまうかもしれない。

私の親族も米作りをしているので、
その苦労は理解している方です。

これだけ約1年間、苦労して働いて、
収穫をして、10キロ3,000円?…。

苦労して儲からないならば、
担い手はどんどん減ってしまいます。

異常な安さの裏側には、
誰かを逼迫させる可能性があります。

いずれは破綻し、持続できません。

不都合な真実です。

 

2024-09-07
『結果の見え方の違い』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き、
結果とプロセスについて。

パリ2024オリンピックは先日、閉会しました。

日本選手の素晴らしい活躍により、
多くのメダルを獲得できました。

スポーツは勝負の世界ですから、
勝ち負け、順位、メダルの獲得有無といった
結果が明白です。

結果がついてきた選手は、
様々な取材に応じて賞賛を受ける。
官邸にも招かれたり。

残念なのは、
思うような結果が出なかった選手に向けて、
SNS上で批判をする方が多数いること。

選手本人は、
「力を出せた」
「無事に本番の試合に臨むことができた」
と満足している。

その方に向けて、
厳しいコメントが向けられる。

望む結果が出なかった選手に向けて、

選手の練習に4年間付き添ったコーチは、
どのようにコメントするか?

選手を4年間支えた家族は、
どのようにコメントするか?

選手を近くで見てきたチームメイトは
どのようにコメントするか?

思うような結果は得られなかったが、
プロセスを見てきた関係者は、
とても批判はできません。

様々なものを犠牲にしたり、
試練を乗り越えたり。
練習をし過ぎてケガをしてしまったり。

どのような結果だったとしても、
「お疲れ様」という言葉が
自然と出てくるのではないでしょうか。

または過程を知っているがゆえに、
本人と同様に悔しさをにじませ、
涙を流す人もいる。

一時の運も含めて、
結果のみを見て批判する人。

4年間のプロセスを見て、
結果を受け入れる関係者。

結果の見え方が大きく異なります。

真剣に頑張った選手ほど、
結果が出なかったことへの悔しさが残る。

悔しさの共感は、
プロセスへの関与から生まれるますね。

ビジネス・会社においても
上記のようなことが
日常的に起きていますね。

 

2024-08-29
『結果を強調すると心が離れていく』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

ビジネスは綺麗ごとだけでは成り立たない。

「かんばりました」という努力賞ではなく、
「結果」が求められます。

会社によっては、
どんなにいいことを言ったとしても
「結果が全て」という会社もあるでしょう。

ビジネスにおいては
「結果は重要である」という点においては、
まぎれもない事実です。

しかし「結果」について、
どのようにメッセージを発信すればよいかは
慎重にならざるを得ません。

さもとないと、

「結果を出した人間が一番偉い」
「結果を出した人間は何をやっても許される」
「結果を出さない人間は価値がない」
「結果を出さない人間は発言する資格さえない」

このように異様な空気社内に作り出します。

「結果が全て」

これを使う場面を間違えたり、
普段から連呼しすぎると、
部下との心の距離がどんどん離れていくことがあります。

「結果を出せ」と連呼する上司がいますね。

上司が「結果を出せ」と言って、
部下が結果を出せるならば、
マネジメントは誰でもできます。

結果を出さないといけないことは、
部下も分かっている。

そのために何をするのか。
プロセスへの関心と承認をしていくこと。

これらがなければ、
厳しいビジネスの世界で
部下との一定の心の距離と保つことは
難しいかもしれません。

 

2024-08-22
『お金を払う人は偉いのか?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

日常の生活の中でも、ビジネスにおいても
商品・製品を売る人と買う人がいます。

売り手と買い手。

「お金を支払う側=買い手」

どうしても買い手の方が力を持ちやすいですね。

「お金を払っているんだから、
 このくらいやってもらって当然」

という思考になります。

 

あまりにもギャップがあれば、
クレームになることも。

しかし私の知り合い経営者のⅠさん。

この方は、
お金を支払っている側(買い手側)なのに、
売り手をおもてなしする姿勢を貫かれています。

どうしてそこまで「謙虚さ」をお持ちなんだろう…
とさえ、思ってしまうほどでした。

「松本さん、もちろん買い手は弊社。
 でも取引先から、あの会社と付き合ってよかった。
 数ある取引先の中から、
 あの会社とのご縁は大事にしたい。
 あの会社の要望ならが直ぐに取り掛かろう。
 
