経営理念浸透ブログ
『多額の税金を使って焼却する現実』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
十方よしTV8月号には、
株式会社日本フードエコロジーセンターの
高橋社長にご出演いただきました。
日本フードエコロジーセンター様には、
数々の受賞歴があります。
・2007年 環境省主催「食品リサイクル推進環境大臣賞」奨励賞 受賞
・2015年 第2回「食品産業もったいない大賞」食料産業局長賞 受賞
・2018年 第2回ジャパンSDGsアワード
「SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞」受賞受賞
「食品ロスに新たな価値を」という理念のもと、
スーパーやコンビニなどで残ったお惣菜、
賞味期限間近の食品などを回収し、
発酵飼料に変えて養豚農家に提供する事業をされています。
養豚農家はどんどん少なくなっています。
経営を圧迫するのは飼料代。
海外からのトウモロコシ等を戦後から輸入し、
これまで乾燥飼料を養豚に与えてきました。
しかし年々、価格が上昇し経営を圧迫。
飼料代をいかに抑えるかは養豚農家の生命線です。
高橋社長が開発した発酵飼料「エコフィード」は、
乾燥飼料の約50%の価格で提供。
しかも良質な豚が作られることが分かり、
ブランド豚としてデパートで販売されている実例もあります。
またスーパーやコンビニから
捨てられてしまう食品は焼却に回される。
焼却費よりも20円/1キロ近く安く買い取ってくれるため、
スーパーやコンビニにとっても有難い存在。
養豚農家もスーパーやコンビニも、
そして消費者も喜ぶ理想的なビジネスモデルになっています。
しかし地域事情があるようで、
焼却費の半分を事業者が負担し、
半分は自治体が負担しているケースがある。
つまり税金を充てられて食品を焼却しています。
(なんとも滑稽です。我々が残した食品を
我々が収めた税金で焼却しているわけですから)
自治体がよかれと焼却費負担を高めれば、
事業者はリサイクルに回すよりも、
燃やしてしまったほうが廃棄代が安くなるため、
償却するという選択をする。
そのような事情があり、
高橋社長の事業は全国に求められているように見えても
一部のエリアでしか広からないという現実があるようです。
センター内を見学させてもらい、
ピラフや白ご飯、野菜やパンの山を見て唖然としました。
賞味期限前の物も多数あり、
まだ食べられそうなものばかり。
「もったいない…」と誰しも思うでしょう。
売手は欠品を恐れ過剰に作り、
チャンスロスがないように店頭に並べる。
賞味期限が迫ったものを消費者は買わないので、
早めに回収して、それはら店頭から消えていく。
まだまだ食べられる
「勿体ない食品」が大量に
廃棄されていくという現実。
世界には食料難な国もあれば、
日本では年間600~800万トンの食品ロスが出る。
「SDGs」や「持続的な社会」と道徳心や良心に訴えても、
やはりメリットがなければ、
事業者は正しい選択をし続けられません。
関係者がWINーWINーWINになる仕組みを
高橋社長は創り上げました。
このような事業が
次々に生まれてくることを願います。
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