十方よし.TV 1月号のゲストは、
鹿沼(かぬま)グループの福島社長です。

前回は、
福島社長が困難な状況でも動き続けた
「折れない姿勢」についてお伝えしました。

今回は、
事業再生の軸となった「ビジョン」
についてのお話です。

会社が厳しい局面に立たされたとき、
必ず問われるのが、

・この会社は、どこに向かうのか
・なぜ、この会社は存在するのか

という点です。

鹿沼グループも、
民事再生という状況の中で、
多くの社員が会社を去っていきました。

その中で福島社長は、
「この会社に残る理由」と
「進む方向」を
はっきりさせる必要がありました。

現在、鹿沼グループが掲げているビジョンは、
次の一文です。

「また来たいと思ってもらえる
 “次のゴルフ場”を創り出す」

このビジョンの特徴は、
「次のゴルフ場とは何か」を
あえて決めていないことです
。

多くの場合、
ビジョンは数値や具体策まで落とし込み、
解釈の余地をなくそうとします。

もちろん、
それが有効な場面も多くあります。

しかし鹿沼グループは、
あえて正解を示しませんでした。

ゴルフ場という事業を
一度広く捉え直し、
現場一人ひとりが考える余地
を残したのです。

その結果、
「本当にゴルフ場なの?」
と思うような取り組みが生まれました。

・リトリート事業
 ゴルフコース内に設けたトレーラーハウスで、
 焚き火や自然を楽しみながら過ごす特別な時間

・ピッツァコンテスト
 子ども × 食育 × ゴルフで地域をつなぐイベント

・R&A コミュニティゴルフ
 子どもたちが気軽にゴルフを体験できる場づくり

・花火大会の開催
 鹿沼市唯一の一尺玉を含む花火大会。
 過去最高の850名が来場

いずれも、
ゴルフ場が本来持っている
「場所」「自然」「集客力」を
別の形で活かしたものです。

ビジョンは、
細かく指示を出すためのものではなく、
考え方の方向を揃えるためのものとも言えます。

答えを決めすぎないことで、
現場が考え、動き、工夫する余地が生まれる。

福島社長の話から、
そんなビジョンの力を
改めて感じました。

経営において、
すべてを決め切ることだけが
正解ではありません。

あえて問いを残す。
それもまた、組織を前に進める
一つの経営判断なのだと思います。