 弊社とお付き合いがある会社には、
 先方にも売上以外の何か。
 メリットを感じてもらいたい」

とお話されていました。

一業者、一下請けのように扱われるのか。
大事な頼りになるパートナーとして扱われるのか。

取引先の社員も経営者も人間です。

「この会社のために…」
と思う人もいるでしょう。

すると金額以上のことで恩返しないといけないと
いっそうやる気になることもある。

私もI社長の姿勢から学ぶ必要がありそうです。

大金であればあるほど、
これだけ支払っているのに…と
ワガママも言いたくなる。

お金を払う側が偉いではなく、
「この会社のために…」と
思われるような態度や姿勢が自分にはあるか。

反省したいと思います。

 

2024-08-16
『ネガティブ思考に陥りやすい人へ』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

健康状態や性格などが起因し、
物事をネガティブに
捉えてしまいがちな人がいますね。

人間として、
生命を脅かす本能が働いているとも捉えられますが、
「過剰に」にネガティブになってしまうことは、
生活の質を下げることに繋がります。

そのような方への一つの助言として、
精神科医の大野氏は、
「情報を収集すること」をあげています。

思い当たることがありますね。

確かに数年前のコロナ渦、
日本国内は混乱状態でした。

新ウィルスの実態が掴めない時は、
特に誹謗中傷や風評被害もありました。

東京都の人は、菌をまき散らすから地方に行くなとか。

東京ナンバーのクルマが地方でいたずらにあう事件も
ありました。

お店を営業すれば自粛しろ!と誹謗中傷を受ける。

テレビでは毎日感染者数が放送されて、
専門家たちが危機感を煽るコメントを出す。

コロナに関して正しい情報が少なすぎて、
必要以上に混乱に陥っていたように思います。
結果、ネガティブ思考に陥ることに。

外出を一切控えて、自宅に引きこもり、
健康を害した人も多数いました。

どういう人が重症化しやすいのか、
どういう症状が出るのか、
どのくらいの期間で治るのか。
どのような対策方法が考えられるのか。

情報が出そろってきて、
落ち着きを取り戻していったように思います。

仕事上でも同様です。

インパクトがあり少ない情報。
これにより、
ネガティブ状態に巻き込まれがちです。

少ない情報の中で、
あれこれネガティブに妄想すれば、
不の連鎖は止まりません。

まずは「正しい情報を集める」こと。

それにより、
必要以上にネガティブにならなくて済む。

ネガティブが不必要とは言いません。

適度に正しく「ネガティブ」を
受け入れることが必要かと思います。

 

2024-08-08
『“不満”ではなく“不安”が理由です』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

労働者を酷使して劣悪な職場環境で働かせる企業のことを
「ブラック企業」という。

ブラック企業で働きたいと思う人は少数であり、
ブラック企業では若者の退職率は当然高くなる。

対語には「ホワイト企業」がある。

一般的に従業員のエンゲージメントが高く、
退職率と残業時間が低く、
有給休暇が多い企業を指す。

ホワイト企業を目指している経営者も出てきている。

「働き方改革とは“働かない”改革」
揶揄している専門家もいる。

つまり、いかに労働時間を減らし、
どれだけ休みを増やすのか。
それだけに注力しがちだからだ。

「ゆるい職場」というワードも出てきた。

労働時間も短くて、休みもしっかりとれて、
仕事のプレッシャーも少ない。

大きな仕事の責任を負うことは少なく、
やるべきことをやっていればいい。

リクルートワークス研究所の調査によれば、

直近の新入社員の48.9%が、
「自分は別の会社や部署で通用しなくなるのではないかと感じる」
回答しているそうだ。

社内の人間関係も良いし居心地もよい。
でも自分は成長しているのだろうか?
社外から見て、価値あるビジネスパーソンになっているのだろうか?

このままこの「ゆるい職場」にて
自分の将来はどうなるのだろうか?

