こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
『静かに退職する若者たち』という書籍の中に
下記のようなエピソードが出てきます。
A社の開発部門では女性が圧倒的に少ない。
そこで女性の採用数を増やしつつ、
時間をかけて彼女たちのキャリアパスを検討を重ねた。
研究開発者といえ、実験室にこもっているわけにもいかない。
より顧客に近い所で、知見と経験を積む必要がある。
そこで4名の女性新入社員を採用し、
彼女たちを対象に新しい取り組みを始めた。
開発部に仮配属した上で
6ヶ月~12ヶ月単位で
企画部や営業部を経験してもらい、
再び開発部に戻すといった
横断的なプロジェクト。
つまり最長12カ月にも及ぶジョブローテーション。
あくまでも研修という目的であること、
そして開発部に出入りもできる。
研修終了後は必ず開発部に戻す。
このことを丁寧に説明してスタートしたそうだ。
しかし予想外のことが起きる。
4人中2人が辞表の提出。
うち1人は退職代行サービスを使って。
担当者は相当ショックを受けたそうだ。
上記のようなエピソードです。
様々な部署を経験し、
理想的な開発者を育てることが狙いだったはず。
意識の高い人には、
このプロジェクトはフィットするが、
そうでない人にはどのように受け止めたのか?と
推察されている。
これは非常に考えさせられる事例です。
つまり社内のスタッフが、
どのような目標・価値観・資質を持っていて、
その人たちにどのような価値を届けるのか。
社内の教育もマーケティングであるということ。
「将来幹部になりたい」
「幅広い視点から考え、
他部署も巻き込める研究者になりたい」
というビジョンを持っている人には、
多少大変なことがあっても、
このプロジェクトに価値を感じたかもしれない。
そうではなく、
「自分の好きな研究だけを淡々とやっていたい」
という人には、意義を感じられなかったのかもしれない。
丁寧に顧客分析をするように
社員分析も丁寧にする。
決して別物ではない考えたほうが
これからの時代は上手くいくかもしれません。