経営理念浸透ブログ
『“納得”と“共感”を無視する』
こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。
部下たちにテーマを与えた。
すると
“みんなで話し合って決めました”
という回答が返ってきた。
たまにその空気に違和感を抱くことがある。
みんなで話し合って結論を出すこと=合議制。
合議制は響きがいいし、美しいものだ。
みんなに説明をして、みんなが納得する。
するとみんなが行動しやすい。
ただデメリットもないだろうか?
みんなの意見を取り入れているうちに、
どんどん特徴が「標準」になっていく。
尖りがない。特徴もない。
T社では役員が10人いる。
社長が最終決定できる権限をあまり持っていなくて、
役員10人の賛同を得られないと施行できないそうだ。
「この10人のコンセンサスを取るのが大変なんだ…」
とおっしゃっていて保留案件がいくつもあるらしい。
議論することは必要だし、
意見をぶつけ合うことは必要。
その過程でA案がバージョンアップしたB案になれば
まだいい。
しかし10人のご機嫌をとるような議論をしていると
A案がバージョンダウンしたC案になる。
もはやC案であるならば、
差別化もできないのでやる意味がない。
極端なアイデア、非常識なアイデアは
議論の過程で角を削り取られて、
かえって魅力のないものになってしまう。
「納得」や「共感」を求めるがあまり、
「普通に近づいていないか?」
と考えてほしい。
理解を得られないと組織は動かしにくい。
一方、理解が得られるものは
常識的で魅力的がないとも見ることができる。
トップダウン経営は批判されがち。
でも上記の理由からメリットもあります。
尖ったアイデアのまま遂行できるという点。
最終的には関係者の「納得」や「共感」がなければ
成果は出しにくいだろう。
ただ「納得」や「共感」を重視しすぎて、
タイミングを伸ばすのは惜しい。
日本の会社で
“変革やイノベーションが起こりにくい”
と言われるのは、これらの理由もあるでしょう。
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