そんな不安を抱くのでしょう。

「働きやすさ」と「働きがい」。
その2つが揃って初めて、働き方改革。

「働きやすさ」ばかりを追求した結果、
「ゆるい職場」になってしまわないように。

特に自己成長意欲が高い若手社員ほど、
「ゆるい職場」に見切りをつけてしまうでしょう。

「不満」だけでなく「不安」も退職の要素になりうる。

 

2024-08-02
『それも“強み”になる』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

レジリエンスの分野でも、
ウェルビーイングの分野でも、
組織活性化の観点でも、
“強みを自覚し発揮することが重要”と言われています。

「強みは何ですか?」

とビジネスパーソンに質問すると、

「誇れるような強みはありません」

「何か特別な強みはありません」

「他人より優るような強みはありません」

という回答がしばしば返ってきます。

どうしても、

「強み=際立ったビジネススキル」

という認識が強いように思います。

一見、ありふれたもの(態度や姿勢)であっても
見方を変えれば、それも「強み」になることがある。

A社の立花(仮名)さんの強みは「素直さ」。

「素直さなんて誰でも持っていますよ…」
と本人は言われていました。

しかしA社は多くの中途入社者がおり、
都合の良く会社の方針を曲げて、
自分流を貫くリーダーが多い。

 

経営幹部が助言しても、
聞いているフリで、聞き流すリーダーもいました。

立花さんも中途入社者ですが
素直に吸収する姿勢を持ち続けています。

すでに何年もA社に勤めているような判断軸を
持ち合わせることができました。

本人は謙遜していますが、A社から見れば、
立花さんの「素直さ」は強みではないですか?

B社の松下(仮名)さんの強みは「感情の安定」。

気分の浮き沈みがなく、部下の相談事にも
いつも冷静に丁寧に助言ができていました。

松下さんの部署にいる若手社員から見れば、
「感情の安定」は強みでした。

なぜならば以前のリーダーは気分の浮き沈みが大きい。

 

不機嫌な態度を職場で露骨に出すことも多く、
報告・相談するべき時にできなかったそうです。

不機嫌な上司に気を使いすぎて、
疲弊している若手社員が多数。

謙遜していますが、B社の若手社員から見れば、
松下さんの「感情の安定」は、
強みではないですか?

自分から見れば
「強みとは呼べないような強み」
「平凡な強み」

これらが環境によっては、
「価値ある強み」になることがある。

 

「価値ある強み」を本人に自覚し
発揮をしてもらいましょう。

 

2024-07-26
『シニアと若手の融合』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

前回に引き続き。

十方よし.TV 7月号のゲストは、
株式会社メトロールの松橋社長。

工場の自動化に貢献する「高精度工業用センサ」の
開発・製造・販売をされている会社です。

従業員120名(パート・アルバイトさんが多数)でありながら、
世界200以上の装置メーカーと取引があり、
グローバルニッチトップ企業です。

日経ビジネス、日経トップリーダー、
カンブリア宮殿などにもご紹介されているので、
ご存知の方もいるでしょう。

メトロールさんの興味深い点は、
シニアと若手が上手く融合していること。

かつて事業の方向転換などにより、
大手企業の技術者が外部に流出しました。

彼らは新しい活躍の場を求めています。

メトロールさんにも
大手企業出身の技術者が入社しました。

そして技術者として、着実に力をつけている
30代の若手もいます。

 

この両者(シニア×若手)を組み合わせて、
技術開発をしているのです。

パートナーとして機能しているんです。

新しい製品が生まれているケースもあります。

シニアと若手のシナジー効果を出したいと思っていても、
上手くいっている企業の方が少ない。

そこには、一回り二回りもの年齢差があり、
世代間ギャップが存在する。

互いに理解し合えない存在として認識し、
歩み寄ることができない。

結果、シナジーが生まれていません。

なぜメトロールさんでは、上手くいっているのか?

