こんにちは。
理念浸透コンサルタントの松本です。

近年、人事領域でよく耳にする言葉に
「心理的安全性」があります。

しかし、その正確な定義が十分に理解されないまま、
言葉だけが一人歩きしているケースも少なくありません。

たとえば──

・優しさと「ぬるさ」の混同。
 「何をしても許される職場」と誤解されていること。
 本来は、率直に意見を伝えつつ、
 発言に責任を持つというバランスが必要です。

・波風を立てないことを最優先する誤用。
 「仲良くやろう」「空気を壊さないようにしよう」
 という同調圧力が、かえって健全な議論を妨げている場合もあります。

一部の専門家は、心理的安全性を「育てるもの」と表現します。

つまり、

「こういうことを言っても大丈夫なんだ」
「違う意見を言っても受け止めてくれる人がいるんだ」

という経験の積み重ねによって育まれていくものであり、
短期間で確立できるものではありません。

組織づくりの専門家・中山信也氏も著書の中で、

「心理的安全性の高い職場をつくるには、
心理的柔軟性という考え方をメンバーで共有することが有効だ」
と述べています。

私もこの意見に強く共感します。

心理的柔軟性とは、
広義には
「どんな感情や状況の中でも、自分にとって大切な行動を選び取る力」。

狭義には
「相手の発言や意見を、柔軟に受け止める姿勢」を指します。

とくに管理職がこの柔軟性を欠くと、職場はどうなるでしょうか。

「自分と違う意見は間違っている。訂正しなければならない」

「相手の意見は幼稚だから、指導してあげる必要がある」

このような姿勢が広がれば、
部下は“正解探し”に走り、本音の意見は出にくくなります。

心理的柔軟性なしに、心理的安全性の高い職場をつくることはできない。
この点を、改めて認識しておく必要があるでしょう。