経営理念浸透ブログ
『奇抜性と合意性はトレードオフ』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
以前、ベーカリープロデューサーの岸本社長が
「社員に相談するといって社長が我々の提案を持ち帰ると
たいがい反対されるんですよね。
店舗のネーミングが独特ですからね」
と言われていました。
このケースからも
「奇抜性」と「コンセンサス」は
トレードオフの関係にあると思います。
私も中小企業の経営者から
「新しいサービスや新しい商品、
または新たな目線での組織改革を
若手メンバー中心で成し遂げたい」
というご相談を受けることがあります。
その取り組み自体は大賛成なのですが、
やってはいけないのが、
「全管理職の合意を取る」というプロセス。
全員とはいいませんが、
長く勤めて管理職になった方は、
良くも悪くも、
これまでの会社の方法・風習に染まっています。
組織がピラミッド構造で運営され、
上下関係がしっかりしていれば、
管理職にお伺いを立てます。
理解がある管理職ならば、
いい意味で放任してくれます。
しかし
「お節介な管理職」
「俺に許可なしでやるな管理職」は、
若手社員の提案へ熱心にアドバイスします。
若手社員もこのアドバイスを無視できればいいのですが、
そうともいかず受け入れてしまう。
すると最終的なアウトプットはどうなるか。
全管理職の相談・合意を取っているうちに、
「尖り」が全くなくなり「普通」になっています。
さてそもそも若い人の力を活用して、
「普通」の価値を提供したかったのでしょうか?
ですから
全管理職のコンセンサスはいりません。
今までにない取り組みであれば、
経営者直轄で活動する。
または意外性を歓迎する管理職のもとで活動する。
他の管理職への面倒な説明は、
経営者やこの管理職がすればいいことでしょう。
「全管理職を説得する力を
若手社員にも養ってほしい」という方がいます。
でも重鎮を説得するのが一番面倒くさい。
根気も時間も必要になってくる。
そこにエネルギーを消耗すれば、
だんだん若手も活動しなくなっていきます。
異質な取り組みであればあるほど、
“若い芽”が潰されないようにしないといけません。
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