「不安と恐れ。それを取り除くこと」

「左脳ではなく右脳のコミュニケーションをすること」

と松橋社長は言います。

つまり反対の現象が多くの会社で起きています。

潜在意識の中で不安や恐れを感じながら
仕事をしている。

技術を伝承すれば、自分の居場所がなくなるかもしれない。
お役御免で必要とされなくなるかもしれない、等

そして左脳のコミュニケーションばかりしている。
論理性、合理性重視です。
人間の感情や気持ちは視界から外します。

本来、会社はどうあるべきなのか。
人間同士の関係とはどうあるべきなのか。

それを再考できるお話でした。

 

2024-07-18
『“もめ事がない”ことが良い関係なのか?』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

十方よし.TV 6月号のゲストは
谷川クリーニングの谷川社長。

茨城県と千葉県にクリーニング直営13店舗、
コインランドリー直営1店舗を運営されています。

「ルールや仕組みを作らない。組織図もない」

一見、変わった企業の様に見えるかもしれません。

これでどうして会社が運営できるのか?
不思議ですね。

当時は他社と同じようにルールや仕組みで
組織をマネジメントしていました。

事業計画書を作ったり、
作業・接客マニュアルを作って研修を実施したりと。

しかし谷川社長には違和感があったそうです。

「本当にこれでいいのかな?」と。

お父様との不仲から、心も疲弊しきっていた。

ある方との出会いをきっかけに、
お父様との関係性を改善しようします。

自ら挨拶をし、自ら変わることを選択しました。

それに伴い、
スタッフとの関係性も変化していきました。

「関係性があればルールや仕組みはいらない」

谷川クリーニング様は一つの生命体の様に、
チームプレイで仕事が流れていきます。

そして仮に問題が起きても、
「役割や責任」などと言っていないで、
指示がなくても、それぞれが動いていくのです。

谷川社長は「良い関係」とは何か?
を自問自答します。

良い関係とは、「プラスマイナス0の状態」?

つまり「もめ事がない」「ケンカがない」
「無関係な状態」

これが「良い関係」なんだろうか?と。

「プラスマイナス0の状態」をゴールに置くならば、
できるだけ相手と関わらないようにする。

関わらなくなったから、もめ事がなく
いくらか平和になったと感じるかもしれませんが。

相手と関わらないことで、
些細なことで疑心悪鬼にもなることはなくなりません。

谷川社長はお父様と
「プラスマイナス0の状態」ではなく、
「プラスの関係」を築きたいと考えた。

そして自分の言動を変えていきました。

私たちは、仕事やプライベートで
人間関係に悩みます。

もめ事があると、
「プラスマイナス0の状態」をゴールに置く。

それはそれで構いませんが、
谷川社長の様に、本当は「プラスの関係」を築きたいと
心の中で思っているならば、
ゴール設定を変更しなければなりません。

「もめ事がない状態」を目指すのか。
「信頼し合える状態」を目指すのか。

ゴールをどこに置くのかで、
私たちの振る舞いは変わっていきます。

 

2024-07-15
『循環型農法から学ぶ人材育成』

こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

 

昨年に引き続き、洞爺湖まで行き、
循環型農法を実践する佐々木ファームで研修を受けてきました。

今回も学びの多い2日間でした。

人材育成とはどうあるべきか、
改めて自身のスタンスを再確認できました。

「野菜を育てるのと人を育てるのは違う」と
怒られそうですが、
共通している点はあると思います。

綺麗な野菜を作るために、
農薬を使い虫に食べられないようにする。

有機肥料を使い、十分に栄養を取らせて
十分な大きさの野菜が取れるようにする。

どちらもスーパーの店頭に並び、
手に取って購入してもらうには必要なことだと思います。

佐々木ファームの野菜を食べると、
本来の野菜が持っている生命力のようなものを感じます。

人間がおぜん立てしすぎてしまうと、
野菜が本来持っている生命力を発揮せずに
終わってしまうのではないか?と思います。

自分で何もしなくても、
周りからの害虫を駆除してくれて、
栄養を与えてもらえる。

これでは「生きよう」とする遺伝子に
スイッチが入らない。

 

根を地中深くまで張り、栄養を求める野菜は、
「生きたい」という意思の表れなのかもしれません。

与えすぎず、整えすぎず。
主体的な意思を育む。

人材育成のセオリーとも言えます。