「ビジネスの世界では結果がすべて。
結果を出した人間が、この会社では一番偉い。」

ある顧問先のリーダーが、そう言い切っていました。

確かに、この考え方には“半分だけ”賛成できます。
しかし残りの半分には、どうしても首をかしげてしまいます。

ビジネスにおいて結果が重要なのは言うまでもありません。
そこに異論はありません。

しかし「結果を出した人間が一番偉い」
という価値観には、大きな落とし穴があります。

この考え方を持つ人は、
往々にして「成果を出さない人材」を見下し、
収益を生まない部門を軽視します。

中には、自分が忙しく成果を出しているのだから、
多少周囲の人を振り回しても構わない──
そんな“王様”のような態度を取る人もいます。

こうした人物は、いわゆる
“ブリリアントジャーク(Brilliant Jerk)” と呼ばれる存在です。

仕事の能力は極めて高く、問題解決も早い。
しかし周囲に与える影響は決して良くありません。

例えば、

攻撃的・高圧的な言動

他者を見下す態度

チームワークを乱す

情報を共有せず独占する

ミスを他人に押し付ける

…といった振る舞いが典型です。

近年は「いくら優秀でも、性格に問題がある人材は採用しない」
という方針を掲げる企業も増えています。

皆さんの職場には、
この“ブリリアントジャーク”はいないでしょうか。

私が見てきたケースでも、
彼らは確かに成果を出します。

しかし同時に、
威圧的な雰囲気で周囲の生産性を著しく下げ、
離職者を生む原因にもなっていました。

組織全体で見れば、
プラスよりマイナスのほうが明らかに大きいのです。

経営者に必要なのは、
「あなたがいなくても会社は十分に回る」
と、はっきり言える覚悟です。

短期的には痛手に見えても、
長期的にはこうした人材の存在は組織にとって“害”でしかありません。

企業が本当に守るべきものは、
成果より先に「企業風土」なのです。