経営理念浸透ブログ
『うちの会社は潰れないですよね?と問われたら…』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
「従業員の不安を取り除ける経営者は、
素晴らしい経営者だ」
と私は以前考えていました。
しかし最近は、
「従業員の不安には終わりがない」
ということに気づきました。
果たして半永久的に従業員の不安を
取り除くことができるのでしょうか?
最近であれば、
「コロナ下で私たちの会社は大丈夫なんでしょうか?」
という不安。
これならば理解できます。
しかし従業員の不安はこれだけではありません。
「成熟期を迎えた業界であれば、会社はこのまま成長を
続けられるのか?」という不安。
「年配の上司が多く、ポストが空かない。
自分は昇格して給料が増えるか?」という不安。
「定年まで自分は今と待遇が変わらず、
働き続けられるのか?」という不安。
「給料がこれから増えなかった場合に、
家族を養うことができるのか?」という不安。
「この会社には将来ビジョンがない。
希望的なビジョンを示してほしい」という不安。
「自分は将来やりたいことがない。
夢もやりがいも感じられない」という不安。
「他の会社に転職をしたら、
自分は果たして通用するのか?」という不安。
「自分のスキルがなかなか上がらず、
社内で存在価値を発揮できるか?」という不安。
あげたらキリがなさそうです。
私が違和感を持つのは
「従業員のあらゆる不安の解消を会社に求めすぎている?」
と感じます。
例えば「会社の将来性が見えない」という声があるので、
会社のビジョンを明確にし説明をする。
すると
「会社のビジョンはわかりました。
社内で私の将来像がイメージできないので不安です」
という声が出る。
それならばと
会社のスタンダードなキャリアプランを設計して提示する。
すると
「私のなりたい姿はこの画一的なキャリアプランに
当てはまりません」
という声が出る。
従業員が100人いたならば、
100人個々の不安を払拭するキャリアプランを
会社が描かないといけないのでしょうか…。
甘えるのもほどほどに。
個人の責任の領域まで、
会社が過剰に背負っているように見えます。
「うちの会社は潰れませんよね?」という質問が
従業員から出たとします。
「うちは大丈夫だよ。
どんなことがあっても雇用を守る」
と答える経営者が素晴らしいのか?
「大丈夫なわけない。
今が正念場。簡単に潰れてしまうよ」
と答える経営者が素晴らしいのか?
100年後、200年後、300年後には
現実、ほとんどの会社はなくなります。
従業員と同様に経営者も一人の生身の人間。
不安と常に向き合って生きているわけです。
(会社内ではその姿を見せないでしょうが…。)
不安とともに生きる。
これは人間として生まれた以上、宿命です。
死ぬまで「不安」なのです。
あなたの不安の解消を会社に求めても、
解決しないかもしれません。
あなた自身で解決しないといけない不安がある。
あなたの人生の主人公は、“あなた”なのだから。
Related Posts